破風板の塗装は必要!剥がれたときの修理・対処方法と費用相場を解説

破風板とは屋根の側面に取り付けられている板のことです。
妻側(三角になっている正面)にあるため、傾斜がない屋根や妻がない屋根に破風板はありません。

写真の矢印、黒い線で囲まれている白色の面が「破風板」です。
破風板の上にある屋根のでっぱり部分は「ケラバ」という箇所で、勘違いされやすい場所ですが破風板ではありません。
破風板は屋根と外壁の間にあり、雨が入り込むのを防止する役割があります。
ただ、破風板は紫外線や風などを受けやすいため、外壁や屋根よりもメンテナンスが必要な部分です。
破風板が劣化すると雨漏りの原因になるため、塗装によって綺麗な外観を保ちつつ防水性を高めましょう。
この記事では外壁塗装や屋根の塗装を検討した際に「破風板」の塗装を知った方に向けて、以下の内容をお伝えします。
- 破風板の役割と塗装が必要な理由
- 破風板の塗装が剥がれたときの対処方法
- 破風板の塗装の費用相場
また破風板を塗装するときに悩みがちな「色の選び方」や注意点についても解説します。
ぜひ最後まで確認していきましょう。

破風板の塗装が必要な3つの理由
外壁や屋根と同じく、破風板も塗装による定期的なメンテナンスが必要です。
破風板の塗装が必要な理由は下記の3つになります。
- 破風板の劣化を防ぐため
- 雨漏りのリスクをなくすため
- 美しい見た目を維持するため
それぞれ解説していきます。
1.破風板の劣化を防ぐため
破風板の塗装が必要な理由の1つ目は「破風板の劣化を防ぐため」です。
破風板は紫外線や雨風のダメージを直接受ける部分のため、外壁や屋根よりも劣化するのが早いからです。
破風板が劣化してしまうと、以下のような破風板の役割が失われてしまいます。
破風板の役割
- 耐風性能の向上
- 破風板は下から吹き上げる突風を防ぎ、屋根が飛ばされないよう守っています。
- 耐火性能の向上
- 厚みのある木材や、不燃、準不燃の窯業系サイディングのものを破風板に使用することで住宅火災時の火の回りを遅くしています。
- 壁面の保護
- 雨樋がない家の妻側を守り、壁からの雨漏りを防止しています。
家の屋根・壁を守っている破風板を劣化させたままにすると雨漏りなど、トラブルにつながります。
そのため定期的なメンテンスを行い、破風板の劣化を防ぎましょう。
2.雨漏りのリスクをなくすため
破風板の塗装が必要な理由の2つ目は「雨漏りのリスクをなくすため」です。
破風板の役割として壁面を保護するものがありますが、破風板が劣化すると水を吸い込むようになり、変形してしまいます。
破風板が変形して隙間ができると、そこから雨風が吹き込み、軒天や屋根裏の雨漏りにつながってしまうのです。
雨風が劣化した破風板から入り込み2階の天井から雨漏りした事例もあるため、破風板が劣化しないよう定期的な塗装が必要です。
3.美しい見た目を維持するため
破風板の塗装が必要な理由の3つ目は「美しい見た目を維持するため」です。
とくに家の妻部分がよく見える家の場合、破風板が劣化していると家全体の見た目が悪くなってしまいます。
また、雨漏りなどの深刻な問題が出てから塗装を行っても補修の跡が残ってしまい、結局破風板自体の交換をする羽目になってしまう可能性もあります。
綺麗な見た目を維持するためにも破風板は塗装から5、6年経過したら業者に診てもらいましょう。
外壁や屋根の点検は10年ごとと言われているので、外壁や屋根の点検前に心配なところがあれば早めに相談するのが大切です。
ここまで破風板の塗装が必要な理由について説明してきました。
次の章では破風板の塗装が剥がれたときの修理・対処方法について説明していきます。
破風板の塗装が剥がれたときの修理・対処方法
破風板の塗装が剥がれたときの修理・対処方法は劣化症状に合わせて3種類あります。
症状別の破風板の対処方法
症状 | 修理方法 | 費用 |
---|---|---|
一部の塗装が剥がれている場合 | めくれている箇所を除去し塗装 | 800~1000円/m |
塗膜が剥がれているが下地材の傷みが少ない場合 | 破風板を板金で巻く(カバー工事) | 2,000~3,000円/m |
塗膜が剥がれ下地も傷んでいる場合 | 破風材自体を交換 | 4,000~5,000円/m |
破風板の塗装が剥がれた際は、下地の傷み具合によって行う修理・対処法が異なります。
塗装が剥がれたからといって、傷んだ下地の上に新しい塗装をするとかえって破風板の劣化を進めてしまうので注意が必要です。
軽度のひびや剥がれなら補修して塗装しますが、補修の面積が大きい場合、塗装後に補修跡が目立つ可能性があります。
特に見た目が気になる方や、破風板を長く持たせたい方はガルバリウム鋼板での板金カバー工事や破風板の交換工事をおすすめします。
破風板の耐久性や耐火性を保つためにも適切な修理を行いましょう。
劣化が少ない場合の破風板の塗装の手順は下記の流れで行います。
破風板の塗装手順
- 洗浄
- 下地処理(ケレン)
- 下塗り(金属破風板の場合は錆び止め)
- 中塗り
- 上塗り
とくに下地処理として行われるケレン(表面を削る作業のこと)をしっかり行うことで塗料が密着し、剥がれにくくなります。
また、板の繋ぎ目のコーキングも紫外線で劣化するため、打ち直しが必要かどうか確認しましょう。
業者に依頼する際は、下地処理をしっかり行ってもらえるように相談しておくのが大切です。
破風板の塗装はDIYより業者に依頼するのが一般的
破風板の塗装は一見簡単そうに見えるかもしれませんが、実は難しい作業です。
破風板は屋根の側面にあるため足場の組み立てが必須の高所作業になります。
そのため素人がDIYで行うと落下・転落してしまう危険が高く、プロの外壁塗装業者に依頼するのが一般的です。
また、破風板の塗装は劣化状況に応じて表面の塗膜を削ったり、適した塗料を選ばなくてはいけません。
自分で塗装するより知識や経験が豊富な業者に依頼する方が仕上がりの失敗もありません。
破風板は家の外観にも大きくかかわる部分なので、安く済ませたい気持ちはわかりますが、安全のことを考えプロの業者に依頼しましょう。
破風板の塗装にかかる費用相場
破風板の塗装にかかる費用相場はおよそ800~1,300円/mです。
塗装は2回塗りが一般的ですが、劣化状況によっては3回塗りになる場合もあります。
また、破風板の塗装には足場の設置が必要になります。
足場代の単価相場は600~1000円/mになります。
破風板塗装にかかる費用相場
内訳 | かかる費用相場 |
---|---|
破風板の塗装代 | 800~1,300円/m |
足場代 | 600~1000円/m |
破風板の塗装は外壁や屋根の塗装と同じタイミングで行うことで、将来的にかかる費用を安く抑えることができます。
外壁や屋根と一緒に塗装を行うことで、工事の際に必要になる足場代金を1回で済ますことができるからです。
破風板の塗装を検討する際は、屋根や外壁に問題がないか、業者に相談してみましょう。
破風板を塗装するときのおすすめの色
破風板を塗装するときのおすすめは「雨樋」と同じ色にすることです。
色を統一することで、まとまりが出て高級感につながります。
破風板塗装のおすすめの色
- 雨樋と同じ色にする
- 屋根と同じ色にする
- 外壁と同じ色にする
すでに家の屋根や外壁で使っている色にするのが一般的かつ綺麗に仕上がります。
個性を出したいという場合はアクセントカラーとして白、ダークブラウン、ネイビー、黒などを使うのも検討してみましょう。
雨樋と同じ色にした破風板の塗装事例

雨樋部分と同じ色にすることで統一感が出ている施工事例です。
全体で見ると外壁・屋根・破風板と色数が多いのですが、外壁と破風板を同系色にしているため、まとまった仕上がりになっています。
屋根と同じ色にした破風板の塗装事例

屋根部分と同じ色にすることで統一感が出ている施工事例です。
また黒と白で外壁の一部と色を揃えているので、全体的にモダンな仕上がりになっています。
外壁と同じ色にした破風板の塗装事例

外壁部分と同じ色にすることで統一感が出ている施工事例です。
全体で見るとアクセントカラーとして白味を取り入れつつ、破風板は外壁と同じ色にすることでまとまりを出しています。
汚れが目立つ白色は注意
破風板を塗装で白色を使いたい場合は注意が必要です。
なぜなら破風板は雨風の当たる部分のため、他の場所より汚れがつきやすい場所だからです。
白色は他の色より表面の汚れが目立つので、早い段階で美観が損なわれることもあります。
家の景観はやはり住む人が納得してこそなので、破風板を白色で塗装したい場合は業者に相談してみましょう。
また、外壁が白色の場合は外壁ではなく屋根と同色にすることで統一感が出て綺麗になります。
屋根・外壁塗装業者には様々な色での施工事例があるので、実際の塗装写真を見せてもらい、イメージしてから色の選択するのが大切です。
まとめ
それでは「破風板の塗装」についてポイントをおさらいしましょう。
- 破風板とは雨樋側ではない屋根の側面にある板のこと。
- 破風板は雨の吹き込みを防ぐ役割がある。
- 破風板が劣化すると外観が悪くなるだけでなく、雨漏りの原因になる。
- 破風板の塗装は高所作業のため、DIYではなく業者に依頼するのが一般的。
- 破風板の塗装の費用相場は800~1,000円/m、足場代が600~1000円/mかかる
- 破風板の色で悩んだら「雨樋」の色と揃えるのが一般的
- 破風板の色は業者に施工事例を見せてもらい、イメージをつけてから決めるのがおすすめ
破風板の塗装にかかる費用は800~1,000円/mが目安になります。
費用に幅があるのは、劣化状況によって料金が異なるからです。
破風板の塗装費用を安く抑えるためには、複数業者に見積もりを依頼して比較しましょう。
どの業者も、実際に見積もりを取ってみると、予想していた料金より高くなったり安くなったりするからです。
複数の業者から見積もりを取ることで「自分の家の場合にはいくら費用がかかるのか」が分かります。
複数の外壁塗装業者に1社ずつ連絡して見積もりを取るのが面倒だという人は、ファインドプロがおすすめです。
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