噴霧器を使用したシロアリ駆除のメリットとデメリット

シロアリ駆除を業者に依頼すると「費用がかなりかかってしまう」という点が心配な方もいるかもしれません。
実は、自分で噴霧器を使ってシロアリ駆除をすることも可能です。
しかし、噴霧器といわれてもどのようなものかイメージがつかない方も多いことでしょう。
今回は、噴霧器を使ったシロアリ駆除方法や、必要な薬剤、メリットやデメリットをご紹介します。
安心安全な方法でシロアリを駆除してみてください。
シロアリ駆除に使用するおすすめの噴霧器

噴霧器というのは、薬剤などを散布するための器具です。 さまざまな種類があり、動力としては、次のような種類があります。
- スプレー式
- 手動式(蓄圧式)
- 電池式・充電式
- 電動式
- エンジン式
多くの方にとって最も身近なものとしては、市販されているようなスプレー式があるでしょう。
いわゆる霧吹きであり、レバーを握ることでポンプ効果によってタンク内の液体を噴霧することができます。

手動式(蓄圧式)というのは、手でポンプに加圧をして、圧力により薬剤を噴霧させるものです。
その他の種類として、電機や燃料によって自動で噴霧するものもあります。

噴霧器全般の使用用途としては、ガーデニングや畑仕事、庭の手入れなどで使われることが多いでしょう。
シロアリ駆除を目的とするのであれば、比較的安価で、一定以上の広さを対応できる、充電式の噴霧器がポピュラーです。

これらの噴霧器であれば、軽いことから持ち運びも簡単ですし、狭い範囲への散布にちょうど良いサイズでしょう。 また、頻繁に使わないことから、メンテナンスが容易なのも魅力的です。

その他にエンジン式の噴霧器も存在します。
これまでの製品と異なり、エンジンで動かすため吹き付ける力がかなり強く、一度にたくさんの薬剤を散布できるのが売りの商品です。

これらの商品はそれぞれ購入するという選択肢以外にも、レンタルもできます。
「購入するほどではないが、製品として安心できる噴霧器を使用したい」という方には、リースやレンタルという手段をおすすめです。
下記のように、実際にシロアリ駆除や害虫駆除をしている会社の中には、道具のレンタルをしているところもあるので、気になる方は確認してみて下さい。
噴霧機販売・リース | 牛田噴霧機工場
※記事内の商品価格については、2019年2月13日時点で筆者が確認できたものを記載しています。
シロアリ駆除用に噴霧器とセットで用意するもの
業者に依頼するのではなく、自分自身でシロアリ対策をする場合は、次のようなセットが必要となります。
- シロアリ駆除剤
- 防護服
- 防護ゴーグル
- 防毒マスク
- ランタン
- ビニール手袋
- 帽子
特に重要なのは、防護服や防護ゴーグル、防毒マスクです。
薬剤が体にかかったり、目についたりすると非常に危険なので必ず準備しておきましょう。
また、噴霧器を使うことで、薬剤が霧状になってしまうので、知らないうちに吸い込んでしまう恐れがあります。
必ず防毒マスクを装着して、シロアリ駆除剤から、自分の体を守ることが大切です。
また、作業時には薬剤がかかってしまう恐れのあるキッチンやシンク、そして洗濯機などを保護してから作業を進めることが必要です。
保護方法としては、ゴミ袋などをカットして、目張りしながら覆い隠します。
この方法であれば、手軽に保護できてシロアリ駆除が終わった後は、まとめて捨てることができるので非常に便利です。
シロアリ駆除をする場合には、健康被害のことも考慮して、作業をすることを覚えておきましょう。
シロアリ駆除に必要な道具の詳細については、以下の記事を参考にしてみてください。
シロアリ駆除で必要な道具は?自分で処理する場合に揃えておくべきもの
噴霧器を使用してシロアリを駆除する方法
シロアリ駆除・予防の準備ができたら、いよいよ施工です。
ここでは、実際に噴霧器を使ったシロアリ防除の方法について説明いたします。
まず前提として、噴霧器を使った白アリ駆除の方法は大きく分けて2通りです。
シロアリ駆除剤を床下などの地面に対して散布するか、柱や壁などの木材に対して散布するかで分かれます。
地面に対して薬剤を散布する方法を「土壌処理」、また、木材に対してを「木部処理」呼びますので、順を追って説明を見ていきましょう。
- 土壌処理法
- 噴霧器を使って土壌の表面に薬剤散布を行い、シロアリが近寄って来ないようにする方法です。簡単にいうと、白蟻が苦手な成分を含んだ薬剤を地面に撒くことで、近寄ってこれないようにしてしまいます。薬剤の効果としては、「忌避性」という言葉を用いて説明があるでしょう。
- 木部処理法
- 噴霧器を使って木材表面にシロアリ駆除剤の吹き付け処理を行う方法です。先程は地面や建物の基礎に対してですが、同様の施工を木材にも行います。餌となってしまう木材がシロアリの餌食にならないようにするため、被害を抑えることができます。
どちらの方法も、薬剤を散布して白蟻を寄せ付けないようにするため、駆除だけでなく防除効果も期待できます。
工法の詳しい説明は以下の記事を参考にしてみてください。
シロアリ駆除の方法は?それぞれのメリット・デメリットをご紹介
土壌処理法
土壌処理法のやり方は以下のとおりです。
- シロアリ駆除剤の準備
- 床下や地面に薬剤を散布する
- 建物の基礎にもムラがないか確認
まず、噴霧器のタンクにシロアリ駆除剤を投入します。
このとき、薬剤によって手に触れない方が良いものもあるため、投入の際には手袋をした上で使用しましょう。

地面に白アリ駆除剤を吹き付ける
床下の地面に対して薬剤を吹き付けます。このとき、地面に対して満遍なく塗布するようにしましょう。特に建物の基礎周辺や配管の立ち上がりなどは、シロアリの侵入経路となりやすい箇所です。重点的に吹き付けておきましょう。
床下の地面や建物の基礎など、全体に駆除剤が行き渡るようにできれば土壌処理は完了です。
続いて、木部処理に移ります。
木部処理法
土壌処理法のやり方は以下のとおりです。
- シロアリ駆除剤の準備
- 穿孔・注入処理
- 噴霧処理
はじめに、土壌処理と同様、事前に噴霧器へシロアリ駆除剤をセットしておいてください。

噴霧処理
シロアリの好む木材に対してシロアリ駆除剤を塗布します。木材の表面全体が駆除剤で覆われるように吹き付けてください。
先程、紹介した穿孔、注入処理とは、家の土台となる柱やその他木材に対して、数センチの穴を空け、そこから薬剤を注入します。
木材全体に防蟻処理を行うことで、シロアリの被害を受けにくくすることが可能です。
ただし、この処理は木材に傷をつけますので、素人の方による作業の場合、噴霧処理のみにしましょう。
床下の重要な柱に傷をつけてしまうといったリスクを避けるためです。
ここまで、噴霧器を使ってシロアリ駆除を行う方法についてご説明してきました。
以下では、業者に依頼せずに、自分で噴霧器を使ってシロアリを駆除するメリットとデメリットを紹介します。
シロアリ駆除に噴霧器を使うメリット
噴霧器を使って、自分でシロアリ対策をするメリットは、以下の2つです。
- 業者に頼むよりも安価でシロアリ対策ができる
- 即効性のある効果が期待できる
噴霧器を使ってシロアリ駆除を行うことで、比較的安価にシロアリ対策ができます。
自分で白蟻対策をした場合、費用は噴霧器とその他必要な薬剤と道具のみだからです。
業者に依頼した場合、先程の費用に加え、人件費や出張費、施工費といった費用が発生します。
そのため、噴霧器を使って白蟻駆除を行うことで、業者に依頼するよりも安く白アリ対策を実施することが可能です。
また、噴霧器を使った液状薬剤によるシロアリ対策は、ベイト剤を使用する設置型の方法と異なり即効性があります。
白アリに対して忌避性の高い薬剤を散布することで、白蟻が寄り付かなくなる上に予防効果もあるためです。
自分でその他の防蟻処理をすることや業者に依頼して、調査を待つよりもスピーディに駆除ができることがわかりますね。
ただし、同時にご自身で白蟻駆除をすることのデメリットも理解しておく必要があります。
以下では、続けてデメリットを紹介しますので、確認しましょう。
シロアリ駆除に噴霧器を使うデメリット
噴霧器を使って、自分で白蟻対策をする場合、以下のデメリットを抱えています。
- 白アリ駆除剤による健康被害
- シロアリが再発する
まず、シロアリ駆除剤が人体への悪影響を及ぼす可能性があります。
一般の方が使用する場合、白アリ駆除剤の使用方法を誤ったり、長時間吸い込んでしまったりすることで、人体に悪い影響を与えるのです。
薬剤は成分表に記載されていますので、使用する際はよく確認し、どういった影響があるかを知っておきましょう。
また、噴霧器を使って自分でシロアリ駆除を行った場合、白蟻が再発する恐れがあります。
噴霧器による駆除剤の吹付けが甘いため、薬剤を避ける形で別の箇所に巣を作ってしまうためです。
白蟻駆除の専門家である業者であれば、駆除する白アリによって施工方法や薬剤を変えるなどしますが、一般の方にはなかなか難しくなります。
そのため、作業に自信がない方や、シロアリを徹底して駆除したいという方は、専門の業者へ依頼するのがおすすめです。
白蟻を安全に駆除するには

噴霧器を使って、自分でシロアリ対策をする場合は、マニュアルなどに従って適切な方法で行う必要があります。
巣が残っていたり、巣を見逃していたりすると、せっかく対策をしてもすぐにシロアリが再び発生してしまう恐れがあります。
また、いくら市販のシロアリ駆除剤が人体に低毒性であるといっても、悪影響がゼロというわけではありません。
無駄にたくさんの薬剤を散布してしまうと、自分自身や家族が被害を受けてしまう恐れがあります。
そのようなことがないためにも、散布の方法や駆除剤の注意点をしっかりと把握したうえで、作業を行うことが必要です。
自分の手に負えないと感じたら、専門のシロアリ駆除業者に依頼しましょう。
シロアリ駆除業者であれば、しっかりと丁寧に対応してもらえます。
多くのシロアリ業者では、5年保証や、定期点検などのサービスを提供しており、万が一の際には無料で対応してもらえるのでおすすめです。
シロアリ駆除業者の保証に関しては、シロアリ駆除の保証とは?防除のアフターサービスの内容と期間についてを参考にしてみてください。
まとめ
シロアリ駆除の方法としては、さまざまなものがあります。
噴霧器を使った方法であれば、自分でシロアリ対策をすることも可能でしょう。
ただし、防護服やマスク、ゴーグルなどの準備が必要のほか、キッチンや洗濯機などをビニールで目張りするなどの準備が必要です。
人体に影響が少ないといっても、適切に対応することができなければ、体調不良を引き起こしてしまう恐れがあります。
しっかりできる自信がない場合は、専門である業者に依頼するようにしましょう。