コウモリの鳴き声がうるさいときの対処法|ネズミの鳴き声とどう違う?

夜中に「キーキー」という高い音で、何かの鳴き声がしたら…。
鳴き声が聞こえてくる場所が、天井や壁の中からなら、「コウモリの鳴き声がする!」と思ってしまいますよね。
しかし実は、コウモリの鳴き声は人間にはほとんど聞こえないのです。
だからといって、聞こえてくる鳴き声が「絶対にコウモリではない」ということもありません。
では、夜中に聞こえてくる鳴き声はいったい何なのでしょうか?
ここでは、コウモリの鳴き声について詳しく紹介するとともに、コウモリの鳴き声にそっくりな鳴き声を持つ動物についても紹介します。
さらに、住み着いたコウモリを追い出す方法についても解説しているので、ぜひ参考にしてください。

コウモリの鳴き声は聞こえる?

コウモリの鳴き声が聞こえることは、実はほとんどありません。
ほとんどのコウモリは「超音波」という人間には聞こえない音域で鳴くからです。
超音波とは、人間が聞き取ることができる音域(可聴域)より高い音域のことです。
人間の可聴域は20Hz(ヘルツ)から20kHzと言われていますが、コウモリの鳴き声は30kHz(キロヘルツ)から50kHzと言われています。
そのため、人間の耳にはコウモリの鳴き声はほとんど聞こえないのです。

コウモリは超音波を発し、跳ね返ってきた音で障害物や餌の場所などを確認することで、視界の悪い夜間でも飛ぶことができます。
また、超音波は仲間とのコミュニケーションにも役立てているといわれています。
超音波を使って周囲の状況を確認する能力のことは、「エコロケーション」と呼ばれます。
コウモリ以外には、イルカやクジラなどの動物や、漁船などで利用される魚群探知機などが、エコロケーションを利用しています。
コウモリの鳴き声が聞こえないのであれば、屋根裏や天井裏から聞こえてくる「キーキー」という鳴き声は何なのでしょうか? 次の章で詳しく解説していきます。
夜にキーキーとうるさい鳴き声が聞こえるのはなぜ?
屋根裏から「キーキー」「キッキッ」と高い音ので動物の鳴き声が聞こえてくる場合、「コウモリ」と「ネズミ」の2種類の害獣が住みついている可能性があります。
屋根裏から動物の鳴き声が聞こえる理由
- 鳴き声が聞こえるコウモリが住みついているから
- コウモリではなくネズミの鳴き声が聞こえているから
上の章で「コウモリの鳴き声はほとんど聞こえない」と紹介しましたが、まれに聞こえることがあります。
また、民家の屋根裏にはコウモリだけでなくネズミが住み着くことも多いです。
ここからは、それぞれの理由について詳しく紹介していきます。
鳴き声が聞こえるコウモリが住みついている
「オヒキコウモリ」という種類のコウモリは、人間にも聞こえる音域で鳴くことがあります。
ただし、オヒキコウモリは珍しい種類で、洞窟や岩場などにしか住み着かないため、民家にオヒキコウモリが住み着くのは非常にまれです。
通常、民家に住みつくのは「アブラコウモリ(別名イエコウモリ)」というコウモリです。
アブラコウモリの鳴き声は基本的に超音波ですが、身の危険が迫った時には、人間にも聞こえる音域で鳴きます。
鳴き声は、「キーキー」「カチカチ」「ジャージャー」など、機械音や金属音のような音です。
実際の鳴き声は、下記の動画で聞くことができます。
普段のコウモリの鳴き声を聞くためには、「バットディクター」という機械を使います。
バットディクターを使うと、超音波を可聴音に変換して聞くことができます。
コウモリではなくネズミの鳴き声が聞こえている
「天井からコウモリの鳴き声がする」と感じるときは、屋根裏にコウモリではなくネズミが住み着いている可能性があります。
ネズミの鳴き声は「キーキー」「ピーピー」「チッチッ」など高い音で、コウモリが身の危険を感じたときに出す鳴き声と似ています。
さらに、ネズミもコウモリと同様に、夜行性のため、鳴き声がするのは昼間より夜間のことの方が多いです。
つまり、鳴き声だけではネズミとコウモリを判別するのは難しいのです。
屋根裏に潜んでいるのがネズミなのかどうか見分けるには、鳴き声以外に聞こえてくる音や、フンが落ちている場所を確認しましょう。
判別するポイント | コウモリ | ネズミ |
---|---|---|
鳴き声以外に聞こえる音 | 「バサバサ」など羽音がする | 「トタトタ」「バタバタ」など足音がする |
フンが落ちている場所 | 軒下やベランダなど屋外に落ちている | 部屋の隅や家具の影など室内に落ちている |
コウモリやネズミのフンの特徴については、「コウモリのふん害対策!特徴・見分け方・対処方法まで徹底解説」で詳しく紹介していますで、参考にしてください。
さらに、屋根裏から強い異臭がする場合や、「ドタドタ」など重い音がする場合、イタチやハクビシンといった害獣が潜んでいる可能性もあります。
屋根裏のうるさい鳴き声の対処法

屋根裏に住みついている害獣への対処法は、コウモリかネズミか、どちらかわからない場合かで、3種類あります。
コウモリは「鳥獣保護管理法」で守られているため、許可なく傷つけたり捕まえたりすることができないからです。
また、宙を飛ぶコウモリと、床や柱を伝って歩くネズミとでは、効果が出やすい対処法は異なります。
屋根裏の害獣の対処法 | 対処法 |
---|---|
コウモリ | 殺さずに追い出す |
ネズミ | ネズミ捕りで捕獲、または殺鼠剤で駆除する |
わからない | 害獣駆除業者に相談する |
ここからは、それぞれの対処法について詳しく紹介していきます。
コウモリの対処法
- コウモリを棲み処から追い出す
- コウモリの棲み処を掃除する
- コウモリが侵入しているとみられる場所をふさぐ
コウモリを追い出すときは、市販の燻煙剤や忌避剤を使います。
一度で追い出しきれなかった場合は、効果が持続するタイプの忌避剤を使って、数日かけて追い出します。
コウモリの追い出しに成功したら、屋根裏にあるフンを掃除して、雑菌対策として消毒も行いましょう
消毒まで終えたら、エアコンのダクトや壁・屋根の破損部分など、侵入口となっている隙間を塞ぎます。
小さい隙間ならコーキング剤などで、大きい隙間は金網やパンチングメタルを使いましょう。
詳しい駆除方法は「コウモリ駆除を自分でする方法は?効果的な対策から業者の選び方まで解説」で紹介していますので、参考にしてください。
ネズミの対処法
ネズミも、コウモリと同様に、ダニやノミなどの害虫や有害な菌がたくさんついているため、素手で触らないように対処します。
ネズミの場合、追い出すだけでは対処できないことが多いので、駆除してしまうのがおすすめです。
ネズミの駆除方法
- 粘着シート・ネズミ捕獲器を設置して捕まえる
- 殺鼠剤・毒餌で退治する
- 再発防止のため侵入経路を塞ぐ
大きなネズミの場合、粘着シートや捕獲器では捕まえきれないこともあります。
なかなか捕まらないと感じたら、殺鼠剤を設置して3~4週間かけて食べさせることで、ネズミを駆除してしまいましょう。
ネズミがいなくなったら、壁・屋根の隙間など侵入口になっている箇所を塞ぎます。
詳しいネズミの駆除方法については、「ネズミを自分で駆除する方法|簡単撃退グッズと効果・使い方も紹介」で紹介していますので、参考にしてください。
どちらかわからない場合の対処法
屋根裏にいる動物がネズミかコウモリかわからない場合や、どちらでもない害獣の可能性が高い場合は、無理に自分で対処せず、駆除業者に相談するのがおすすめです。
多くの野生動物は「鳥獣保護法」に守られているうえ、慣れていない人が無理に駆除をすると、ケガをしたり雑菌に触れたりといったリスクもあります。
安全に、確実に害獣を追い出すためには、プロに依頼するのが一番です。
害獣駆除の専門業者は全国にあるため、お住まいの近くの業者を探しましょう。
業者探しが面倒だと感じる人は、ファインドプロがおすすめです。
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相談・見積もりは無料なので、ぜひ一度ご連絡ください。
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コウモリの鳴き声は放置すると危険
コウモリの鳴き声が「うるさい」と感じるときは、絶対に放置してはいけません。
コウモリが家に住み着くと、雑菌や害虫によって、健康被害が出るおそれがあるからです。
また、音を出していたのがコウモリ以外の動物だった場合でも、放置は厳禁です。
コウモリの鳴き声と混同されやすいのはネズミですが、ネズミも害獣として有名な動物です。
住み着いたネズミを放置しておくと、様々な病原菌や害虫が住み着く原因になります。
屋根裏や天井から生き物の鳴き声や気配がする場合は、すぐに対処を行いましょう。
住み着いた動物を追い払うだけなら自分でできることもあるので、安全な範囲で試してみるのはおすすめです。
しかし、再発を予防したり、追い出すには危険な場所に住み着かれてしまったりした場合は、無理せず専門業者に依頼しましょう。
まとめ
コウモリの鳴き声は、基本的に聞こえません。
コウモリは「超音波」という高周波の音で鳴くため、人間には聞き取れないからです。
コウモリの鳴き声が聞き取れるのは、コウモリが威嚇するときか、低周波で鳴く種類のコウモリがいるときです。
コウモリは、身に危険が迫った時には、人間にも聞き取れる周波数で、甲高い「キーキー」「チッチッ」といった電子音のような声で鳴くことがあります。
また、「オナガコウモリ」という種類のコウモリは、人間にも聞き取れる周波数で鳴くことが多いです。
オナガコウモリは、洞窟や森など民家から遠い場所に生息しているため、屋根裏に住み着くことはまれです。
屋根裏から「キーキー」という甲高い音が聞こえるときは、コウモリではなくネズミである可能性も高いです。
ネズミの場合、「トタトタ」「バタバタ」と足音がすることがあるため、すぐに判別できます。
コウモリは「バサバサ」と羽音がすることが多いです。
屋根裏から聞こえる鳴き声がうるさいときは、追い出したり駆除したりして対処しましょう。
コウモリがいる場合には殺さずに追い出し、ネズミがいるときには殺してしまうのが有効です。
どちらがいるのかわからない場合は、駆除業者に依頼して駆除してもらいましょう。