シロアリの女王は繁殖力が高い!その生態を紹介

シロアリは、大切な住宅の木材部分をボロボロにしてしまう恐ろしい存在。
こうした認識を持っている人は非常に多いです。
しかし、シロアリの生態について問いかけられると、意外に答えられない人が多いのではないでしょうか?
シロアリは、通常のクロアリと同様、コロニーの中心に女王アリが存在しています。
厄介なことに、シロアリの女王アリは非常に繁殖力が強いのです。
そこで、今回は女王アリの特徴や生態、そして驚くべき繁殖力などについて、詳しくご紹介します。
シロアリの生態については、「シロアリの生態と種類を知る!特徴を知って正しい対策を立てよう」を参照ください。
シロアリの女王アリの特徴

シロアリの女王について知識を蓄えておけば、シロアリの巣の発見と、早期駆除ができる可能性があります。
シロアリの主な特徴とあわせて見ていきましょう。
シロアリはゴキブリの仲間
意外に思われるかもしれませんが、クロアリとシロアリは生物として異なる系統に属しています。
クロアリはハチ科なのに対し、シロアリはゴキブリ科に属しているのです。
生物として、シロアリと黒アリで大きく違うため、使用する駆除剤にも違いがあります。
シロアリに使用する駆除剤に関しては、以下の記事を参考にしてみてください。
シロアリの駆除をすぐに!スプレー殺虫剤・予防剤を紹介
女王シロアリの羽
シロアリの女王には、羽がある場合とない場合があります。
繁殖期などに羽が生えるシロアリがいますが、すぐにとれてしまうので、ない場合もあります。
また、シロアリの色は地域によってバラバラです。
シロアリと名付けられていますが、地域によっては白色ではなく茶褐色や黒色などの場合もあります。
女王シロアリの形や大きさ

シロアリは通常のアリとはフォルムが異なります。
クロアリ場合、頭と胸、腹でくびれていますが、シロアリの場合はくびれがない、ずん胴な見た目です。
また、シロアリの中でも、女王アリを見極める方法は、その大きさです。
女王アリは、通常のシロアリよりも大きく成長します。
一目見て女王アリだと見分けることができるでしょう。
シロアリの女王アリの生態

シロアリの女王の生態は、非常にシンプルです。
産卵をしてコロニーを大きくすることがシロアリの女王の目
よく見られるシロアリは兵アリとも呼ばれており、兵アリは女王アリのためだけに存在しています。
女王アリの生活は、女王という名に恥じない非常に優雅な生活です。
兵アリと違い、巣の外に出て、餌を探しにいくということはありません。
生きていくために必要な餌は、兵アリが巣の外からとってきてくれます。
女王アリはその持ってきてもらった餌を食べて、生命維持に必要な栄養を確保するのです。
これだけ聞くと、非常に楽な生活のように見えてしまいますが、餌を確保することが仕事ではなく、役割分担としてはこれが当たり前なのです。
このように、女王アリは女王として君臨すると、原則として巣の外に出ることがありません。
一生を巣の中で過ごしているのです。
そして女王アリとしての役目を果たすことができなくなると、次の世代にバトンを託して、そのまま寿命を迎え死んでしまいます。
シロアリの女王アリの繁殖力

上述したように、シロアリの女王の仕事は産卵をすることです。
しかし、その繁殖力が非常にすさまじく、日本の代表的なシロアリであるヤマトシロアリは1日に25個の卵を産みます。
一般的な生き物であれば、一度産卵すると次の産卵までに一定の期間を要します。
シロアリの女王の場合、そのような待機期間は存在しません。
そのため、毎日25個の卵を産み続けるので、次々とシロアリが増殖してしまうのです。
このように、驚異的な繁殖力により、短期間のうちに家の中で爆発的に数を増殖し、どんどん住宅の木材を食べていってしまいます。
恐るべき繁殖力ですが、国際的に見るとまだ日本のシロアリの繁殖力は控えめなほうです。
熱帯地方に生息しているシロアリの場合、なんと1日5万個もの卵を毎日産卵します。
現状日本に上陸していないものの、万が一上陸してしまうと今まで以上にシロアリの予防や駆除対策が必要となるでしょう。
女王アリ候補の副女王とニンフとは
驚異的な繁殖力を持つシロアリの女王ですが、実は卵を出産するのは女王アリだけではありません。
シロアリのコロニーの中には、一般的な兵アリ以外に、以下の種類が存在します。
- 副女王
- ニンフ
- 羽アリ
上記のシロアリは女王アリ同様に出産する能力を持っているため、異常なスピードでシロアリが生まれていくのです。
副女王は、単為生殖によって生み出されたシロアリであり、まさに女王アリの「サブ」ともいえるもの。
女王アリに万が一のことがあって死んでしまった場合、副女王がそのコロニーの女王アリとして引き継ぐのです。
ニンフは、シロアリの卵や幼虫の世話係ですが、最終的には副女王もしくは羽蟻として成長します。
つまり、さらに先の時代の女王アリ候補といえるでしょう。
羽アリは、繁殖シーズンになると、オスの羽アリとつがいになって巣から飛び出していきます。
そして、新しい場所に着いたら、その場所で巣を作り、新たな女王アリとして生まれ変わるのです。
シロアリには王もいる
シロアリのコロニーでは、女王アリだけではなく、王アリも存在しています。
王アリの役割は、女王アリのつがいです。
女王アリと一緒に王室で生活しており、交尾産卵のために存在しています。
つまり、女王アリだけではなく、王アリも存在しないと繁殖することができないのです。
女王アリ同様、王アリにも副王アリやニンフが存在するので、万が一の場合はすぐに代わりの王アリが誕生する仕組みになっています。
王アリがいなくなっても、コロニーが成り立たなくなるということはありません。
ちなみに、王アリも通常のシロアリとは見た目が多少違うものの、女王アリほどの大きさではなく、どちらかといえば小さな存在です。
また、兵アリについては、女王アリと王アリの混血の存在です。
一方、女王アリ候補である副女王アリについては、王アリのDNAが含まれていない存在になります。
そのため、コロニーが次の世代にいく際には、自分の血は引き継がれません。
王アリは、そんなどこか寂しい存在ともいえるでしょう。
まとめ
シロアリの女王アリは、通常のシロアリよりも大きく、産卵することを目的に生きています。
1日25個もの卵を産む驚異的な繁殖力を有しているので、恐るべきスピードで家の中で増殖していくでしょう。
また、万が一の場合には、代わりの女王がすぐに誕生するため、駆除をする場合には完璧な駆除が必要です。
シロアリの駆除をする場合には、シロアリの女王アリや王アリの生態を把握したうえで、駆除忘れのないようにしっかりと駆除をするような対策をとりましょう。