雨漏り修理を自分で行うには?すぐできる応急処置方法を解説

自宅の天井から雨漏りが発生してしまい、修理を考えていませんか?
業者に修理を依頼すると高額な費用がかかるため、できるだけ自分で雨漏りを直したいと考える人は少なくありません。
DIYでも修理は可能ですが、あくまで応急処置であり、そこで留めてしまうと被害が広がる危険性があります。
そのため応急処置として自分で何ができるのか、その後はどのような対応を行うべきなのかを知り、自宅の雨漏りを適切に対処しましょう。
自分でできる雨漏りの応急処置方法

雨漏りを放置すると、カビの発生や建物の腐食につながるため、迅速に対処しなければなりません。
自分でできる応急処置は次の表の通りです。
室内でできることと、直接、屋根に行う応急処置があります。
場所 | 応急処置・補修方法 | 準備するもの |
---|---|---|
室内 | バケツを設置する |
バケツ 新聞紙 雑巾 レジャーシート |
タオルで水を吸い取る |
タオル 雑巾 ゴミ袋 |
|
屋根 | ブルーシートを被せる |
ブルーシート テープ 砂利入りの土嚢袋 |
吸水シートを設置する | 吸水シート | |
コーキングで補修する |
コーキング材 コーキングガン マスキングテープ ヘラ |
応急処置の際にはいくつか道具が必要ですが、自宅にあるもので揃うことが多く、他のもので代用できる場合もあります。
天井からの雨漏りに対する室内での応急処置は、次の2つが挙げられます。
- バケツを設置する
- タオルで水を吸い取る
どちらも簡単にできる方法ですが、被害の拡大を防ぐ有効な手段のため、雨漏りの程度に関係なく実施しましょう。
バケツとタオルで雨漏りに対処する
室内の雨漏り対策の基本は、家の中を濡らさないことです。
そのため、まずは水滴が落ちてくる場所にバケツを設置して、床に水が落ちないようにしましょう。
床を濡らしてしまうと、そこからさらに床下にまで浸水して、腐食やカビを発生させてしまう可能性があります。
また床の材質によっては水に濡れると劣化することもあるため、水滴がはねないように工夫することが大切です。
雨が長く続く場合は、水が溢れないようにバケツを小まめに替えましょう。
バケツに落ちた水滴が跳ねることも多いため、バケツの中に紙やタオルを入れたり、下に新聞紙やレジャーシートを敷いたりするのもよいでしょう。
室内の雨漏りでは、天井からだけでなく、外壁を伝って窓やサッシから水が入ってくることもあります。このような窓やサッシからの雨漏りは、雑巾やタオルを敷いて水が広がらないように吸収させましょう。
ある程度濡れてくると吸水性がなくなるため、水を絞ってもう一度敷くか、小まめに乾いているものと取り替えます。
雑巾やタオルを敷く際には、先にゴミ袋やレジャーシートを敷き、その上に雑巾などを置くことがおすすめです。
下に1枚カバーを敷いておくことで、雑巾が水を吸っても床が濡れづらくなります。
またカーテンのある窓なら、濡れないようにカーテン自体を外しておくとよいでしょう。
屋根にブルーシートを被せる
屋根から雨漏りしている場合は、雨漏り箇所にブルーシートを被せて、入ってくる水の量を減らすという方法が有効です。
強い雨だと、ブルーシートの隙間から入り込んでくる可能性もありますが、何もしないよりは水の量は格段にカットできるため、被害は軽減できます。
やり方は簡単で、雨漏りの該当箇所にブルーシートを張り、テープや重りで固定するだけです。
雨天時の強風で飛ばなければ何でも構わないため、重りとなるものがあればそれで代用しましょう。
ただし重りを持って屋根に上がることは大変ですし、あまりに重たいものを置くと屋根が抜けてしまう可能性もあります。
重たすぎると危険性が上がるため、ブルーシートの四方を押さえて風で飛ばない程度の、適度な重量のものを選びましょう。
吸水シートを天井裏に設置する
ホームセンターなどで売っている吸水シートは、雨漏りをしている箇所に置いておくだけで水を吸い取るため、被害を軽減できます。
設置場所としておすすめなのは天井裏で、雨漏りが発生している箇所に置くことで、天井から水が落ちてくるのを防ぐことができます。
場所が分からない場合は、雨染みを参考にして位置を特定するとよいでしょう。
吸水シートは床に置いて、落ちてくる水を吸い取るという方法もありますが、天井裏に設置したほうが、天井に雨染みがつかなくなるためおすすめです。
コーキング材で補修する
コーキング剤やコーキングガンは、ホームセンターなどで購入して使います。
コーキング剤はゴムパッキンのようなもので、雨漏りがしている箇所に埋め込んで水の侵入を防ぎます。
コーキング剤を継ぎ足す修理方法は「打ち増し」と呼ばれ、実際にプロの業者も行っているやり方です。
上手に行えば水の侵入は防げますが、しばらくすると他の場所のコーキングが剥がれて、再度打ち増しをし直さなければなりません。
コーキングは時間の経過によって劣化するため、一部が剥がれているということは、他の部分もすぐに剥がれる可能性が高いということです。
全てを新品にする「打ち替え」なら長く持ちますが、「打ち増し」の場合はいたちごっこになりやすいことは覚えておきましょう。
コーキング修理の際には、周囲をマスキングテープで覆い、コーキング剤が飛ばないようにして、あとは該当箇所にコーキング剤を埋め込むだけです。
コーキングが中途半端に残っている場合は、邪魔な部分は剥がしたほうがよいため、ヘラできれいにしてからコーキング剤を埋め込みます。
自分で雨漏りを修理する時の4つの注意点

雨漏りの修理は難易度が高くてリスクもあるため、注意すべきことは多いです。
特に気をつけなければならないポイントは次の4つです。
- 屋根に上る場合は二人で作業を行う
- 屋根材に釘を打ってはいけない
- 瓦の山を踏んではいけない
- 修理をしても完全に雨漏りを止められない可能性がある
問題なく安全に修理するためにも、注意点は正しく理解しておきましょう。
屋根に上る場合は二人で作業を行う
屋根や高所に上って作業する場合は、必ず二人で行いましょう。
一人で作業をしてしまうと、落下しそうになったときや、落下してケガをした際に素早く対処することができません。
どれだけ気をつけていても、屋根で滑ってケガをすることは多いため、人員を揃えて細心の注意を払って行う必要があります。
また屋根や高所での作業は危険が伴うため、少しでも難しいと感じるなら、無理にやるべきではありません。
危険な場所での作業は、業者に任せたほうが安全で確実です。
屋根材に釘を打ってはいけない
屋根の補修では、ずれた屋根材を固定して直すという方法があります。
このときに固定する方法として、釘打ちは選択してはいけません。
釘だと屋根材は固定できますが、釘を打った穴から水が入り、さらに雨漏りを引き起こしてしまうことも少なくないためです。
補修するならコーキング剤を使って埋めるか、接着剤を使って屋根材を固定するようにしましょう。
住宅建築では釘が使われていることもあり、釘による補修のイメージも強いかもしれませんが、雨漏りの修理においてはNGです。
瓦の山を踏んではいけない
屋根材が瓦の場合は、瓦の山(頂上部)を踏まないように注意しなければなりません。
瓦は波打った形状をしており、波型の頂上を踏んでしまうと簡単に割れます。
瓦が割れるとその箇所から雨漏りが発生し、余計な被害を広げてしまうこともなります。
山を踏まないように注意しながら歩くことに加え、できるだけ体重をかけないように注意する必要もあります。
また瓦以外の屋根材でも重さに弱いものがあり、体重をかけすぎるとへこんでしまうものもあります。
そのため、屋根の上を歩く際には慎重に歩き、修理以外でも気を遣うことが多いようです。
屋根に上がって、屋根材を破損させてしまう危険性が多いことからも、自分で修理するより業者に頼んだほうが無難な箇所といえます。
修理をしても完全に雨漏りを止められない可能性がある
自分で行う修理はあくまで応急処置で、これを行ったからといって雨漏りが完全に止められるわけではありません。
一時的に止まっても、またすぐに再発することが多く、次第に応急処置では止められなくなる可能性が高くなります。
そもそも雨漏りの修理は非常に難しく、プロでも一発で直せるとは限らず、素人作業で完全に直すことはほぼ不可能です。
応急処置は被害の拡大を防ぐその場しのぎの対応なので、根本的な解決を目指すためには、業者に依頼して直してもらうようにしましょう。
雨漏り修理を業者に依頼すべきケース

雨漏りの修理は業者に依頼し、業者が来るまでの繋ぎとして自分で応急処置を行うことが大前提となります。
緊急時に被害を最小限にとどめるために、自分で行える応急処置と業者に修理を依頼することの判断基準を知っておきましょう。
雨水の侵入箇所が屋根の場合
屋根から雨水が侵入している場合は、修理するためには屋根に上らなければなりません。
屋根に上ることは危険度が高いため、天井から雨漏りをしている時点で業者に依頼するのが無難です。
しかし気をつけて作業をすれば応急処置は可能です。
屋根に上ってみて屋根材がずれている程度なら、ずれを元に戻すだけで雨漏りが改善されることも少なくありません。
また屋根材がひび割れていたり浮いていたりする場合も、コーキング剤で間を埋めて修理できます。
修理できないのは屋根材が完全に破損している場合で、崩れていたり漆喰が壊れていたりする場合は、最初から業者に依頼しましょう。
修理する範囲が広い場合
雨漏りが広範囲で発生している場合は、自分で直すには時間と手間がかかるため、業者に依頼した方がよいでしょう。
応急処置で対応可能なのはあくまで限定的な範囲で、広範囲だと修理してもまた別のところから雨漏りが起きて、いつまでも追いつかないことも少なくありません。
また広範囲だと1日では直しきれないことも多く、直している途中に雨が降って、最初からやり直しになることもあります。
コーキング剤の打ち増しで対処できる程度で、かつ1~2箇所程度なら応急処置も可能ですが、修理する箇所が多い場合は、プロに依頼したほうがよいでしょう。
プロの修理でも範囲が広すぎると時間がかかることも多いため、できるだけ早く連絡することが大切です。
家の内部に雨漏りの原因がある場合
家の内部の雨漏りは、根本的な原因がどこにあるかで対処可能かどうかが異なります。
窓やサッシのように表面的な部分なら、コーキング剤を使って補修は可能ですが、内部の入り組んだ部分から雨漏りをしている場合は、素人による修理は難しくなります。
特に天井裏のように狭い場所や入り組んだ場所に原因がある場合は、そこに入るだけでも困難でしょう。
侵入が難しい場所で、細かな作業をすることはさらに難易度が高いため、雨漏りの原因が表面的に見えていない場合は、業者に依頼しましょう。
まとめ
今回は、雨漏りの修理を自分で行う方法について解説しました。
雨漏りの修理は自分で行うことも可能ですが、できるのはあくまで応急処置に過ぎません。
ただし緊急時ですぐに業者を呼べない場合は、被害を最小限にとどめておくために自ら応急処置を行っておくことも有効です。
そのために事前に処置を行う方法を知っておくことをおすすめします。
万が一被害にあってしまったときは、安全に配慮しながら応急処置をして早めに業者を呼び、破損した部分を完全に直してもらいましょう。