シロアリの生態と種類を知る!特徴を知って正しい対策を立てよう

シロアリは一般的に「家を食べる害虫」としてよく知られています。
新しく家を建てた人は特に、シロアリが出ないよう気を付けているのではないでしょうか?
シロアリをしっかり予防するためには、まずシロアリの生態を正しく知ることが重要です。
シロアリの生態を簡単にまとめると、以下のようになります。
主食 | 死んだ植物(落ち葉、枯れた木、木材、ダンボールなど) |
---|---|
大きさ | 4.5mm~8.5mm |
シロアリの種類 | "日本のシロアリ:22種類以上 世界のシロアリ:2,000種類以上" |
住んでいるところ | 暗く湿った場所、エサがたくさんある場所 |
苦手なもの | 太陽の光、乾燥 |
天敵 | クロアリ(一般的なアリ)、クモ、カエル、ツバメ |
仲間 | ゴキブリ |
これらは、約2,000種類以上いるシロアリの、基本的な生態です。
種類によっては、キノコを栽培したり、アリ塚を築いたりなど、様々な生態で暮らしています。
日本に住むシロアリは約22種類以上と言われていますが、家や建物に被害を及ぼすのは、主に3種類のシロアリです。
- ヤマトシロアリ
- イエシロアリ
- アメリカカンザイシロアリ
ここからは、家や建物に被害を及ぼす3種類のシロアリについて、詳しく説明していきます。
また、「シロアリの生態はなんとなくわかったから、対策方法が知りたい!」という人は、「シロアリを見つけたときの正しい対策」で紹介しているので参考にしてください。
既にシロアリの被害があり、「今すぐシロアリを何とかしたい!」という人は、ぜひファインドプロに相談してください。
シロアリの駆除は、専門的な知識や技術がない人が行うと、かえって家を傷めてしまう可能性があります。
安全にシロアリを駆除するためには、信頼できるシロアリ駆除業者に依頼するのが1番です。
ご相談は無料なので、ぜひ一度お問い合わせください。
シロアリってどんな生き物?大きさや特徴

シロアリは土の中で生活しているため、私たちが日常的にシロアリの姿を目にすることはありません。
シロアリとはどんな生き物なのでしょうか。
シロアリの生態として以下の3つが挙げられます。
- 昆虫綱ゴキブリ目
- 集団生活をする集団的昆虫
- 死んだ植物を主食とする
シロアリは、ゴキブリの社会性を著しく発達させた昆虫です。
シロアリはゴキブリの仲間ではあるものの、1匹で行動することはなく、階層のあるコロニーと呼ばれる集団で生活します。
姿・形の特徴として、ゴキブリと同類であるため、「不完全変態」と呼ばれる、生まれた子供と成虫でほとんど同じ姿をしています。
また、大きさは種類によって少しずつ違いますが、働きアリで5mm~8mm、羽アリで4mm~7mmほどです。
見た目の特徴でクロアリと見分けることができるので、下記で見分け方を詳しく解説します。
シロアリとクロアリの違い
シロアリはクロアリと見た目が似ていて、巣を作り、社会生活をするという点でもよく似ています。
しかし、シロアリは、分類学上ではゴキブリ目に属するゴキブリの仲間なのです。
一方、クロアリはハチ目に属する、ハチの仲間になります。
大きさで言えば、シロアリとクロアリの違いはほとんどありません。
どちらも体長は7mmから大きくて1cmほどです。
また、頭部の形も、白蟻と黒蟻ではほぼ同じです。
そのため、体の形や、羽アリのハネの形で見分けましょう。
以下に、シロアリとクロアリの見分け方の図を示します。

羽アリでなくても、触覚と胴の特徴は共通していますので、上記のポイントで見分けましょう。
シロアリの触角は、真珠のネックレスの様な短い数珠状になっているのに対し、クロアリの触角は長く曲がっています。
シロアリとクロアリの見分け方については、「シロアリの成虫が持つ特徴と黒アリとの見分け方」の記事で詳しく解説していますので、参考にしてみてください。
シロアリの種類ごとの生態と分布
シロアリの種類によって、発生場所や生態が異なります。
そのため、シロアリの種類を知っておくことで、効果的なシロアリ対策を取ることができるのです。
世界には、確認されているだけでも2,000種類以上ものシロアリが生息しています。
日本に生息するシロアリは、およそ22種前後です。
そのうち、家屋に大きな被害をもたらすシロアリは、下記の4種類になります。
シロアリの種名 | 生息地域・分布 |
---|---|
ヤマトシロアリ | 北海道北部を除く日本全土 |
イエシロアリ | 千葉県以西の本州南岸 |
アメリカカンザイシロアリ | 宮城県から沖縄まで24都道府県に点在 |
ダイコクシロアリ | 奄美大島以南、小笠原諸島 |
その中で、特に被害数の多い3種類の分布表を、下記に作成しました。

ヤマトシロアリが最も広く分布し、北海道の一部を除く、全国で約90%以上の範囲で発見されています。
次に多いのがイエシロアリで、西日本を中心に分布しています。
アメリカカンザイシロアリは、近年発見数が増加しており、24都府県で点在しています。
以下で、シロアリ各種の特徴と生態について紹介します。
ヤマトシロアリやイエシロアリ以外の、日本に生息するシロアリの種類については、以下の記事を参考にしてください。
シロアリの種類を見分ける!種類別の駆除方法を紹介
ヤマトシロアリの生態
日本で一番生息数が多く、シロアリ被害の80~90%はヤマトシロアリによるものです。
ヤマトシロアリは土壌性の白蟻で、土の中や湿った環境を好み、被害は床下に多く生息しています。
巣を作る能力がないため、餌場にそのまま住み着いてしまいますが、結露や湿気の多い建物では、天井まで被害が及ぶこともあるため注意が必要です。
活動開始時期としては、4~5月にかけてです。
特に雨上がりの、少し蒸し暑い日の昼間から夕方ごろにかけて、ヤマトシロアリの羽アリが巣から。飛び立ちます
また、生息地域からもわかるように、ヤマトシロアリは暑さには弱いです。
8月の高気温の時期には、地中に潜ったり涼しい場所に移動したりするため、発見が難しくなってしまいます。
ヤマトシロアリについては、ヤマトシロアリの駆除・予防方法|生態・特徴に合わせた効果的な退治方法とはにも記載があるので、参考にしてみてください。
イエシロアリの生態
イエシロアリは世界のシロアリの中でも、被害の大きさが最も大きいことで有名です。
木造の建物だけでなく、コンクリート造の建造物、立木に対しても被害を及ぼします。
食害に遭っている場所に巣を作ることはなく、別の場所に大きな巣を形成します。
1つのコロニー(巣)内の個体数は100万匹に及ぶものもあると言われ、被害速度も早いのが特徴です。
数多くの白蟻が集団で生息しているものの、木材や木の表面には出てこないため、被害に気付くのが遅れてしまいます。
イエシロアリについては、以下の記事にも記載があるので参考にしてみてください。
イエシロアリは危険!ヤマトシロアリとの見分け方や被害を解説
アメリカカンザイシロアリの生態
アメリカカンザイシロアリは、本来アメリカに生息する、外来種のシロアリです。
被害はとても大きく、建物全体を食害します。
木材の内部をぽっかりと空洞にしてしまうので、場合によっては家の建て直しが必要になるほどです。
日本に生息するシロアリのほとんどが、土壌性シロアリなのに対し、アメリカカンザイシロアリは、乾材シロアリに分類されます。
そのため、アメリカカンザイシロアリが巣を作るのは、「乾燥した木材の中」です。
また、アメリカカンザイシロアリの駆除方法はまだ確立されていないため、予防対策が重要になってきます。
アメリカカンザイシロアリについては、アメリカカンザイシロアリの恐ろしい生態と特徴にも記載があります。
あわせて参考にしてみてください。
シロアリの生態と特徴

シロアリは、住宅を食べてしまう害虫として恐れられています。
どんな家でも被害を受けてしまう可能性がありますので、予防や駆除の対策が必須です。
シロアリのことをよく知って、より効果的な対策をしましょう!
以下では、シロアリの生態、家が受ける被害を解説します。
シロアリの羽アリ
羽アリを目にして、初めてシロアリの存在に気づいたという方も多いでしょう。
なぜ、羽アリは発生するのでしょうか?
羽アリは文字通り「羽のあるシロアリ」で、生殖能力を持った階級です。
つまり、新しい巣を作るための女王アリ・王アリの予備軍といえます。
羽アリは、5月から7月にかけて大量に発生します。
この時期は巣の個体数が増える時期です。
巣の中の個体数を一定に保つために、増えすぎたシロアリの一部が羽アリになって巣の外に飛び立ちます。
巣を飛び出した羽アリは、オスとメスでつがいとなり、新しい土地で巣を作り、新たなコロニーを形成するのです。
もし家で羽アリを見つけたら、その羽アリがどこから来たのか見極めて、下記のように対策する必要があります。
- 家の中から来た
- 羽アリの発生源が家の中である場合は、家屋内に個体数の増加した巣がある可能性が高いです。
シロアリ被害がすでに大きいはずですので、早急に駆除を行ってください。 - 家の外から来た
- 別の敷地の巣から飛来してきた羽アリです。
お家に新しい巣を作られないように、羽アリの侵入を防ぐ対策をしてください。
羽アリの対処方法は、下記の記事で詳しく解説しています。
参考にしてみてください。
羽アリ大量発生の原因と今すぐできる駆除方法|梅雨の羽蟻はシロアリかも!?
シロアリの主食は木に含まれるセルロース
シロアリの特徴は、セルロースをエサとすることです。
セルロースとは、植物の体の主成分で、特に木の幹に多く含まれています。
植物を食べる動物はたくさんいますが、セルロース自体を分解できる生物は非常に稀です。
これに対してシロアリは、セルロースを分解する原生生物を腸内に持っているため、セルロースを栄養源として消化・吸収できます。
倒木などを土に還すことができるので、「森の分解者」と呼ばれています。
自然界では必要とされるシロアリですが、人間の木造住宅にとっては天敵となってしまいます。
木でできた住宅はセルロースの宝庫で、シロアリにとって魅力的な獲物なのです。
シロアリが住宅へ与える被害
木材を大好物とするシロアリ。
住宅で発生すると、どのような被害をもたらすのでしょうか。
以下はシロアリが食害したことで、ボロボロになってしまった床下の実際の写真です。

このように食害が進むと、家の耐震性や資産価値に大きな悪影響を及ぼします。
シロアリの被害が発生するのは、床下や壁の内部など、外から見えない場所です。
またシロアリは餌場を見つけると、巣の仲間を集めて集団で食べにくるという習性があります。
ひとたびシロアリに餌場として認識されると、数百匹~数千匹ものシロアリが家を食べに来ます。
そのため、気が付かないでシロアリ被害を放置すると、驚くべきスピードで家をボロボロにされてしまうのです。
シロアリによる具体的な被害、シロアリ被害を見分ける方法は、下記の記事で詳しく解説しています。
シロアリ被害を見分けるポイントを写真で解説
シロアリの女王アリは特徴的
シロアリの女王アリの一番の特徴は、腹部が肥大化している点です。
シロアリは、女王アリが1匹で卵を産み、巣を大きくします。
そのため、シロアリの女王アリは、産卵に特化した体をしているのです。

シロアリの女王アリは産卵に特化しているぶん、繁殖力が絶大です。
女王アリが1日に産む卵の数は、約25個。
毎日欠かさず産み続けるので、1年で約1万個ちかくの卵を産むことになります。
シロアリの駆除をする際は、女王アリを確実に駆除しなければいけません。
女王アリを駆除しそびれると、また新たに卵が産まれ、再びシロアリが繁殖してしまうからです。
シロアリの女王アリについては、「シロアリの女王は繁殖力が高い!その生態を紹介」でも詳しく説明しているので、ぜひ参考にしてください。
シロアリの巣は階級社会
シロアリは、数百~数万匹の大量の集団で巣を作ります。
この巣の中には、コロニーと呼ばれる社会があり、その社会は厳密な階級制になっています。
以下はシロアリの階級社会を示した図です。

- 女王シロアリ・王シロアリ
- 女王アリの寿命は、十数年とされており、毎日数百もの卵を産むことが使命です。
女王と王は、生殖活動をする以外の仕事をしないので、コロニーから出ることはまずありません。 - ニンフ(巣全体の2~3%)
- ニンフは、女王が産んだ卵や幼虫の世話をしたり、餌をあげたりする役割を有しています。
将来の女王アリ候補でもあり、何かあったときには女王アリへと変化するのです。 - 羽アリ
- 繁殖期になるとニンフが羽アリとなり、新たなコロニーを作るために巣を旅立ちます。
- 兵シロアリ(巣全体の7~8%)
- 兵アリは、コロニーを外部の敵から守ることを役割としています。
- 働きアリ(巣全体の90%)
- 巣のほとんどを構成する階層です。
蟻道を作ったり、餌を巣に持ち帰って、女王アリや兵アリに餌を与えたりします。
シロアリを見つけたときの正しい対策

家の中で使われているすべての木材がシロアリ被害の対象になるかもしれないということを理解しておきましょう。
土台や、壁、天井裏などあらゆる木材を食べつくすまで白蟻の進行は止まりません。
最悪の場合、家の建て替えが必要となるケースもあるので、早期発見と駆除が必要です。
以下では、シロアリを発見したときの対策として覚えておいてほしいことをご紹介します。
シロアリに殺虫剤を使用しない
殺虫剤を使ってシロアリを退治しようと考える方がいらっしゃるでしょう。
しかし、市販の殺虫剤は使わないでください。
確かに殺虫剤を使えば、目の前に見えるシロアリは退治することができます。
しかし、巣にいる他のシロアリが警戒して、別の離れた場所に散らばってしまう可能性が高いです。
それによって、被害箇所が広がり、駆除するのもたいへん困難になってしまいます。
一時的に対処したいとき以外は、殺虫剤の使用は控えたほうが良いでしょう。
緊急で使用したい際は、以下の記事におすすめの市販の殺虫剤を紹介しているので参考にしてみてください。
シロアリの駆除をすぐに!スプレー殺虫剤・予防剤を紹介
シロアリの被害状況を確認する
シロアリを発見したら、まずはシロアリの種類や被害場所の確認が必要です。
シロアリの種類や発生場所などは、駆除の成功率にも関わる大切な情報なので、自分でわかる範囲で確認しておきましょう。
これらの情報があると、駆除を依頼する際にもスムーズに進めることができます。
シロアリ駆除を専門業者に相談しよう
シロアリを見つけた時点で、すでに見えない部分で被害が拡大している可能性があります。
自分で駆除することも可能ですが、完全に駆除しきるのは難しいですので、業者に頼むのが賢明です。
シロアリの被害は放置すればするほど広がっていき、最悪の場合、家を建て替えないといけなくなってしまいます。
今後も安心して暮らしていくために、早急に専門業者に駆除を依頼しましょう。
シロアリ駆除の専門業者は大きく分けて「地元業者」と「大手業者」の2種類あります。
大手業者は保証サービスなどが充実していることが多いですが、費用は高くなる傾向があります。
地元業者は、とにかく費用が安いものの、作業内容の質にばらつきがあるため、しっかり選ばなければいけません。
このように、地元業者と大手業者では、メリットとデメリットが相反しています。
シロアリ駆除を業者に依頼するなら、できるだけ安く、安心できる業者に依頼したいですよね。
しかし、シロアリ業者は大手だけでも複数あり、地元業者も含めるとかなり膨大な数になります。
たくさんあるシロアリ駆除業者を、全て調べて比較することは難しいですよね。
そこでおすすめなのが、ファインドプロです。
ファインドプロでは、お住まいの地域で依頼が可能な、安心できる優良企業と多数提携しています。
そのため、あなたの家にぴったりなシロアリ駆除業者を紹介することが可能です。
相談は無料なので、ぜひ一度お問い合わせください。

シロアリの生態を正しく理解して駆除しよう
シロアリがどんな生き物で者、どんな被害を家にもたらすのか、ご理解いただけたでしょうか。
シロアリは自然界では、分解として非常に重要な生物と認識されています。
しかし、セルロースを食べる性質から木造住宅に甚大なダメージを与えてしまうのです。
数万から百万ものコロニーを築き、家中のありとあらゆる木材を侵食していくことでしょう。
今回ご紹介したシロアリの生態や対策を参考にして、大切なお家をシロアリから守りましょう。