屋根裏にいるコウモリを退治・駆除する方法|天井裏の音を聞き分けて正しい対策をするには

屋根裏から聞こえる羽音や鳴き声のような騒音の正体はコウモリかもしれません。
特にバサバサといった羽音やキイキイといった高い鳴き声が聞こえていたり、軒下やベランダにフンが落ちていたりするとコウモリの可能性は高くなります。
コウモリが住み着いているとわかったら、今すぐに退治したいですよね。
しかし、その正体が本当にコウモリかどうかを確かめないと的確な対策ができません。
コウモリは繁殖力が強いため、放っておくとますます被害は大きくなるばかりです。
この記事では、鳴き声や糞による害獣の見分け方と屋根裏のコウモリを追い出す方法についてまとめています。
屋根裏からの騒音やコウモリの被害で悩んでいる方は、参考にしてください。

コウモリが屋根裏にいる場合に撃退・駆除する方法

鳥獣保護法で守られているコウモリは、害虫やネズミのように捕獲や毒殺で駆除できません。
屋根裏にいるコウモリを撃退・駆除するには、傷つけないように追い出す必要があります。
ご自身で行うには具体的には以下の4つの流れで退治します。
- スプレーや煙で家から追い出す
- 追い出した後は糞の掃除をする
- コウモリの侵入口になる場所をふさぐ
- 設置タイプの忌避剤を置く
それぞれ説明していきます。
1.スプレーや煙で家から追い出す
自分で手軽に追い出す方法は、スプレーや煙タイプの忌避剤を使用することです。
コウモリが嫌いなハッカ油の匂いには、屋根裏から追い出す効果があります。
スプレーや煙タイプの忌避剤に殺傷能力はなく匂いで追い出すだけなので、効果は数時間程度ですが使いやすさと即効性は抜群です。

ハッカ油の匂いで追い出すスプレータイプの忌避剤です。屋根裏に噴射することで、コウモリを追い出せます。匂いが強いため大量使用は避け、使用時はマスクを着用してください。

ネズミ用の忌避剤ですが、コウモリもネズミと同じようにハッカ油の匂いを嫌うため同じような効果が期待できます。使用後は十分に換気をしてください。
2.追い出した後は屋根裏のフンの掃除もする
コウモリを追い出した後は、必ず屋根裏に残っているフンの掃除をしてください。
フンが残っていると、自分たちの巣だと思ったままのコウモリが巣に帰ろうと戻ってくるからです。
また、コウモリのフンは崩れやすく多くの病原菌が含まれています。
放置しておくと、空気中に舞った病原菌を住民やペットが吸い込んでしまうかもしれないので、衛生面から見ても掃除は必要です。
コウモリのフンを掃除するときは、次の8つを用意しましょう。
- ゴム手袋
- マスク
- ゴーグル
- ほうき
- ちりとり
- ビニール袋
- 雑巾
- 消毒剤
掃除前に手袋とマスク、ゴーグルを装着し、コウモリのフンを集めたらビニール袋にまとめます。
コウモリのフンがあった場所は、消毒剤できれいに拭いたら完了です。
3.コウモリの侵入口になる場所をふさぐ
コウモリには帰巣本能があるため、忌避剤で追い出してもしばらくすると戻ってくる可能性があります。
そのため、屋根裏から追い払ったことを確認した後は、コウモリの侵入口になる場所を塞ぎましょう。
具体的には、以下のような場所にある隙間を塞ぎます。
- ドアや窓の隙間
- 換気扇の隙間
- エアコンの配管
- 屋根や壁の隙間
隙間の大きさ別に、侵入口の塞ぎ方とポイントを説明していきます。
細かい隙間を塞ぐ
屋根や壁などの細かい隙間を塞ぎたいときは、シーリング剤を使用します。
コーキングガンを使って、必要な量をゆっくりと注入してください。

外壁や内装、屋根に使える多用途のシーリング材です。
コーキングガンを使えば、初めての方でも簡単に作業できます。

コーキングガンは安価なものでも十分です。
シーリング材をセットしてプッシュするだけで簡単に隙間を埋められます。
広い隙間をきっちり塞ぐ
エアコンの配管に広めの隙間がある場合は、粘土質のパテを使用します。
パテを塞ぎたい箇所に埋めるだけなので、非常に簡単です。

配管穴埋め用のパテを使用してもいいですが、ネズミ対策用のパテならコウモリが嫌う唐辛子の辛み成分入なのでより効果的です。
空気は通しつつも侵入を防止する
換気扇や通気口など空気を通しつつも侵入口を塞ぎたい場合は、金網やパンチングメタルなどの細かい網目状のものを使用します。
ご自身で対策するときは、防鼠金網のような変形しやすいものを選ぶと便利です。


イカリ消毒の防鼠金網ソフトは自由に変形するので、広げて貼ったり丸めて埋め込んだりと状況に合わせて使用できます。必要なサイズに合わせて切断も可能です。
4.設置タイプの忌避剤を置く
屋根裏から追い出した後は、侵入口に設置タイプの忌避剤を置き、コウモリを寄せ付けない環境をつくりましょう。
コウモリを追い出し、侵入口を塞いでも巣に帰ろうとしてコウモリが家の周りに集まることがあるからです。
設置タイプの忌避剤はスプレーや煙タイプよりも効果が長く、2週間〜1ヶ月間も持続します。
コウモリがやってきやすい屋根裏や戸袋、通気口などに使用してください。

イカリ消毒のコウモリ嫌がる袋なら気になる場所に貼るだけで簡単に設置完了です。
天然ハッカ油のニオイ成分で、コウモリを寄せ付けません。
屋根裏の物音はコウモリとは限らない

屋根裏に糞が落ちていたり、音がしたりするからといって、必ずしもコウモリとは限りません。
ネズミやイタチ、ハクビシン、アライグマなども屋根裏に住み着く可能性のある生物です。
屋根裏に住み着く生物と糞の見た目の特徴を表にまとめました。
生物 | 糞の特徴 |
---|---|
コウモリ | 5〜10mmで黒っぽい色 |
ドブネズミ | 10〜20mmで太くて、狭い範囲に落ちている |
クマネズミ | 6〜10mmで細長くて、広範囲に落ちている |
ハツカネズミ | 4〜7mmの米粒大で、先端が尖っている |
イタチ | 細長くて水分が多く、臭いが強烈 |
アライグマ | 5〜18cmで骨や種子が含まれている |
ハクビシン | 5〜15cmで種子が多く混ざっている |
特にネズミとコウモリの糞は間違われることが多いですが、コウモリは昆虫を主食としているため糞が黒く、パサパサと乾燥しています。
一方で、ネズミは穀類や野菜なども食べるため茶色っぽく、コウモリの糞よりも固いのが特徴です。
もっともわかりやすい見分け方は、糞をアルコールに浸して分離させることです。
コウモリの糞には昆虫の胴体や足などが含まれているため、フンを分離させたときに昆虫の足などが見えた場合はコウモリの可能性が高くなります。
次に、屋根裏に住み着く生物の音の特徴を表にまとめました。
生物 | 鳴き声の特徴 |
---|---|
コウモリ |
キイキイと鳴く バサバサと羽を動かす音がする |
ネズミ |
キイキイ、キュッキュッと鳴く カサカサという足音がする カリカリとかじる音がする |
イタチ |
普段は鳴き声を出さない 威嚇や求愛のときにキーキーやクククと鳴く |
アライグマ | クルルル、キュッキュッと小刻みに鳴く |
ハクビシン |
カーッ、キッキッと鳴く ドタドタと走り回る大きな足音がする |
糞と同様にネズミとコウモリは鳴き声も似ているので、かじる音や羽の音で見分けるといいでしょう。
生物ごとに駆除や対策の方法が異なるので、糞や音の特徴を知って屋根裏に住み着いた生物を見分けるときの参考にしてください。
屋根裏にいるネズミの駆除方法|ネズミの足音や鳴き声がうるさいときの対処・対策を紹介
コウモリが屋根裏に住み着く3つの原因
コウモリは夜行性のため夕方になるとあちこちで飛び回っていますが、昼間は巣で生活します。
コウモリが屋根裏に住み着く原因は主に3つです。
- 屋根裏への侵入経路がある
- 暗くて暖かく住みやすい
- 餌となる虫が集まりやすい
それぞれ説明していきます。
原因1.屋根裏への侵入経路がある
たった1〜1.5cmの隙間があれば、コウモリは簡単に家に侵入してきます。
たとえば壊れた換気口や隙間のある屋根裏、壁の穴は、コウモリにとって絶好の侵入経路です。
特に古い家は老朽化によって隙間ができているため、住処になりやすい傾向があります。
原因2.暗くて暖かく住みやすい
コウモリは、暗くて温かい環境に生息する生物です。
最近の住宅には断熱材が使用されており、年間を通して一定の温度が保たれているためコウモリに適しています。
また、屋根裏は暗く閉ざされた空間で、コウモリが巣を作るのに絶好の環境なのです。
原因3.餌となる虫が集まりやすい
屋根裏にコウモリの餌となる虫が生息していると、巣を作られる可能性が高くなります。
餌になるのは蚊やユスリカ、蛾、ヨコバイなどです。
また、屋根裏に虫はいなくても近くに虫がたくさん集まっている街灯や川、公園などがある場合にも、コウモリは好んで巣を作ります。
コウモリが屋根裏に住み着いたときに起こる被害
コウモリが屋根裏に住み着くと住民やペット、住宅など被害はどんどん大きくなっていきます。
具体的なコウモリの被害は以下の4つです。
- 糞による悪臭と感染症のおそれ
- 羽音や鳴き声による騒音
- ダニが大量発生する
- 建物が老朽化する
どのような被害があるのか見ていきましょう。
糞による悪臭と感染症のおそれ
コウモリの糞をそのままにしておくと悪臭を放つだけでなく、感染症になる恐れがあります。
ヒストプラズマ真菌症の原因菌がコウモリの糞には多く見られ、海外では感染した例が報告されています。
国内では今のところ感染症の報告はありませんが、実は野生のコウモリの病気そのものの実態はあまり明らかにされていません。
感染症を予防するためにも、コウモリを追い出したり糞の掃除をしたりする際は、マスクやゴーグルなどを使って防御措置を十分にすることが大切です。
コウモリのふんについて詳しく知りたい場合は下記の記事を参考にしてください。
コウモリのふん害対策!特徴・見分け方・対処方法まで徹底解説
羽音や鳴き声による騒音
コウモリは夜行性のため、日没から深夜にかけて羽音や鳴き声の騒音被害があります。
鳴き声は超音波と呼ばれる人には聞こえない音ですが、危険を感じたときは人にも聞こえる音を発します。
羽音や鳴き声が気になると最悪の場合不眠症やノイローゼを引き起こすなど、住民への精神的な被害は深刻な問題です。
ダニが大量発生する
コウモリに寄生しているダニやマダニが屋根裏から室内に侵入して、首や手足などの露出している部分を刺す可能性があります。
ダニが原因でアレルギーを引き起こす危険もあるため、気をつけなければいけません。
特にお年寄りや小さな子供、ペットがいるご家庭は注意が必要です。
建物が老朽化する
コウモリの糞尿によって屋根裏が腐ったり、天井にシミができたりして、建物にも深刻な被害を与えます。
さらにコウモリが他の害虫を呼び寄せて、建物の老朽化に拍車をかけることもあるのです。
コウモリの被害は放っておくと、どんどん悪化して深刻化していきます。
少しでも被害に気付いたらすぐに処置しましょう。
コウモリの被害について詳しく知りたい場合は、下記の記事を参考にしてください。
コウモリによる4つの被害!特徴と正しい対策・対処法を紹介します
コウモリに困ったら駆除業者に相談するのもおすすめ
コウモリは市販品を使って追い払う対策はできますが、戻ってくる可能性が高い生物です。
また、コウモリは鳥獣保護法で守られているため、許可なく捕獲・殺傷してはいけません。
万が一、許可なくコウモリを捕獲・殺傷してしまった場合は、1年以下の懲役または100万円以下の罰金が課せられます。
そのため、駆除が不安な場合はコウモリ駆除の専門業者に相談してみるといいでしょう。
コウモリ駆除に関する専門的な知識を持っているため、確実な方法で家から退治してもらえます。
- お住まいの地域のお得な業者を紹介
- 紹介するのは選りすぐりの優良企業
- 無料でコウモリ駆除の相談ができる
まとめ
コウモリが屋根裏に住み着いた場合にできる撃退・駆除する方法は、次の3つです。
- スプレーや煙で家から追い出す
- 侵入口になる場所を塞ぐ
- 設置タイプの忌避剤で寄せ付けない
コウモリを追い出すには忌避剤が効果的です。
糞にはダニやマダニ、感染症の病原菌が潜む可能性があります。
そのため、自分でコウモリを駆除した後は、糞の掃除や屋根裏の消毒も忘れずに行いましょう。
少しでも自分で駆除することに不安がある方は、コウモリ駆除の専門業者に相談するのも一つの方法です。
コウモリの生態について詳しく知りたい場合は、こちらの記事をご参照ください。
コウモリの生態と種類を知る!特徴を知って正しい対策を立てよう