シロアリの発生原因は何?被害の出やすい環境・場所と対策を知ろう

住宅の木材を食べて、ボロボロにしてしまう恐ろしいシロアリ。
そんなシロアリを、もしもご自宅で見つけたら、びっくりしてしまいますよね。
シロアリが発生しないようにするには、シロアリが好む環境を作らないことが重要です。
シロアリの発生原因を知り、正しい対策を立てましょう。
今回はシロアリの発生原因、シロアリの発生しやすい環境、発生したときの対策についてご紹介します。
シロアリの発生原因

シロアリが住宅に発生する原因は、シロアリの餌となる木材や紙類が豊富にあることです。
シロアリは湿った木材や段ボールが大好物です。
湿気がこもった、柱や床板などに多くの木材が使われている住宅は、いわばシロアリの食物の宝庫なのです。
シロアリは普段、地中や倒木の中に住んでいますが、どのように住宅へ侵入するのでしょうか。
シロアリの侵入経路は、下記の3通りあります。
- 地面に接している床下
- 被害に遭った木材の移動
- 羽アリの飛来
住居への侵入ルートで一番多いのは、地面に接している床下からです。
日本でのシロアリ被害は、主にイエシロアリまたはヤマトシロアリという種類の、土の中に住むシロアリによるものです。
基礎にできたわずかな隙間やヒビから、地中に住んでいるシロアリが侵入してきます。
餌場を見つけたシロアリは、フェロモンで餌の存在を仲間に知らせ、数百匹の大群で食害します。
こうして、あっという間に被害が広がってしまうのです。
また、近年数が増えつつある、アメリカカンザイシロアリという外来種のシロアリは、輸入品のピアノやタンスといった木製の家具に住み着いていることがあります。
アメリカカンザイシロアリが住み着いてしまった木材が家の中に入ってくることにより、家全体がアメリカカンザイシロアリの被害にあってしまう事例もあります。
また、夏の時期には、羽アリが繁殖のために外を飛びます。
可能性としては非常に少ないものの、羽アリが住宅内に飛来して巣を作ってしまうこともあります。
シロアリが発生しやすい環境

シロアリが発生しやすい環境のポイントは、下記の3点です。
- 暖かく、湿度が高い
- 食べ物が豊富にある
- 外敵がいない
シロアリは、気温10度以上の暖かい環境で活発に活動します。
気温の下がる冬でも、暖房設備の整った住宅の床下は温められているので、シロアリは変わらず活動します。
シロアリは湿った木材を好んで食害するので、湿度の高い環境であることも重要です。
また、シロアリは木材や紙、枯れ木などの食べ物が豊富な場所に集まります。
自然界でも、餌場に近い場所に巣を作ります。
外敵がいないこともシロアリにとって重要です。
シロアリの外敵は、他の昆虫や小動物など多くの生き物が存在します。
これらの外敵から身を隠せる場所に、シロアリは住み着きます。
上記の環境を満たすのは、家の中のどんな場所が当てはまるでしょうか。
シロアリが発生しやすい場所は以下です。
- 床下
- 屋根裏・天井裏
- 柱
- 和室の畳周り
- 押入れ
- 玄関
- お風呂・トイレ・洗面所などの水場
- 窓の結露がたまりやすい場所
- ウッドデッキ
温度が比較的高く、湿気のたまりやすい場所は、シロアリが発生しやすいです。
また、鉄骨や鉄筋の家であっても、木材は使われていますので、シロアリは木造住宅と同様に発生します。
このように、シロアリが好む場所は家の中にたくさんあります。
狙われやすい場所を理解し、気を付けて対策したいものです。
対策方法は記事の後半で解説します。
シロアリが発生しやすい時期

シロアリの発生時期は、1年中です。
夏や秋といった決まった季節に限定されません。
産卵時期というものが存在せず、時期を問わず女王アリが繁殖を続けているからです。
ただし、活動時期については、シロアリの種類によって存在しており、主に4~9月頃にかけて多くの種類が活動のピークを迎えます。
外の気温が上昇し、シロアリにとって活動しやすい環境になるからです。
かつては、「シロアリは冬になると活動が鈍る」と言われていました。
確かに気温10度を下回る環境では、シロアリはあまり活発に動かず、巣にこもりがちになります。
しかし、近年は暖房器具によって室内や床下が暖かく保たれています。
さらに、冬の時期には室内外の寒暖差によって結露が発生し、湿った環境ができます。
このような環境が確保されているので、冬でもシロアリは元気に活動します。
詳しくは、シロアリの発生時期っていつ?活動時期についても解説を参考にしてみてください。
シロアリが発生したときの対策

シロアリが発生したら、すぐに専門業者に駆除を依頼してください。
シロアリの被害スピードは速く、1年~数年で家をボロボロにされてしまうことも少なくありません。
被害が進むと、家の修繕工事が必要になり、数十万ほどの出費となってしまうことも。
シロアリの発生に気づいたら、すぐに駆除をしてもらいましょう。
また、残念ながら、駆除が終わったあとに、再びシロアリが発生してしまうケースも中にはあります。
一度家の中のシロアリを駆除したとしても、家の環境がシロアリにとって住みやすい環境のままであれば、別のシロアリが侵入しようとします。
土の中であればどこにでも、シロアリが住んでいるからです。
そう聞いてしまうと、「シロアリの駆除をしても無駄なのでは?」と思うかもしれません。
しかし、きちんと対策をすれば、シロアリの発生を防ぐことができます。
以下では、その方法を詳しく解説します。
シロアリの好む環境をなくす
先ほど、家の中にはシロアリが好む環境がたくさんあると述べました。
シロアリが再発するのを防ぐために、シロアリが好む環境をなくし、寄せ付けないようにしましょう。
シロアリが住みにくい環境を作るには、以下の3点を実行すればよいです。
- シロアリのエサになる木材を置かない
- 建物の基礎まわりの風通しと日当たりをよくする
- 家のまわりに荷物を置かない
シロアリのエサになるのは、「死んだ木」です。
シロアリは、エサが豊富な場所を見つけると、仲間に知らせて大群でやってきます。
使わない木材や木の杭、枕木などを家の周りに置かないようにしましょう。
シロアリは、湿った環境を好みます。
風通しと日当たりをよくすることで、湿気対策ができます。
特に、床下の通気口のある基礎のまわりはスッキリとさせておきましょう。
家のまわりに物や植物を置かないようにして、風通しを確保することも重要です。
草木が家の壁を覆っている場合は、伐採して整えておきましょう。
上記3点のような簡単な心掛けで、シロアリの好む環境をなくし、シロアリ発生を防ぐことができます。
シロアリを住居に侵入させない
さらに完璧にシロアリ予防をするには、専門業者によるシロアリ予防施工を受けることをおすすめします。
具体的には、「バリア工法」あるいは「ベイト工法」という、薬剤を使った予防施工です。
シロアリの主な侵入経路は、土の中から床下に侵入する経路です。
そこで、床下の土壌や木材に薬剤を散布することで、シロアリが地中から床下に侵入することと、もし侵入したとしても木材に巣食うことを防ぐことができます。
これが「バリア工法」です。
あるいは、家の周りの地中にあらかじめ毒餌を仕掛けておくことで、周囲のシロアリを退治しておく「ベイト工法」という方法も、近年人気が高まっています。
ベイト工法は、人やペットに対する安全性が高いからです。
これらの予防方法については、シロアリ予防をしないと家はどうなる?予防の費用や対策法はの記事で詳しく解説しています。
まとめ
シロアリが発生する原因は、家の中に餌が豊富で、住みやすい環境であることだとわかりました。
シロアリが発生する原因や、環境を理解しておくことで、シロアリが発生するのを抑えることができます。
一度発生してしまうと、駆除するしかありませんが、シロアリが発生する前の段階であれば、今すぐ予防対策を初めてみてはいかがでしょうか。