天井にできたシミの原因は?対処方法や放置するリスクを解説!

自宅の天井にシミを見つけたものの、どのように対処すべきか分からず困っていませんか?
天井のシミはどのように直すのか、また放っておいても大丈夫なのかと悩むことは多く、対処法が分からないまま放置してしまう人も少なくありません。
しかし、天井のシミは素早く対処する必要があり、放置は厳禁です。
この記事では、天井のシミの原因から放置するリスク、適切な対処法まで詳しく解説しています。
原因から対処法までしっかりと把握して適切に対処しましょう。
天井にシミができる7つの原因

まずは、なぜ天井にシミができるのか、その原因を知ることが重要です。
天井のシミは、雨漏りが原因と思われがちですが、実はそれ以外にも次のように多数の原因があります。
- 雨漏り
- 屋根裏の結露
- ラミネート天井の接着剤
- 動物の糞尿
- 給水管や排水管の水漏れ
- エアコン関係の水漏れ
- 上の階の水漏れ
以上の7つの原因を把握して、自宅の場合はどれに該当するか確認してみましょう。
雨漏り
天井にシミができた場合、1番心配なのが「雨漏り」です。
「天井から水滴がしたたってくる」というのが、一般的な雨漏りのイメージではないでしょうか?
そのため、「シミができたのは雨漏りではないかも」と考えるのも当然のことです。
しかし、水滴が垂れてくるほどの被害だけが雨漏りではありません。
じわりと染み出るように雨漏りが発生し、気づかないまま渇いてしまえば、天井にシミができることもあるのです。
天井からの雨漏りについて、詳しくは「天井の雨漏りの原因は?修理費用や業者を選ぶポイントを紹介」で紹介していますので参考にしてください。
また、天井のシミが雨漏りではなかった場合については、以下で説明していきます。
屋根裏の結露
家の中と外の気温差によって、窓ガラスに結露ができることがありますが、これは屋根裏でも同様のことが起こります。
結露が発生すると屋根裏に水がたまり、それが浸水してシミになることも少なくありません。
朝と夜で寒暖差が大きいと、結露ができやすいため、気温差の出やすい時期は特に注意が必要です。
ラミネート天井の接着剤
天井の板にラミネート加工を施した「ラミネート天井」では、接着剤がシミになってしまうことがあります。
ラミネート天井は、加工した天井板を接着剤で貼り付けており、この接着剤が漏れ出したり、変色したりするとシミになります。
動物の糞尿
野生動物が、屋根裏に紛れ込んだり住みついたりして、その糞尿がシミになってしまうこともあります。
野生動物の有無は地域によって異なりますが、自然が豊富な郊外の地域ほど、糞尿による被害を受けやすくなります。
また、ペットを飼っている場合は、動物の種類によっては屋根裏に上り、糞尿をしてしまうこともあります。
天井から物音が聞こえる場合は、動物がシミの原因になっている可能性が高いでしょう。
給水管や排水管の水漏れ
給水管や排水管が天井を通っている場合は、それらが水漏れを起こすことでシミを作る場合があります。
給水管や排水管は、経年劣化によって損傷したりサビで腐食したりすることがあり、知らないうちに穴が開いたり、亀裂が入ったりするなどのダメージを受けていることも少なくありません。
また、自然災害によって給水管や排水管に影響が出ることもあり、地震や強風などで家が揺れることでパイプが外れて、水漏れを起こすこともあります。
エアコン関係の水漏れ
エアコンに接続されているパイプは、天井を通っていることがあり、これが原因でシミができることもあります。
エアコンのパイプや本体の水濡れによって、天井やその周辺が濡れてしまった状態で放置すると、シミになることも多いです。
特にエアコンをつける時期だけシミが目立つという場合は、本体や接続しているパイプの不良を疑いましょう。
上の階の水漏れ
2階建て以上の住宅では、上階からの水漏れや雨漏りによって天井にシミができることもあります。
戸建ての場合は「上階で異変がないか」、集合住宅の場合は「階上の部屋に問題がないか」をチェックしなければなりません。
例えば、上の階の住人がトイレを詰まらせたり、お風呂をあふれさせたりしていると、その水が階下に落ちてきて天井にシミを作ることがあります。
集合住宅で階上からの水濡れが疑われる場合は、大家さんに相談してみて、上階の様子を確認してもらうとよいでしょう。
天井のシミの原因を特定する2つの方法

天井にシミができる原因は多数あり、正しく対処するには何が問題となっているのかを知っておく必要があります。
原因を特定する方法は、自分で調べるか、専門家に調べてもらうかのどちらかになります。
状況に合った方法を選んで、素早く原因を特定しましょう。
まずは自分で調べる
自分で天井のシミの原因を考える場合、下のチェックシートを参考にしてみましょう。
確認ポイント | 考えられる原因 |
---|---|
冬になるとシミができる・広がる | 屋根裏の結露 |
シミのある部屋が臭い | 害獣被害 |
屋根裏から時おり物音がする | |
シミが茶色い | ラミネート天井の接着剤 |
エアコンの付近だけにシミがある | エアコンからの水漏れ |
急に大量の水が漏れてくる | 給水管や排水管の水漏れ |
雨が降っていないのに水音がする・シミが広がる | |
アパートやマンションで、上階に部屋がある | 上の部屋からの水漏れ |
雨の日だけシミが出る・広がる | 雨漏り |
どれにも当てはまらない |
天井のシミの原因が雨漏り以外の場合、わかりやすい特徴があるため、自分でだいたいの目星をつけることができます。
しかし、シミの原因が雨漏りの場合、「何が原因かわからない」という状況になることがあります。
雨漏りが起きる原因は複数あり、雨漏りが起きている箇所や雨漏りの原因を探ることは、プロでも難しいからです。
そのため、雨漏り修理を行う前の調査には、別途費用がかかることもあります。
雨漏りの原因を知る方法は、「雨漏りの原因を特定しよう!原因別の対処法を分かりやすく解説」でも紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
専門家に依頼する
自分で確認しても原因が特定できない場合は、専門家に依頼して詳細に調査をしてもらいましょう。
調査の方法は、依頼する業者によって異なりますが、水を撒いて水漏れ箇所を確認する「散水調査」や、専用の検査液を流し込み、紫外線を当てて水の侵入経路を探る「紫外線投射発行調査」などがあります。
目視での確認よりも精度が高いため、原因を特定しやすく修繕にも移りやすいでしょう。
検査には費用がかかりますが、精度の高さを求める場合は、専門家に依頼することをおすすめします。
天井にシミができた場合の4つの対処方法

天井のシミの原因によって、対処法は異なります。
次の代表的な4つのケースから、それぞれの対処法を知っておきましょう。
- 天井に汚れが付着していた場合
- 雨漏りが原因の場合
- 動物の糞尿が原因の場合
- 給水管や排水管・エアコン等が原因だった場合
原因に合った方法で対処することで、シミの改善から根本的な問題の解消までスムーズに行えます。
天井に汚れが付着していた場合
天井に汚れがついているだけで、シミの根本的な原因はすでに取り除けている場合は、汚れを落とすことを考えましょう。
天井にできたシミは、濡れたタオルや重曹、洗剤などを使って拭くことで落ちる場合があります。
ただし、天井の材質によっては、洗剤などで変色することもあるため、使用するアイテムには注意しなければなりません。
水拭きでシミが取れたあとも油断は禁物です。
きちんと空拭きをして、水分を吸い取って乾かさなければなりません。
水分が残ったままだと、またそこがシミになってしまうため要注意です。
どうしてもシミが落ちない場合は、天井のクロスを張り替えて、丸ごと交換することをおすすめします。
雨漏りが原因の場合
雨漏りが起きていた場合、自分でできる対処法は次の通りです。
- 室内の被害を最小限にする
- 屋根にブルーシートをかぶせる
- 防水テープで雨の侵入口を塞ぐ
- コーキングを使って雨漏りの原因箇所を塞ぐ
雨漏りで、シミだけでなく水滴も落ちてきた場合、被害箇所にバケツや雑巾を置いて、室内の被害が広がらないようにしましょう。
実は、誰でも安全に行える対処法は、室内の被害を最小限にする方法だけです。
他の方法は、危険が伴うため、少しでも自信がないと感じたら、やめておきましょう。
自分でできる対処法を行った後は、すぐに屋根修理業者へ連絡しましょう。
屋根という高所での作業は、安全に作業できる設備があり、作業に慣れている専門業者へ依頼するのが1番です。
業者へ依頼するとなると気になるのは費用ですよね。
雨漏りの修理は被害箇所と被害範囲の広さによって決まります。
そのため、数万円で済む修理から、2~300万円もかかる修理まで様々です。
雨漏り修理の費用について、詳しくは「雨漏り修理の費用相場を場所別に解説!業者選びのポイントも教えます」で紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
動物の糞尿が原因の場合
屋根裏に動物が住みついている場合は、まずはそれを駆除しなければなりません。
野生動物の駆除は危険を伴うこともあるため、死体の処理も難しいため専門家に依頼したほうがよいです。
住みついてはおらず、屋根裏にもいないなら、糞尿を掃除しておきましょう。
糞尿をそのままにしておくとシミは広がり、さらに他の動物まで呼び寄せてしまう可能性があります。
掃除したあとは、やはり業者を呼んで駆除してもらうか、寄りつかないように対策をしてもらいます。
また、動物の糞尿が原因の場合は駆除して終わりではなく、どこから侵入してきたのかを調査することも重要です。
侵入経路を特定し、動物が侵入できる隙間があれば、ふさいでおきましょう。
給水管や排水管・エアコン等が原因だった場合
給排水管やエアコンのパイプが原因なら、シミがある場所の屋根裏を確認し、パイプのどの部分に異常が発生しているかをチェックします。
明らかに水が漏れている箇所がある場合は、業者に依頼して修理してもらいましょう。
防水テープなどでふさげる場合もありますが、これはあくまで応急処置であって、しばらくするとまた水漏れすることも少なくありません。
配管系のトラブルは専門家に任せたほうがよいため、無理をせずに業者に修理してもらうことをおすすめします。
天井のシミを放置してはいけない理由

天井にシミを見つけたらすぐに対処する必要があり、放置は厳禁です。
放置してはいけない理由は、次の3つが挙げられます。
- カビによるアレルギーや疾患・シックハウス症候群
- シロアリが発生する
- 家の資産価値が下がる
シミができるということは、天井が濡れているということなので、湿度が高くなってカビが発生しやすくなります。
カビは、単に変色して見た目が悪くなるだけでなく、繁殖して菌をまき散らすため注意が必要です。
カビが増えるとアレルギーや疾患、シックハウス症候群といった症状を引き起こすことがあり、健康被害が出る可能性があります。
また、シミを放置して腐食が進むことで、シロアリが発生しやすくなります。
家の柱を食べられて内部がすかすかになり、最悪の場合は倒壊する恐れもあります。
シミの放置は、カビやシロアリ被害などに波及し、最終的には家全体にまで広がるため、資産価値は当然落ちてしまいます。
ほぼ新築同然の家でも、シミがあったりシロアリ被害が出ていたりすると、資産価値は一気に下落することは覚えておきましょう。
資産としての家を守るためにも、天井のシミには素早く対処しなければなりません。
賃貸物件でも天井のシミの放置は厳禁
賃貸物件で天井にシミができた場合でも、絶対に放置してはいけません。
「自分の持ち物ではないし」とシミを放置した場合、トラブルに発展する可能性があります。
賃貸物件を契約すると、「原状回復」の義務が発生します。
「原状回復」とは、「退去するときに、借りていた部屋を入居時と同じ状態にする」ということです。
そのため、天井のシミの原因が自分にあった場合、退去までに修理をしなければいけません。
ただし、天井のシミやシミの原因を、勝手に修理することも厳禁です。
部屋に異常があった場合は、まずは大家さんや管理会社に相談しましょう。
勝手に部屋の修理などを行うと、修理費用を負担してもらえなかったり、更なるトラブルになったりするかもしれません。
賃貸物件でのトラブルに関しては、「賃貸で雨漏りしたらどうする?修理費用の負担と正しい対処法を解説」でも詳しく紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
天井のシミの修繕業者を選ぶポイント

DIYでの補修は難しいため、シミを修繕したいときは業者に依頼する必要があります。
修繕業者が対応してくれるサービスや費用もさまざまあり、全ての業者が信頼できるとは限りません。
適切な修繕業者を選ぶためには、次の6つのポイントを意識しましょう。
- 地域で雨漏り修理の実績を積んでいる
- 技術力が高い
- 適切な調査方法行っている
- 話をしっかり聞いて丁寧に対応する
- 大規模な修理を強引に勧めてこない
- 必要に応じて火災保険の風災補償について説明してくれる
天井のシミが雨漏りによるものなら、その地域で活躍していて、かつ実績のある雨漏り修理業者を選びましょう。
技術力の高さは、口コミやネット上に公開されている修繕事例で確認できます。
さらに、実績や評価以外では、接客態度のチェックも必要です。
強引に高い修繕プランを提案したり、こちらの質問や要望を聞いてくれなかったりする業者は、悪徳な可能性があるため避けたほうがよいでしょう。
また、シミの修繕で屋根を直すことになるなら、場合によっては火災保険が適用できます。
その場合は、保険について説明してくれるかどうかも、業者の良しあしを見極めるポイントです。
より詳しい選び方については、下記を参考にしてみてください。
屋根修理業者はどう選べばいい?優良業者を見分けてお得に屋根修理する方法
まとめ
この記事では、天井にできてしまったシミについて、原因や対処方法、放置するリスクなどを解説しました。
天井にできたシミは素早く修繕することが大切で、そのためにはまず根本的な原因を特定しておく必要があります。
原因の特定から修繕までは、DIYで行うよりも専門の業者に依頼することをおすすめします。
信頼できる業者を見つけて、天井のシミの原因を詳細まで調査してもらい、正しい方法で修繕して家をきれいな状態に保ちましょう。