シロアリ防除の必要性は?防除の方法や費用を紹介

シロアリの被害は家屋にとって深刻な問題です。
土台となる木材や柱にシロアリの侵食が進むと、家屋の耐久度はどんどん下がってしまいます。
そうなると震災が起きたときには耐えることができず、家屋が倒壊する可能性があります。
そのため、シロアリによる被害は命に関わる恐れがあるのです。
そのような被害を防ぐためにも、あらかじめシロアリ防除をしておくことが大切です。
この記事では、シロアリ防除の必要性や実際にかかる費用を紹介します。
また、防除方法についても種類ごとに解説しますので、参考にしてみてください。
シロアリの防除とは
シロアリ防除と聞いて、イメージするのは、「シロアリの被害に遭わないように、予防施工をする」ことではないでしょうか?
実際には、シロアリの防除とは、以下の2つの処理を合わせたことを指します。
- 新築時に行う予防処理
- シロアリ被害に遭った際の駆除処理
予防の「防」と駆除の「除」を合わせて、「防除」としているのです。
そのため、一言で防除といっても、それぞれの状況によって行うべき施工内容や費用が異なります。
以下では、シロアリ防除の必要性や、駆除と予防それぞれの詳細について紹介していきます。
シロアリ防除工事の方法と内容

シロアリの防除工事には、以下の3種類があります。
- 土壌処理
- 木部処理
- ベイト工法
上記の施工方法は、家屋の構造や状態に合わせて使い分けられます。
以下に、それぞれの工法の内容とメリットとデメリットについて記載しました。
施工方法 | メリット | デメリット | |
---|---|---|---|
土壌処理 | 周辺の土壌や、家の木材に対して薬剤散布を行う | 時期を問わず行える、速効性が高い | 薬剤散布を行うため、少なからず周辺の環境へ負担がかかる |
木部処理 | 周辺の土壌や、家の木材に対して薬剤散布を行う | 時期を問わず行える、速効性が高い | 薬剤散布を行うため、少なからず周辺の環境へ負担がかかる |
ベイト工法 | 薬剤を混ぜ合わせたエサを設置してシロアリを駆除する | 環境への負担を軽くすることが可能 | 効果が現れるまで少し時間がかかってしまうことがある、シロアリの活動期(4月から6月)に限られる |
土壌処理と木部処理は、シロアリの被害を防ぐために周辺の土壌や、家の木材に対して薬剤の散布を行う方法です。
この2つの方法は薬剤散布を行うため、少なからず周辺の環境へ負担をかけてしまいます。
もう一方のベイト工法は、薬剤を混ぜ合わせたエサを設置してシロアリを駆除する方法です。
環境への負担を軽くすることが可能ですが、効果が現れるまで少し時間がかかってしまうことがあります。
シロアリの被害状況や家屋の周辺環境によって、シロアリ防除で取り扱うべき方法は変わってきます。
詳しくは、シロアリ駆除の方法は?それぞれのメリット・デメリットをご紹介を参考にしてみてください。
シロアリの防除を自分で行う方法
シロアリの防除は、駆除施工と予防施工を合わせたものです。
そのため、駆除と予防のそれぞれの方法をしっかり把握しておけば、自分で防除を行うことができます。
以下では、駆除と予防の両方の方法について紹介します。
シロアリの駆除を自分で行う方法
シロアリの防除は、上述したように大きく3つの方法があります。
土壌処理法と木部処理法は合わせて薬剤散布法(バリア工法)と呼ばれることもあります。
それぞれの自分で行う方法は以下の通りです。
- 薬剤散布法(バリア工法)の手順
- 1.シロアリの発生箇所を特定する
2.シロアリの活動範囲にムラなく薬剤を散布する
3.床下や周辺の土壌へも散布を行う - ベイト工法の手順
- 1.ベイト剤をシロアリの通り道に設置する
2.シロアリの出入りを確認する
3.数か月放置する
詳しい、シロアリ駆除方法については、以下の方法を参考にしてみてください。
シロアリ駆除を自分でする方法と薬剤によるDIYの予防対策
シロアリの予防を自分で行う方法
シロアリの予防も、駆除と施工内容は同じです。
しかし、駆除と違い、シロアリの存在を確認できないため、どこに施工をするか迷うケースが多いと思います。
薬剤を散布する場合も、ベイト剤を設置する場合も以下のポイントに気を付けて施工して下さい。
- 床下は満遍なく処理を行う
- 侵入経路になりそうな小さな穴には気を付ける
- 湿気をため込まないようにする
上記のことを意識して、予防施工を行うことが大切です。
詳しくは、以下の記事を参考にしてみてください。
シロアリ予防を自分で行う方法とは?注意点も紹介
シロアリ防除にかかる費用

シロアリ防除の料金は、駆除の料金と同じような設定をしている業者が多くいます。
薬剤の使用や家屋全体の調査など、作業工程は駆除作業と重複しているからです。
そして、シロアリ防除の費用は、1坪あたりの金額で計算されることがほとんどです。
下記に白蟻防除で有名な企業5社の単価を会社ホームページなどから調査してみました。
会社 | シロアリ駆除(平米単価) | シロアリ予防 |
---|---|---|
A社 | 2,500円 | 1,800円 |
B社 | 2,100円 | 1,200円 |
C社 | 1,980円 | 1,980円 |
D社 | 4,000円 | 2,500円 |
結果として、シロアリ駆除だけの料金でも1,980円から4,000円と大きく差があります。
これは、業者ごとにサービスの違いがあるからです。
具体的な違いの例は以下の4点です。
- アフターサービスの保証期間
- コールセンターの有無
- 使用する薬剤の種類
- 業者の交通費や駐車場代
4点目の、交通費や駐車場代に関しては、あらかじめ費用の中に含まれている場合や実費負担になる場合などさまざまです。
シロアリの駆除費用については、シロアリ駆除・予防の費用相場 | 料金が安いおすすめ業者ランキングにも記載があります。
あわせて参考にしてみてください。
シロアリ被害はどんな家でも起こる!防除の必要性

シロアリは、地球上で一番多い生物とも言われており、日本でも全国に分布しています。
そんなシロアリは、隙があれば住宅に侵入するため、どんな家でも対策が必要なのです。
以下では、シロアリ被害の怖さと、防除の必要性について説明していきます。
シロアリ被害の深刻性
近頃、床下の低い家屋の増加に伴い、シロアリの被害に悩む人が増えています。
シロアリが家に住み着いてしまうと、駆除しない限り、どんどん屋根裏や床下などの木材が食べられてしまうのです。
また、シロアリは木材だけでなく、プラスチックやレンガも食べるので、どんな家屋も被害を受ける可能性があります。
特に、建物を支える柱に侵食が進むと、家全体の耐久度が大きく低下し、地震や災害に耐えられなくなる可能性が高まるのです。
このようにシロアリによる被害は、単に木材が食べられているだけではなく、家全体の生命に関わる深刻な問題です。
以下の記事にもシロアリ被害について記載があるので合わせて参考にしてみてください。
シロアリ被害を見分けるポイントを写真で解説
シロアリ防除の必要性
上述したように、シロアリの被害が進むと、家の歪みや倒壊につながります。
そのため、シロアリを見つけたらすぐに駆除することが大切です。
しかし、一度シロアリの駆除をしても、再発する恐れがあります。
そのため、シロアリが発生しないように予防対策をすることは、駆除と同じくらい大切なのです。
シロアリ駆除を行うときは、予防対策を合わせて行うようにしましょう。
シロアリの防除は5年に一度がおすすめ

シロアリの防除は5年に一回行うことをおススメします。
シロアリの防除や予防に使われる薬剤の効力は5年が目安です。
もともとは強力な成分を使用していたため、10年以上効果が継続していました。
しかし、安全面を考慮した薬剤を使用するように規制が変わったことで、薬剤の効力は5年程度になったのです。
そのため、薬剤の効力が切れるタイミングで再度防除をしなければ、被害を受ける恐れがあります。
前回のシロアリ予防から5年以上立つ場合は、業者への調査や予防を検討しましょう。
シロアリ駆除の有効な期間については以下の記事を参考にしてください。
シロアリ駆除剤の効果が続く期間はどれくらい?
まとめ
シロアリの防除には費用や手間がかかりますが、安全な生活をおくるために必要なことです。
防除はホームセンターで販売されている薬剤を使用することで、個人で行うこともできます。
ただし、防除方法には土壌処理、木部処理、ベイト工法など、シロアリ防除に関して詳しくなければ難しいです。
また、薬剤が安全性に配慮しているといっても、施工方法を間違えると危険も伴います。
そのため、業者に家屋の状況を見てもらい、適切な処置をしてもらうことがおすすめです。
また、防除に使用される薬剤の交換のタイミングは5年ですので、忘れることなく防除を行いましょう。