外壁をタイルにするメリット!モルタルやサイディングと比較して解説

外壁は家の外観を決めるとても重要な部分です。
きれいな状態を保ち「長持ちさせたい」と思う方も多いのではないでしょうか。
見た目の高級感と高い耐久性があるため、人気を集めているのが「外壁タイル」です。
外壁タイルは豪華な見映えと、汚れにくく耐久性にも優れていることからメンテナンスフリーの外壁とも言われています。
しかし、優れている外壁タイルでも実はメンテナンスが必要です。
この記事では外壁タイルの特徴だけでなく、メリットやデメリット、初期費用からランニングコスト、補修のタイミングまで解説していきます。
また、気になるタイルと他の外壁材との比較もお伝えしていきます。
外壁材は何を選ぶかによって見た目やメンテナンス性が大きく左右するので、ぜひ最後まで確認していきましょう。

外壁タイルの特徴
タイルは、石や土、粘土を板状にして高温で焼き固めて作ったものです。
外壁だけでなく、お風呂場や床材などの内装にも使われる素材です。
土や石は年月が経っても劣化しにくく、腐敗や燃えたりもしないので半永久的に使用できる素材です。
そのため、外壁タイルも<耐久性が高く、劣化しにくい外壁材として知られています。
外壁タイルの特徴をかんたんにまとめたので確認しましょう。
デザイン | 重厚感、高級感がある | |
---|---|---|
価格 | 1㎡あたり10,000円~ 初期費用は高い |
|
性能 | 耐久性 | 硬く、傷に強い 経年劣化が発生しにくい |
断熱性 | 高い | |
遮音性 | タイルの厚みに依存するが、高い | |
防汚性 | 高い(親水機能で雨水で汚れが落ちる) | |
メンテナンス | 頻度 | 約10年周期 |
劣化症状 | タイルの汚れ シーリングのひび割れ タイルのひび割れ、浮き、剥がれ |
|
方法 | タイル洗浄 コーキング補修 タイル補修、交換 |
外壁タイルの特徴は、「見た目の高級感」と「耐久性」です。
他の外壁材との比較は「サイディング・モルタルとの比較」の章でしますが、外部からの傷や刺激に強いため、初期費用はかかるものの他の外壁材と比べ長持ちするのが外壁タイルです。
ここまで、外壁タイルの特徴について説明してきました。
次の章では外壁タイルのメリットについて確認しましょう。
外壁タイルのメリット

外壁タイルのメリットは以下の3つです。
- デザイン性が高く高級感のあるおしゃれな外観になる
- 耐久性が高く、汚れにくい
- メンテナンス費用が安く、手入れも簡単
ひとつずつ解説していきます。
デザイン性が高くおしゃれな外観になる
外壁タイルの一番の魅力と言ってもいいメリットは「外観の高級感」です。
高温で焼き固めたタイルは、素朴な味わいのものから落ち着いたもの、洋風、和風と豊富なラインナップが特徴です。
安価なサイディングにもタイルを模したものがありますが、本物のタイルの重厚感や高級感には敵いません。
風情あふれるおしゃれな外観にしたい方にはタイルはぴったりの外壁です。
また外壁タイルはデザイン性が高いため、メーカーによって取り扱う種類も多くあります。
ぜひ、住宅展示場やメーカーのホームページで自分の家に合うものを検討してください。
耐久性が高く、汚れにくい
外壁タイルの2つめのメリットは「耐久性が高く、汚れにくい」ことです。
強い日差しや雨風、汚れに強いことが外壁タイルの強みです。
タイルの吸水率は約1%と低く、ひび割れの可能性も低いです。
寒冷地区や雨がよくふる地域では吸水率1%以下のタイルを使用することで、凍害の心配もほとんどありません。
また、外壁タイルは親水性が高いため、日常の汚れは定期的に雨水で落とされます。
定期的に外壁掃除をする自信がない人でも長期間にわたって美しさを保つことができるのは、外壁タイルの大きなメリットです。
メンテナンス費用が安く、手入れも簡単
外壁タイルの3つめのメリットは「メンテナンス費用が安く、手入れも簡単」なことです。
一般的に外壁タイルに必要なメンテナンスは、タイルの洗浄や目地のコーキングの打ち直しです。
タイル素材を使った外壁はメンテナンスフリーという表現もよく見かけますが、実はタイルもメンテナンスは必要です。
ただ、メンテナンスが必要になるまでの周期が長く、メンテナンスコストをかなり抑えることができる点は他の外壁材にないメリットなのです。
タイルは、金属やガラス等といった天然資源から作られた無機質材料のため、タイル自体は劣化しません。
しかしながら、タイルの溝を埋める目地や下地などは劣化してしまうため、その部分において補修が必要になるというわけです。
メンテナンスコストについては、後述の「外壁タイルのメンテナンス方法」で詳しく説明しますが、おおよそ30万円~50万円とサイディングの半額で済むことが多いです。
外壁をタイルにするときの注意点

外壁をタイルにするとき、気をつけておきたい注意点は以下の3つです。
デメリットの部分をあらかじめ確認して、外壁のタイルを検討しましょう。
- 初期費用が300万円~と高額
- 職人に技術がないと地震でタイルが落下する
- メンテナンスフリーではない
ひとつずつ解説していきます。
注意1.初期費用が300万円~と高額
外壁をタイルにするには、1つの物件で約300万円以上かかります。
一般的なサイディングの場合150万円程度で施工可能なため、サイディングに比べると初期費用が2倍以上かかります。
なお、メリットでも説明しましたが、メンテナンス費用が他の外壁材に比べて安価なため、外壁タイルは長い目で見ればコストのかからない外壁材です。
初期費用の予算を確認したうえで、外壁のタイルを検討しましょう。
外壁タイルの費用について詳しく知りたい方は下記の記事で確認してください。
外壁タイルを張る費用の相場は?施工からメンテナンスまでの価格も紹介注意2.職人に技術がないと地震でタイルが落下する
外壁タイルは、職人の腕が悪いと「タイルの浮きや剥がれ」が発生することもあります。
モルタルも職人作業ですが、素人が見ても施工不備が分かりやすいのに比べ、タイルの場合はなかなか気がつかないこともあります。
そのため、外壁タイルを依頼する際は「施工実績のしっかりしている業者」を選ばなくてはなりません。
外壁の劣化は数年経たないと見えてこない分もあるので、過去の実績を確認して信頼できる業者かを確認するのが大切です。
注意3.メンテナンスフリーではない
外壁タイルで気をつけておかなければならないのが「メンテナンスフリーではない」ということです。
メンテナンス不要をうたう外壁タイルもありますが、外壁タイルを貼り付ける下地や目地が劣化するため、定期的なメンテナンスは必要です。
メンテナンスは間違いなくタイルが一番費用もかからず、かんたんに行えます。
ただし、外壁タイルにすればメンテナンスは一生かからないわけではないと覚えておきましょう。
なお外壁タイルのメンテナンス方法や費用については後述の「外壁タイルのメンテナンス方法」で説明していきます。
サイディング・モルタルとの比較
日本の住宅のなかで主流となっている外壁材は「サイディング」「モルタル」です。
そのため、外壁をタイルで検討されている方のなかには、サイディングやモルタルと悩んでいる方もいるでしょう。
外壁タイルをサイディングやモルタルと比較してみましたので、確認していきましょう。
外壁の種類 | 見た目 | 価格(初期費用) | 耐久性 | メンテナンスコスト(10年ごと) |
---|---|---|---|---|
外壁タイル | 高級感がある | 1㎡あたり10,000円~ | 40年 | 30万円~50万円 |
サイディング | 無難・一般的 | 1㎡あたり2,000円~6,000円 | 25年 | 80万円~120万円 |
モルタル | 味がある | 1㎡あたり1,600~7,500円 | 30年 | 80万円~100万円 |
ひとつずつ説明していきます。
サイディングとの違い

サイディングは全外壁材シェアの8割を占める外壁です。
金属やセラミックなどの素材を使いながらも、レンガ調や木材調、タイル調など既存の外壁を真似たデザインが豊富にあります。
サイディングのメリット
サイディングのメリットは「初期費用の安さ」です。
1㎡あたり3,000円~と外壁タイルの半分以下で施工をすることができます。
また外壁材をを外側から貼り付けていく作業も、タイルに比べるとかんたんなため職人の技術に質が左右されにくい外壁材です。
サイディングのデメリット
サイディングのデメリットは「メンテナンスコストの高さ」です。
耐久性の高い外壁タイルと違い、サイディングは傷みやすく劣化しやすいため、大がかりなメンテナンスが必要になります。
具体的には10年周期で80万円~120万円の費用がかかります。
タイルのメンテナンス費用の倍以上かかるため、サイディングはトータルコストではなく初期費用の安さを重視する場合にオススメです。
モルタルとの違い

モルタルは日本の伝統的な工法で、土などの素材を下地に塗り上げて作る壁のことです。
現在では全外壁材シェアの1割程度ですが、デザインが均一なサイディングと違い、手作業ならではの味わいを好む方に使用され続けています。
モルタルのメリット
モルタル(塗り壁)のメリットは「外観の味わい深さ」です。
基本的にすべて手作業で行われるため、職人によって仕上がりに差が出ます。
また、セメントと砂・水という不燃性の原料で作られているため、火にも強いという特徴もあります。
モルタルのデメリット
モルタルのデメリットは耐久性が低く「ひび割れしやすい」点です。
ひび割れが起こると、雨水やホコリなどが侵入して建物の劣化を招いてしまうため、定期的な補修や塗装などのメンテナンスが必要です。
また、モルタル外壁は職人による施工になるため、メンテナンス費用が高いというデメリットもあります。
具体的には10年周期で80万円~100万円の費用がかかります。
サイディングよりは抑えられますが、タイルのメンテナンス費用の倍以上かかるため、モルタルは味わいのあるデザインを重視する場合にオススメです。
ここまで外壁タイルと、サイディング、モルタルの比較をしてきました。
外壁タイルは初期費用が3つのなかで一番かかりますが、メンテナンスコストは30万円~50万円と大変安い外壁材です。
30年以上など長い目で見るとトータルコストを抑えることもできるため、最初に予算を抑えるかどうかをあなたのライフステージに合わせて検討しましょう。
外壁タイルのメンテナンス方法
外壁タイルは耐久性が高く長持ちしますが、経年によって汚れやタイルの浮きといった症状が出ます。
症状を放置していると外観が悪くなるだけでなく、タイルが剥がれたりしてしまうので、定期的にメンテナンスを行いましょう。
外壁タイルのメンテナンスは以下の4つです。
- タイル洗浄:2万円~5万円
- タイルの浮き補修:一箇所あたり1,000円程度
- タイルの交換工事:一箇所あたり1,000円程度
- 目地のコーキング補修工事:1㎡あたり900円~1,200円
ひとつずつ解説していきます。
外壁タイルは耐久性が高く長持ちしますが、経年によって汚れやタイルの浮きといった症状が出ます。
外壁タイルのメンテナンスは基本的に以下の4つです。
タイル洗浄

タイル洗浄は高圧洗浄機で行う外壁タイルの掃除メンテナンスです。
費用は2万円~5万円かかります。
耐久性が高く汚れにくいタイルでも、汚れが付着していくとカビやコケ、錆につながることがあります。
外壁に水をかけ、柔らかいブラシやスポンジで汚れを落とすこともできますが、全面的な洗浄や高所の場合は業者に頼むのがおすすめです。
タイルの浮き補修

経年劣化でタイルが浮いて来た場合は、接着の補修を行います。
費用は一箇所あたり1,000円程度かかります。
タイルの浮きは、専門家が外壁を叩いて音を調べる検査で確認することができます。
専門的な技術と経験が必要になるため、実績のある業者を見つけるようにしましょう。
タイルの交換工事

タイルの一部が欠けたり、割れたり、剥がれているものに関してはタイルの交換が必要になります。
費用は一箇所あたり1,000円程度かかります。
タイルの交換(張り替え)は不具合のある部分だけ行うのが一般的ですが、下地の劣化が見られた場合は、範囲を広げて下地を補修する場合もあります。
目地のコーキング補修工事

外壁タイルの隙間や、サッシと外壁の間に充填しているコーキングは経年劣化を避けられないため、定期的に補修が必要になります。
費用は1㎡あたり900円~1,200円かかります。
コーキングの劣化を放置すると、タイルが剥がれたり耐震性の低下にもつながるため、補修は行いましょう。
コーキング補修には既存のコーキングを剥がしてすべて新しくする「打ち替え(打ち直し)」と、既存のコーキングのうえに重ねる「打ち増し」の2種類がありますが、基本的には耐水性・耐久性が高い「打ち替え」を行いましょう。
ここまで外壁タイルのメンテナンスについて説明してきました。
タイルの部分的な張り替えや、コーキングの充填などはかんたんな作業に思えるかもしれませんが、耐久性を保つには技術と経験が必要です。
安く済ませようとDIYをしても、後から業者にやり直しを依頼することになっては時間もお金も無駄になってしまいます。
必要と感じたときに迷わずプロに依頼するのが大切です。
外壁タイルの人気おすすめメーカー
外壁タイルの主要メーカーを2つ紹介します。
- LIXIL(INAX)
- 平田タイル,000円程度
ひとつずつ解説していきます。
LIXIL(INAX)

出典:製品紹介|LIXIL
LIXILは外壁タイル以外でもよく知られたメーカーです。
取り扱う外壁タイルの種類も多く、LIXIL独自の「はるかべ工法」では施工後の安全性に加え、様々なタイルを自由にコーディネートして張ることができます。
公式HPだけでなく、全国にあるショールーム等でも外壁のタイルを確認することができます。
外壁タイルの種類や色、デザイン、施工事例などを確認し、気になったものについては実物を見て検討しましょう。
平田タイル(サンクレイ)

出典:外装壁タイル|平田タイル
平田タイルは「サンクレイ(sunclay)」という住宅用外壁のトップブランドを展開しています。
タイルを製造するだけでなく、施工まで手掛けることで高品質かつ施工しやすい商品を生み出しています。
機能だけでなく、デザイン性の高いタイルが魅力です。
平田タイルの外壁タイルは公式HPだけでなく、東京・大阪・名古屋にあるショールーム等でも確認することができます。
外壁タイルの種類や色、デザイン、施工事例などを確認し、気になったものについては実物を見て検討しましょう。
まとめ
それでは「外壁タイル」についてポイントをおさらいしましょう。
この記事のまとめ
- 外壁タイルはサイディングやモルタルにはない重厚感・高級感のある見た目になる
- 外壁タイルのメリットは耐久性の高さとメンテナンスコストの安さ
- 外壁をタイルにしても目地などのメンテナンスは定期的に必要
- 外壁タイルは初期費用は300万円前後と高額なものの、長い目で見ればトータルの費用は安くなる
- 初期費用を抑えたい場合はサイディングもおすすめ
- 手作業による味わい深さを重視するならモルタルもおすすめ
- 外壁タイルのメンテナンス費用は10年ごとに30万円~50万円前後と、他外壁の半分以下
説明してきたとおり、外壁タイルの魅力は見た目の高級感とメンテナンスコストの安さです。
初期費用はかかりますが、その後の手入れやメンテナンスは他の外壁材よりかんたん・費用を抑えることができます。
外壁タイルを検討しているかたは、この記事を参考にして業者に相談してみましょう。
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