屋根修理

屋根のカバー工法(重ね張り)にかかる費用相場|見積もり例や計算式から概算を調べよう

屋根のカバー工法(重ね張り)にかかる費用相場|見積もり例や計算式から概算を調べよう

カバー工法とは主に、「カラーベスト」「コロニアル」とも呼ばれるスレート屋根(平たい板のような屋根材)が経年で劣化してきたときに、金属屋根(主にガルバリウム鋼板)で上から覆い、屋根の耐久性を上げるリフォームのことです。
古い屋根の撤去費用がかからないので、全ての屋根を取り換える「葺き替え」リフォームよりも安く施工することができます。

カバー工法(重ね張り)にかかる費用は、60万円~120万円が相場です。
40坪以上の家に住んでいる人は、さらに費用が高くなる可能性もあります。

ここでは、カバー工法にかかる費用相場について詳しく解説していきます。
また、費用の内約や決まり方、見積もり例なども掲載していますので、カバー工法をする際の参考にしてください。

スレート屋根のカバー工法の費用相場

スレート(カラーベスト・コロニアル)屋根にカバー工法を行う費用は、1㎡あたり5,000円~15,000円が相場です。
総額費用では、約30坪の家で60万円~100万円、40坪の家の場合は90万円~120万円が相場になります。

同じカバー工法でも、相場金額に大きな差があるのは、施工する家ごとによって家の形や大きさなど様々な条件が異なるためです。
そのため、相場金額も参考程度にとどめておき、正確な費用を知るには、専門業者に見積もりを取ってもらうしかありません。

しかし、どんな条件で費用が高くなるのか知っておくことで、自分の家が相場の中でも「高め」なのか「低め」なのかを知ることができます。
ここからは、カバー工法の費用がどんな条件で高くなるのかを解説していきます。

カバー工法の費用を決めるポイント

カバー工法の費用を決める大きなポイントは主に4つあります。

実際に見積もりを取る際は、4つのポイントが複雑に影響し合い、金額が高くなったり安くなったりします。
ここからは、4つのポイントについて詳しく紹介していきます。

屋根の広さ

屋根が広い家は、狭い家に比べてたくさんの屋根材を使うため、材料費が高くなる傾向があります。

ただし、屋根材の材料費を調べるために「延べ床面積」を利用するのは間違いです。
延べ床面積とは、家の全ての階の床面積を足したものなので、1フロアの面積が小さくても、階数が多ければ広くなってしまいます。

自分の家の屋根の面積を知るには、一階の床面積から計算します。

  • 1階の床面積×1.5=「おおよその屋根の面積」

計算して算出した屋根の面積に、屋根材の単価を掛けることで、おおよその材料費を知ることができます。

屋根の形

屋根の形が複雑になるほど、材料費と人件費が高くなる傾向にあります。

単純な屋根とは、例えば片流れ屋根や切妻屋根(本を伏せたような山形の屋根)などです。
複雑な屋根とは、複数の屋根が複合していたり、そもそも住居部分が複雑な形をしている場合の屋根です。

単純な屋根と複雑な屋根の例を比べたイラスト

屋根の形が複雑になると、屋根材に「端切れ」が多く発生するので、材料費が高くなってしまいます。
さらに、高い技術が必要になるうえ、屋根材の形を揃えたり等の作業が増えて工期が長くなり、人件費が高くなります。

複雑な形をした屋根の場合、前項で紹介した計算式で出た金額よりも高くなると考えておくとよいでしょう。

屋根材の種類

当たり前ですが、単価が高い屋根材を使用すると、材料費が高くなります。
よく使用される屋根材の単価はおよそ5,000円~9,000円ほどですが、高い屋根材では9,000円~15,000円ほどするものもあります。

しかし、単価が高い屋根材には、「耐久性が高い」「断熱・保温効果がある」「汚れにくい」「雨音が静か」などのメリットがある製品が多いです。
「既存の屋根の状態が悪いため、高い屋根材を使わなければ家全体の耐久性が落ちてしまう」という場合もあります。
そのため、一概に「安い屋根材に替えればよい」というわけではありません。

使用したい屋根材が決まっていない場合は、相場の中でも少し高めの屋根材を使用すると仮定して計算しておくとよいでしょう。
具体的な屋根材の種類と費用は、「カバー工法におすすめ屋根材の単価・価格」で紹介していますので参考にしてください。

周辺環境

周辺環境によっては、工事がしにくくなってしまうことがあります。

工事がしにくくなる原因の一例

  • 敷地内に足場を建てることができない
  • 近隣住民から苦情があり工事できる時間が限られている
  • 家の前の道路が狭く資材の搬入が困難

工事がしにくくなってしまうと、工期が伸びたり、設備などを追加したりする場合があり、人件費や設備費用が上乗せされます。

また、家が3階建て以上の場合、使用する足場の量が増えるため、足場代が高くなることもあります。

上記に当てはまる場合や、家が3階建て以上の場合は、今まで計算した費用に10万円~20万円ほど上乗せしておくと安心です。

カバー工法におすすめ屋根材の単価・価格

スレート屋根のカバー工法では、ほとんどの場合「金属屋根」を使用します。
一般的な戸建て住宅では通常、新築時に乗せた屋根材より重い屋根材は、建物の構造上の理由から使用できません。
スレート屋根より軽い屋根材は「アスファルトシングル」と「金属」の屋根材ですが、施工のしやすさ・耐久性の高さから、金属屋根を使用することが多いのです。

金属屋根の中でも大きく分けると3種類に分類されます。

カバー工法におすすめの屋根材と単価価格
屋根の種類 単価の相場 耐用年数
ガルバリウム鋼板 5,000円~9,000円 25年~35年
エスジーエル鋼板 6,000円~10,000円 30年~50年
ジンカリウム鋼板 8,500円~15,000円 30年~50年

実は、ガルバリウム鋼板とエスジーエル鋼板は、メーカー側から出ている耐用年数は5年~15年も違うのに、相場は1,000円ほどしか変わりません。
ただし、エスジーエル鋼板は2013年に発売されたばかりなので、「耐用年数に信頼性がない」としている業者もいます。
ジンカリウム鋼板は、ガルバリウム・エスジーエルより3,000円~10,000円ほど高いですが、メンテナンス頻度が少なく耐久性が高いのが特徴です。

屋根材についての詳しい説明は、「屋根材5種類と屋根の形状9種類を比較|価格・工法・耐用年数で比べて解説」で紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

ガルバリウム鋼板

ガルバリウム鋼板とは、鉄のアルミと亜鉛の合金メッキを施した屋根材です。
耐久性が高く、価格が安い製品もあることから、金属屋根の中では最もよく使用されています。
ただし、塗装が劣化するとサビが発生しやすくなるため、10年ほどで塗り替えを行う必要があります。
特に、沿岸部、工場・森林などの近くに住んでいる人は、7年程度で点検を行うことが推奨されています。

おすすめ製品
製品名 単価(1㎡あたり) 耐用年数(穴あき保証)
カレッセs(太平洋工業) メーカー問合せ 25年
シルキーG2(福泉工業) 約6,600円 25年

エスジーエル鋼板

エスジーエル鋼板は「超高耐久ガルバリウム」とも呼ばれ、2013年に新しく登場した屋根材です。
素材はアルミと亜鉛に加えてマグネシウムを配合した合金メッキを使用しているので、単価はガルバリウム鋼板とほとんど変わらないのに、耐用年数は5年~15年も長く、近年人気が高まっています。

おすすめ製品
製品名 単価(1㎡あたり) 耐用年数(穴あき保証)
スーパーガルテクト(アイジールーフ) 7,310円 25年
スマートメタル(ケイミュー) 約7,300円 25年
横暖ルーフαプレミアムS(ニチハ) 7,850円 25年

ジンカリウム(石粒付き)鋼板

ジンカリウム鋼板も、ガルバリウム・エスジーエルとほとんど変わりませんが、表面に自然の石粒がついているのが大きな特徴です。
本来「ジンカリウム」とは、オーストラリアの会社の商標登録なのですが、日本では表面に砂粒がついている金属の屋根材を総じて「ジンカリウム」と呼ぶこともあります。
表面に石粒がついていることから耐久性が高く断熱効果もあり、さらには塗り替えのメンテナンスが不要です。

おすすめ製品
製品名 単価(1㎡あたり) 耐用年数(穴あき保証)
スカイメタルルーフ(輸入販売元:伊藤忠建材株式会社) 8,500円〜 50年
FSストーン(福泉工業) 6,440円 30年
デクラミラノ(デクラ) メーカー問合せ 30年

カバー工法の見積もりの内約と相場

カバー工法の見積もり費用には、新しい屋根材の料金のほか、各種部品の交換・設置費用、職人さんの人件費などが発生します。

カバー工法の費用内訳
作業の内容 費用・単価の相場
足場の設置 10万円~20万円(総額)
養生 200円前後(㎡)
各種板金の撤去 3万円~5万円(総額)
防水シートの設置 500円~1,000円(㎡)
防水シートの設置 500円~1,000円(㎡)
各種板金の設置 1,500円~3,000円(m)
新しい屋根材の設置 5,000円~15,000円(㎡)
諸経費 全体の5~10%

各種板金とは、棟(屋根の山部分)、谷(屋根の谷部分)、ケラバ(屋根の端)、破風(屋根の横)などの板金のことです。
耐久性を高めるため・新しい屋根を設置しやすくするために、一度撤去して新設する必要があります。

職人さんの人件費や移動費、運搬費用は「諸経費」としてまとめられることが多いです。

ほかにも、重なった屋根の間の湿気を取る「換気棟(2万円~5万円/1か所)」や、屋根に積もった雪が滑り落ちてこないようにする「雪止め(2,000円~3,000円)」など、依頼主の要望や土地に合わせて設置する部品もあります。

カバー工法で失敗しないためのポイント

カバー工法でよくある失敗は、新設した屋根の「はがれ」や「雨漏り」です。
こうした失敗が起きないようにするためには、3つのポイントがあります。

  • 風が強い地域では「ビス」で屋根材を固定する
  • 勾配が緩い家ではカバー工法を行わない
  • 下地が傷んでいる場合はカバー工法を行わない

実は、カバー工法で新しい屋根を固定する方法は「釘」と「ビス(ねじ)」の2種類があります。
らせん状の溝がない「釘」では、強風にあおられて新設した屋根材が剥がれてしまうおそれがあるので、「ビス」固定がおすすめです。

また、あまり知られていませんが、勾配がゆるい屋根(勾配が2.5寸勾配以下)では、雨漏りの原因になるためカバー工法でリフォームすることはできません。
さらに、「野地板(屋根材の下にある下地)」が傷んでいると、せっかく屋根を新設しても、はがれや雨漏りの原因になってしまいます。
低勾配の家や下地まで傷んでしまっている場合、カバー工法ではなく「葺き替え(張り替え)」というリフォーム方法がおすすめです。

葺き替え(張り替え)リフォームの費用相場

葺き替え(張り替え)は、既存の屋根を全て撤去して新しい屋根を取り付けるため、痛みのひどい屋根や、瓦など重い屋根材を使っている家でも選択できます。
また、新設する屋根は金属屋根以外にも選べることが多いので、外観のイメージを変えたくない人にもおすすめです。

葺き替えリフォームをする場合、かかる費用は140万円~200万円ほどが相場です。
30年以上前のスレート屋根を使用している場合、スレートに「アスベスト」が含まれている可能性があり、撤去に2万円~8万円(1㎡あたり)ほど上乗せされることもあります。

葺き替えの費用について、詳しくは「屋根の葺き替え費用相場はいくらかかる?具体的な事例と内約」で紹介していますので参考にしてください。

まとめ

カバー工法(重ね葺き)の費用相場は、60万円~120万円ほどです。
相場料金に大きな差があるのは、条件によってかかる料金は異なるためで、特に次の4つのポイントによって、金額が高くなるか安くなるかが決まります。

  • 屋根の大きさ(大きいほど高くなる)
  • 屋根の形(形が複雑なほど高くなる)
  • 使用する材料(高級な材料を使うほど高くなる)
  • 周辺環境など(特殊な条件になるほど高くなる)

カバー工法にかかる費用の見積もりの内約は、使用する材料費のほか、取り換える必要がある部品の撤去・新設費用、足場、人件費などがメインで、地域や要望によって設備を増やしたり減らしたりすることもあります。
費用を節約するために工夫できるのはほとんど「使用する材料」のみですが、屋根の劣化が進んでいる場合は、屋根材も高くて高耐久の製品を勧められることがあります。

少しでもカバー工法の費用を安くしたいという人は、火災保険や地域の補助金・助成金が使えないか確認してみるのもおすすめです。
火災保険は、災害によって屋根が損傷した場合に、補助金・助成金は地域が定めた規定に当てはまる場合に使用が可能です。
火災保険については「屋根の修理には火災保険が適用できる!適用条件と注意点について解説」で、補助金・助成金については「住宅リフォームの補助金制度とは?補助金の種類や優遇制度について解説」で紹介していますので、参考にしてください。

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