光触媒とは?外壁材や塗装のメリット・デメリット、メンテナンス方法について解説

光触媒は、近年、外壁材や塗料として使用されるようになっていますが、具体的に「どのような性能を持つのか」についてはあまり知られていません。
光触媒の概要を正しく知らないまま外壁に使用してしまうと、「こんなつもりでは…」と後悔することになってしまうかもしれません。
そこで、今回は光触媒の特徴や、光触媒を外壁に使用するメリット・デメリット、さらにメンテナンス方法についてもご紹介します。
光触媒とは

光触媒とは、酸化チタンなどを原料とする物質のことで、日光を浴びると化学反応により「防汚性」「浄化作用」などの機能を持っています。
近年、光触媒を含む「塗料」「外壁用タイル」「外壁材」などが増えており、それぞれ機能性が高いことから「グレードの高い塗料・外壁用タイル・外壁材」として販売されています。
まずは、「光触媒の塗料・外壁用タイル・外壁材(サイディング)」について詳しくご説明します。
塗料
光触媒塗料は耐用年数が非常に長く、具体的な期間は「およそ20年」です。
現在、国内には「シリコン系塗料」「ウレタン系塗料」など様々な塗料がありますが、現在出回っている塗料の中でも、光触媒は最も耐用年数が長いものとなっています。
また、光触媒塗料は、先にも挙げたように「防汚効果」「浄化作用」など、他の種類の塗料にはめったにない珍しい機能性も持っているのも特徴です。
外壁用タイル
もともと外壁用タイルは汚れが付着しにくいという性質がありますが、光触媒を使用した外壁用タイルはさらに高い防汚効果を持ちます。
なぜなら、光触媒を使用した外壁用タイルに汚れが付着すると、タイルと汚れの間に雨水が侵入するため、汚れが落ちやすくなるからです。
また、静電気の発生も抑えてくれるので、ホコリやチリを引き寄せにくくなります。
外壁材(サイディング)
光触媒は、外壁材(サイディング)にも活用されています。
外壁材に光触媒が使用されていると、「塗装の効果が長持ちする」といったメリットがあります。
一部の外壁材には光触媒塗料を吹き付けたものがありますが、「光触媒を使用していない外壁材」との差はなかなか見分けられません。
光触媒を外壁に使うメリット・デメリット

光触媒を外壁に使用する場合、いくつかメリット・デメリットがあります。
光触媒を外壁リフォームで使用する前に、メリット・デメリットの詳細を確認しておきましょう。
光触媒のメリット
光触媒のメリットは、下記の5つです。
- セルフクリーニング効果がある
- 耐用年数が長い
- 浄化作用がある
- カビ、藻が発生しにくい
- 遮熱効果が高い
外壁に光触媒を取り入れることで、外壁を汚れやカビ・藻などから守ることができます。
また、一度光触媒を取り入れると、耐用年数が長いので、塗料の塗り替えや外壁のリフォームなどをこまめに行う必要もありません。
他にも、空気を綺麗にする「浄化作用」や、室内で快適に過ごせる「遮熱効果」がありますので、より良い暮らしを送ることができるといったメリットがあるのです。
光触媒のデメリット
光触媒には魅力的なメリットがたくさんありますが、一方でデメリットもあるので確認しておきましょう。
- 全く汚れないわけではない
- 屋根には使用できない
- 商品が少ない
- サビにはセルフクリーニング効果がない
- 工期が長くなりやすい
- 訪問販売業者によるトラブルが多い
光触媒にはセルフクリーニング効果がありますが、まったく汚れないというわけではありません。
光触媒は、サビや黄砂に対するセルフクリーニング効果を発揮しないのです。
また、現時点ではまだ光触媒の商品が少なく、設定価格が割高になっています。
悪質な訪問業者に、光触媒のリフォーム工事を高額な費用を提示されて契約してしまう…といったトラブルも実際に少なくありません。
なお、「屋根用の光触媒塗料がない」といった理由から、屋根に使用することはできません。
そのうえ、作業の手間が多いことから、外壁工事の期間が長くなりやすいというデメリットもあります。
光触媒外壁のメンテナンス

光触媒を活用した塗料、外壁用タイル、外壁材(サイディング)の日ごろのお手入れは、「水洗い」で問題ありません。
例えば、鳥のフンや泥といった汚れは、光触媒のセルフクリーニングではキレイにできないので、ホースで水をかけて雑巾で拭き取ったり、高圧洗浄で洗い流したりする必要があります。
ただし、上記はあくまでも「日常生活でのメンテナンス」ですので、劣化が目立つようになってきたら、「塗料の塗り直し」「タイルの張替え」「外壁のリフォーム」などを行ってください。
光触媒塗料の取り扱いメーカー

光触媒塗料を取り扱うメーカーは主に下記の7つです。
メーカー名 | 塗料 |
---|---|
アイカ工業 | ジョリパットクリーンマジック |
K2コーティングマスターズ | K2コート |
日本特殊塗料 | エヌティオシリーズ(エヌティオGなど) |
ピアレックス | ピュアコートシリーズ(ピュアコート水性など) |
ニュートラル | NU-COATシリーズ(NU-COAT APなど) |
SICコーティングス | アートファインシリーズ(アートファインなど) |
OPTIMUS | 外装用オプティマスホワイトペイント |
国内の大手塗料メーカーとして知られている「関西ペイント」「日本ペイント」「SK科研」の3大塗料メーカーからは、光触媒塗料は販売されていません。
また、住宅設備機器などを製造・販売するメーカーとして知られる「TOTO」は、「ハイドロテクトコート」という光触媒塗料を取り扱っていましたが、既に生産終了となっています。
以下では、光触媒塗料を取り扱う大手メーカーとして、「アイカ工業」「K2コーティングマスターズ」をご紹介します。
アイカ工業
建材販売を行うアイカ工業では、「ジョリパットクリーンマジック」という光触媒塗料を取り扱っています。
アイカ工業で取り扱う光触媒塗料は、スプレー式ですので凹凸のある壁も塗装できるのが特徴です。
アイカ工業のジョリパットクリーンマジックは、スプレー式であるものの、他メーカーで取り扱う光触媒塗料と機能性に差はありません。
K2コーティングマスターズ
K2コーティングマスターズで取り扱う光触媒塗料「K2コート」は、あらゆる試験をクリアした高品質の塗料です。
例えば、K2コートは「作業性」「乾燥時間」「付着性」など、13項目の試験を経ていて、それぞれ一定の基準を満たしているという結果が出ています。
ただし、K2コートが使える素材は「水性塗料」「溶剤塗料」「タイル」「サイディング」と限られていますので、注意してください。
まとめ
今回は、光触媒の概要や外壁に使用するメリット・デメリット、メンテナンスの方法、取り扱いメーカーなどについてご紹介しました。
光触媒は、まだまだ認知度の低い塗料ではありますが、機能性が高く、取り扱いメーカーや商品が増えてきています。
光触媒の外壁は、外観の美しさを保つだけではなく、メンテナンスの手軽さや快適な生活を送りやすくするといった点が魅力です。
現在、外壁の塗装やリフォームなどを検討している方は、「光触媒」も視野に入れたうえで、計画を立ててみてください。