屋根塗装

セメント瓦のメリットデメリットとは?メンテナンス方法や費用を解説

セメント瓦のメリットデメリットとは?メンテナンス方法や費用を解説

自宅の屋根に「セメント瓦」が使われていながら、「耐久性はあるのか?」「メンテナンスの方法は?」と分からないことが多く困っている方も多いのではないでしょうか。
セメント瓦は他の瓦と比べて耐久性が低いので、古くなってきたら塗装や葺き替え、部分的な修理が欠かせません。
そこで今回はセメント瓦の概要や屋根のリフォーム方法、塗装の仕方、費用、陶器瓦やセメント瓦など他の瓦と比べたときの耐久性などを解説します。

セメント瓦とは

セメント瓦は、1970~80年代に普及したセメントが主成分の屋根瓦のことです。
陶器瓦よりも費用が安く製造しやすいため、高度経済成長期の住宅不足の際によく使用された瓦です。
見た目は陶器瓦と同じなので見分けがつきにくく、新築やリフォームにも取り入れやすい資材です。

セメントは吸水性が高く、再塗装などのメンテナンスが簡単なので長く普及すると思われていましたが、重量が重いのが難点で、今ではほとんど生産されていません。
現在、多くが軽く耐久性、耐震性に優れたガルバリウム鋼板などの金属屋根が使われています。

セメント瓦と陶器瓦・コンクリート瓦との違い

まずは、セメント瓦と陶器瓦・コンクリート瓦との違いについて見ていきましょう。

屋根瓦の種類と特徴
セメント瓦 陶器瓦 コンクリート瓦
流行年代 1970~80年代 古くから 1970~80年代
価格 5,000~10,000円/㎡ 5,500~16,000円/㎡ 5,000~10,000円/㎡
特徴
  • 再塗装が可能
  • 吸水性が高い
  • 重量が重い
  • 色あせやすい
  • 断面が平ら
  • ガラス層でコーティングされ、光沢がある
  • 色あせない
  • 再塗装が可能
  • 吸水性が高い
  • 重量が重い
  • 色あせやすい
  • 断面が凸凹
耐用年数 20~40年 50~60年 20~40年
塗装周期 10~20年 不要 10~20年

瓦にはほかにも伝統的な陶器瓦やセメント瓦と見た目の似たコンクリート瓦があります。それぞれどのような違いあるのでしょうか。

セメント瓦と陶器瓦との違い

セメント瓦と陶器瓦との違いは、手触りや耐用年数などに違いがあります。

陶器瓦は古くから使用されてきた伝統的な屋根材です。表面は釉薬(うわぐすり)というガラスの層でコーティングされており、表面はツルツルで光沢があり、ちょうど陶器製の湯飲みやお茶碗と同じような作りです。
塗料で色をつけているわけではないので、色あせが起こらないという利点があります。
価格はだいたい1㎡あたり約15,500~16,000円ほどで耐用年数は50~60年ほどと長持ちする瓦です。

一方、セメント瓦は釉薬ではなく塗装で着色されているため長期間紫外線や雨風にさらされると色あせが起こり、定期的な再塗装が求められます
耐用年数は20~40年で陶器瓦よりも短いです。
陶器瓦は表面がツルツルですが、セメント瓦はザラザラとしています。

セメント瓦とコンクリート瓦の違い

見た目が非常に似ているセメント瓦とコンクリート瓦の違いは、断面にあります。
コンクリート瓦には砂利が含まれているため、断面に凸凹があります。
一方、セメント瓦は断面が平らです。

コンクリート瓦はコンクリートを成形して作られた瓦で「モニエル瓦」とも呼ばれます。
セメント瓦と同様、1970~80年代に流行しましたが重さによる扱いづらさのため、現在は生産を終了。
この二つは価格や耐用年数も同じくらいで、どちらも5,000~10,000円/㎡ほどの価格帯で、耐用年数は20~40年です。

セメント瓦のメリット

現在は生産終了してしまってはいるものの、急速に普及が進んだ背景にはセメント瓦の製造のしやすさ、扱いやすさなどが関係していました。

  • 形、色が豊富
  • 施工が簡単なため工事費用が安い
  • 耐火性がある
  • 遮熱性、遮音性に優れる

ここでは4つのメリットについてご紹介していきます。

1.形、色が豊富

セメント瓦は形、色が豊富にあります。
これは成形、塗装がしやすいことが理由です。
さまざまなデザインのものがあるため気分に合わせて塗装で簡単に色を変えられることも魅力です。
和風のデザインのほか、洋風なデザインも多数流通していてオリジナリティのある屋根にしたい人にも好まれていました。

2.施工が簡単なため工事費用が安い

工事費用が安いのもメリットの一つです。
セメント瓦の施工は板状の建材をつなぎ合わせていくだけなので、作業工程や作業の難易度はそれほど高くなく施工しやすいためです。
作業が簡単な分、人件費を少なく抑えられ、トータルの費用をおさえることができるのが魅力です。

3.耐火性がある

耐火性があることもメリットです。
セメント瓦はセメントで作られており燃えにくい性質を持っているからです。
火災が家中に燃え広がることを防いでくれるので、火災対策をしっかり行いたい人にぴったりです。

4.遮熱性、遮音性に優れる

セメント瓦は熱性、遮音性に優れています
セメントで作られるセメント瓦は、熱や音を通しにくい力を持っているためです。
そのため、日当たりがいい立地や、近隣への音漏れが気になる方に好まれます。

セメント瓦のデメリット

伝統的な陶器瓦と比べてセメント瓦にはいくつかのデメリットがあります。

  • 耐久性が低い
  • 定期的なメンテナンスが必要
  • 重いため耐震性が低い
  • 色があせる
  • コケ、カビが発生しやすい
  • アスベスト入りの製品がある

後悔しないためにもデメリットもしっかり確認しておきましょう。

1.耐久性が低い

セメント瓦は陶器瓦よりも耐用年数が短いとされています。
理由としてはセメントが水分を吸収する点が挙げられます。
塗装したての新しいセメント瓦は塗膜で守られていますが、劣化が進み、塗膜がはがれると雨風を大量に吸収し、セメントの主成分であるカルシウムが流れ出始めます。
すると衝撃に弱くなってしまうのです。
水を吸ってもろくなってしまったセメント瓦は塗装を施しても元には戻りません。
手遅れになる前に再塗装をするなどのメンテナンスを行いましょう。

2.定期的なメンテナンスが必要

セメント瓦は定期的なメンテナンスが欠かせません。
これは紫外線や雨風による劣化で塗膜の色あせや隔離がおこるためです。
目安としては約10年ごとのメンテナンスが良いとされています。
もちろん、劣化があまりにもひどい場合は10年経っていなくても、再塗装が必要になります。

3.重いため耐震性が低い

セメント瓦は重量があり、屋根自体も重くなるため地震があったときに倒壊する危険性があります。
このことから、最近では薄くて軽い金属系サイディングを屋根に使う家も増えてきています。

4.色があせる

セメント瓦は塗料で色をつけていますが、色があせることがあります。
これは使われている塗料が長い間紫外線にさらされることで化学変化が起こるためです。
せっかくおしゃれな色の屋根だったのに色あせてしまったら古びた印象を与えてしまいます。美しさや耐久性を保つために定期的な塗装が必要になります。

5.コケ、カビが発生しやすい

コケやカビが発生しやすいのもデメリットの一つです。
セメント瓦表面の塗膜がはがれ水を吸収するとコケやカビの発生源となるためです。
コケやカビの生えたセメント瓦は耐久性が弱まるだけでなく見た目にもよくありません。
特に川や沼など水辺が近い立地や、雨が降りやすい立地の家はコケやカビが発生しやすいのでより頻繁なメンテナンスが求められます。

6.アスベスト入りの製品がある

過去、セメント瓦に白石綿というアスベストが使用されていました。
アスベストは体内に入ると悪影響を及ぼす危険な物質として知られています。
しかし現在はアスベストの入った商品の使用は禁止されているため、現在は建材としては出回っていません。

また、セメントで塗り固められていれば、万が一アスベストが含まれていたとしても飛散しないので、人体に悪影響を及ぼす心配はありません。
しかし、解体工事などで適切な処理をおこなわないとアスベストが飛散する可能性もあるため、注意が必要です。
そういった場合は、アスベストの解体技術を持った専門の業者へ依頼しましょう。

セメント瓦のリフォーム方法

セメント瓦は定期的なリフォームが不可欠です。

  • 塗装
  • 瓦そのものを葺き替える
  • 部分的に修理する

具体的にどのような方法なのか、詳しく見ていきましょう。

1.塗装

見て明らかにセメント瓦が色あせしてきたと感じたら、再塗装を行いましょう。
色あせているだけだからといって、長く放置しておくと雨水を吸い込み劣化が進み、雨漏りが起こる危険性があるためです。
また、カビやコケが生えているときも、防水機能が落ちているサインですので、できるだけ早めに塗装を行う必要があります。

2.瓦そのものを葺き替える

塗膜がはがれたり、ひび割れたりしている瓦を見つけたら、瓦そのものを葺き替えましょう。すでにセメント瓦が老朽化し、建物に雨漏りが起こっている可能性が極めて高いからです。それだけでなく、ひび割れを起こしていると瓦が落ちて人にあたる危険性があるため、早急に葺き替えることをおすすめします。
セメント瓦は生産終了しているため、別の屋根材に交換する必要があります。
葺き替えに使用される屋根材はガルバリウム鋼板、アスファルトシングル、スレートなどが一般的です。
それぞれの特徴と費用相場は以下の通りです。

屋根材 特徴 費用
ガルバリウム鋼板 耐久性・耐食性 約130~200万円
アスファルトシングル 耐久性・防水性・耐候性・耐震性 約130~190万円
スレート 耐震性・耐火性・断熱性 約100~140万円

ガルバリウム鋼板

ガルバリウム鋼板は、ガルバリウム合金で鉄板をメッキした屋根材で、耐震性・耐久性のたかさで人気です。葺き替え費用は約130~200万円です。

アスファルトシングル

アスファルトにガラス繊維を浸透させ、表面に細かくした天然石を吹き付けたものです。
石粒で覆っており傷つきにくく、耐久性・防水性・耐候性にすぐれています。
軽量なので耐震性も高いです。
葺き替え費用はだいたい130~190万円ほどを見ておきましょう。

スレート

セメントに繊維材料を混ぜ合わせてできた薄い板状の瓦をスレートといいます。
デザインが豊富で、耐震性・耐火性・断熱性が高い屋根材です。
葺き替えには100~140万円ほどかかります。

3.部分的に修理する

屋根全体のセメント瓦が同時期に葺き替えが必要になるほど劣化することはなかなかありません。
屋根の場所によって日当たりがいい場所、雨風の影響を受けやすい場所はまちまちだからです。
そのような場合は、劣化がひどい部分の瓦だけを修理する方法があります。

部分修理としては、部分的に瓦を差し替える方法があります。
ただしセメント瓦はもう流通していませんので、同じセメント瓦を見つけるのは非常に困難といえます。
そのため、傷んだ瓦を粘着テープ、シーリングなどで補強する応急処置的な対応が現実的です。

セメント瓦の塗装時期

セメント瓦に色あせ、コケ・カビなどの発生が見られたらすぐに塗装工事をおすすめします。見た目がきれいになることはもちろん、防水性を高め、屋根の劣化の進行を抑えるために重要です。
セメント瓦の寿命は30年で、塗装は10年ごとに行うのが一般的と言われています。
以下のような劣化症状が現れたら、10年が経過していなくても塗装するのがおすすめです。

色あせ
初期の劣化症状として色あせがあります。瓦の塗膜のツヤがどんどんとなくなり色あせが起こります。さらに劣化が進むと塗膜の浮き、剥がれなどへとつながります。屋根は紫外線や雨風にさらされる場所なので、外壁に比べても劣化が早いです。
コケ、カビなどの発生
セメント瓦の塗装が劣化すると防水機能が落ち、瓦が雨水を吸収し、コケやカビが発生します。コケやカビを放っておくとや瓦は常に水分を含んだ状態になり、屋根自体がもろくなってしまいます。内部まで湿気が届き木材が腐ってしまうと屋根の倒壊の危険にもつながり大変危険です。

見た目がきれいになることはもちろん、防水性を高め、屋根の劣化の進行を抑えるためにも塗装は重要です。

セメント瓦の塗装手順

一般的には以下の順番で塗装工事が進んでいきます。

  • 足場の設置
  • 高圧洗浄
  • ズレ、ひび割れなどの補修、養生
  • 下塗り
  • 中塗り、上塗り

どれも大切な工程となるので、順番に確認していきましょう。

足場の設置

塗装はまず足場の組み立てから始まります。 足場を組むことで、安全に屋根の作業を進めることが可能になります。 足場の設置はだいたい一般的な戸建てで半日~一日かかります。

高圧洗浄

高圧洗浄で屋根の汚れや古い塗膜を落とします。
業務用の高圧洗浄機での作業となるため大きな音が発生します。

ズレ、ひび割れなどの補修、養生

セメント瓦にズレやひび割れがあればここで直します。
塗装後に補修するとまたその上から塗装が必要になり二度手間となるからです。

また、洗浄で濡れた屋根が十分に乾燥したら、窓、換気フード、扉、エアコンの室外機、床、車など塗料が飛んで汚れる可能性のあるものをシートやテープなどで覆います。

下塗り

色のついた塗料の前に下塗り材を塗ります。
これは瓦と塗料の密着度を高めるためのものです。
その後メーカーの定める時間を守り、十分に乾燥させます。

中塗り、上塗り

下塗り材が乾いたら中塗り、上塗りと二回に分けて塗装をします。
中塗りと上塗りは同じ塗料を使用し、中塗りと上塗りの間も乾燥が必要です。
塗り重ねることで塗りムラがなくなり、塗膜が剥げにくく耐久性を高めることができます。

セメント瓦の塗装にかかる費用

セメント瓦の塗装で使われる塗料にはシリコン塗料、フッ素塗料、無機塗料などが一般的です。
それぞれ以下の耐用年数、費用がかかります。

セメント瓦の塗装にかかる費用
塗料 耐用年数 1㎡あたりの費用相場 一般的な戸建て(30坪)での相場
シリコン塗料 10~15年 2,500〜2,800円 17.5~19.6万円
フッ素塗料 15~20年 4,000〜5,000円 28~35万円
無機塗料 20~25年 4,500〜5,500円 31.5~38.5万円

耐用年数から見ればフッ素塗料や無機塗料をおすすめします。
費用相場は高くても、その分塗り替え工事の頻度が少なく済むため、長い目で見ればコストパフォーマンスのいい塗料だからです。
塗料の価格だけでなく、施工費用、メンテナンス回数なども視野に入れてバランスの良い塗装を選びましょう。

まとめ

それでは、セメント瓦のまとめをしていきましょう。

  • 1970~80年代に普及したセメントが主成分の屋根瓦
  • 現在は製造されていない
  • 陶器瓦との違いは、塗装で着色されているか、ガラスでコーティングされているか
  • コンクリート瓦との違いは、断面が平らか、砂利を含み凸凹か
  • メリットは形と色が豊富なこと、施工が簡単で工事費用が安いこと、耐火性、遮熱性、遮音性があること
  • デメリットは耐久性が低い、定期的なメンテナンスが必要、耐震性が低いこと、色あせ、コケ、カビなどが発生しやすいこと、アスベスト入りのものがあること
  • リフォーム方法は、塗装、葺き替え、部分修理などがある
  • 色あせ、コケ、カビなどが発生したらすぐに塗装工事をおこなうべき

セメント瓦を長持ちさせるには再塗装などのメンテナンスが必須です。
自宅の屋根がセメント瓦だとわかったら、状態を確認し、劣化症状が起きているようならすぐにリフォームを検討しましょう。

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