臭い流し台の掃除方法と頻度は?必要なものと手順を紹介

毎日使う流し台は、知らないうちによごれが蓄積してしまう場所です。
シンクなど目に見える箇所の汚れだけでなく、日ごろ目にしない排水管のよごれをそのままにしていると、「健康問題」「悪臭問題」に発展することも。
そこで今回は、流し台や排水管をきれいに掃除する方法と、いつもきれいな状態を保つ方法をご紹介します。
参考にして、「流し台掃除法」をぜひ実践してください。

流し台の汚れの原因

シンクや調理台の白っぽい汚れ、黒っぽい汚れは何なのでしょう。
流し台の汚れは、なぜあんなにも落としにくいのでしょうか。
まず、流し台の汚れの原因を知ることからはじめましょう。
- 水垢
- 油汚れ
- カビ
流し台の汚れは、「複合的なもの」です。
それぞれの特徴をご説明します。
水垢
流し台に白っぽい点が現れることがあります。
それを長い間放っておくと、まるで「白いベール」のように流し台を覆ってしまうでしょう。
その原因は「水垢」です。
水垢は、水道水を使用している以上、避けて通れないもの。
水道水には、カルシウムなどのミネラル分が含まれており、それが結晶化したものが水垢の原因です。
また、食器洗剤と水道水のミネラル分が混ざり合えば、より強固な、ガサガサとした石鹸かす汚れとなります。
油汚れ
調理に使用した油は、食器洗いや調理器具洗いの際に流し台に残ってしまうことがあります。
目には見えにくいのですが、シンクをコートするように広がっていくのです。
手で触ると、ベタベタしたり、ひどいときはヌルっとしたりすることがあります。
日頃は気づかないのですが、流し台が水を過剰にはじくようなら、油よごれが回っている証拠です。
カビ
流し台の隅っこ、三角コーナーを置く位置に現れやすいのが「カビ」です。
汚れをそのままにしておくと、隅でなくてもカビは広がってしまいます。
カビというと「真っ黒な点」のイメージがありますね。
流し台のカビの場合、濃い茶色に見えることもあり、錆びと勘違いしてしまいそうになります。
流し台はステンレス製のものがほとんどですので、基本的に錆びることはありません。
他の金属(缶詰のカンやヘアピン)が触れ、「もらいサビ」で茶色になることはあります。
この点から考え、カビともらいサビを見分けてください。
流し台を掃除する際には排水管を確認
「流し台をきれいにしよう!」と決めたら、どうぞ排水管にも目を向けてください。
排水管は流し台から流れ込む汚水がとどまりやすいので、詰まったり、ひどいときは漏水を起こしたりすることもあるからです。
これでは、キッチン周辺の衛生状態にも影響を及ぼしてしまいます。
- 排水管の仕組み
- 排水管が詰まると漏水を起こすことも
- 排水管の詰まりはキッチンの臭いに発展
この3点から、排水管が汚れやすい原因や、排水管によって引き起こされるトラブルをみていきましょう。
排水管の仕組み
流し台のゴミかごの下には、水が常に溜まっている部分がありますね。
これは、「トラップ」と呼ばれ、下水管から上がってくる臭いやネズミなどの害獣が入ってこないための役割を持つもの。
排水管や、排水管に水が流れ込む直前の箇所(トラップ)は、具体的に次のようなパーツで成り立っています。
- ゴミが入らないようにするふた(菊割れゴム/菊割れふた)
- ゴミかご
- 防臭キャップ(お椀型)
- 排水トラップ
- 排水管(排水ホース=ストレートタイプと、S字タイプ、L字タイプがある)
- 流し台下部の収納部分からキッチン外部に、排水管が汚水を送る
参考:排水トラップとは何?
菊割れゴムやゴミかごでまずゴミをキャッチしますが、網目をすり抜けた水は排水トラップに流れ込みます。
流し台掃除をしようとしてゴミかごを引き上げたときに見えるのが、防臭キャップと排水トラップ、そしてそこに溜まった水です。
この箇所までは、あなたも掃除をしたことがあるでしょう。
ですが、ここから先にある排水管にまで常に目を止めていらっしゃる方は少ないかもしれません。
排水管が詰まると漏水を起こすことも
排水管の中でも、S字タイプやL字タイプは、詰まりやすい性質を持っています。
水がストレートに落ちていかない分、滞留しやすく、そこで汚れが蓄積してしまうからです。
油よごれに食べ物のくずなどが付着、層をなすように厚くなっていき、最終的に詰まっていきます。
排水管が詰まった箇所より先に、水が流れなくなってしまうと、漏水を起こすことがあります。
水はとても重いので、排水管が古い場合、破いてしまうことにもなりかねません。
トラップの取り付け部分が劣化していれば、そこから流し台下(シンク下)に汚れた水が流れ出てしまうでしょう。
排水管の詰まりはキッチンの臭いに発展
幸いに漏水にまで至らなかったときも、排水管の詰まりはキッチン独特の「もわっ」としたいやな臭いとなってしまいます。
先にご説明した通り、排水管の詰まりの原因は「油」や「食べ物のカス」などです。
排水管やトラップにまとわりついたよごれは、時間をかけて腐っていき、臭いを室内に発するのです。
流し台(シンク)の掃除方法

シンクの掃除は排水管やトラップを含め難しいと思われがちですが、意外に簡単なもの。
続けて、流し台の掃除をするにあたって、準備するものと掃除方法についてご紹介致します。
- 【専用洗剤編】シンクの掃除に必要な道具
- 【専用洗剤編】シンクの掃除方法
- 【重曹など安全なもの】シンクの掃除に必要な道具
- 【重曹など安全なもの】シンクの掃除方法
シンクの掃除方法は専用洗剤を使用する方法と、重曹など安全で環境に優しいとされるものの2つのパターンです。
それぞれのやり方について見ていきましょう。
【専用洗剤編】シンクの掃除に必要な道具
流し台や排水管の掃除には、それぞれ専用の洗剤が販売されています。
たとえば、次のような商品です。

汚れの種類に合わせて準備してください。
重要なのは、洗剤の選び方よりも「混ぜないこと」。
間違って「混ぜてはならないもの」を混ぜる、または混ぜる意図がなくても「誤って混ざった」とき、有害物質(ガス)を発してしまうことがあるからです。
安全に掃除をするために気をつけましょう。
また、洗剤の飛沫を吸い込まないようマスクを、手肌に触れさせないようゴム手袋を用意してください。
使い古しの歯ブラシや捨ててもよいスポンジ、キッチンペーパーや雑巾も必要です。
【専用洗剤編】シンクの掃除方法
清掃そのものの手順は、次の通りです。
- ゴム手袋をつける
- 新鮮な空気を取り入れ、洗剤の臭いを室外に追い出すよう、窓を開けて換気
- 中性洗剤とスポンジを使い、シンクや調理台の油汚れを落とし、濡れたタオルで拭き上げる
- 水垢に適した洗剤を、指示通り使用し、磨き上げる
- 水垢に適した洗剤を使い、歯ブラシなどで蛇口周りを磨き上げる
- 菊割れゴムとゴミかご、防臭キャップのパーツを取り外す
- 塩素系漂白剤を決められた濃度に希釈しバケツに入れ、その中にパーツを浸ける
- よごれが浮いてきたら、歯ブラシなどで細部をこする。その後、パーツを水洗い
- 排水トラップ内を、中性洗剤とスポンジで洗う
- 排水管の汚れは、粘り気のある専用洗剤を流し込んで掃除する
- すべてのパーツを元通りにしたら、再度濡れたタオルで拭き、最後にキッチンペーパーで水分を完全に拭きとる
まず、流し台回りのものをできるだけ移動させます。
特に食器の水切りかごを使用されているときは、別の場所に移してください。
洗剤が意図せず飛んでしまうと、後で洗剤が食器に触れてしまうことがあるからです。
できるだけ調理台に何もない状態にしてから掃除をはじめましょう。
汚れを洗剤でこすり落とし、水洗いをすることできれいになります。
【重曹など安全なもの】シンクの掃除に必要な道具
最近、安全で手軽、環境にも優しいとして人気の「重曹」や「クエン酸」でも、流し台やトラップの掃除ができます。
次のようなものが、シンクや排水回りの掃除に適しています。

手肌や環境に優しいとはいえ、やはり、吸い込んだり皮膚に触れたりさせないよう、ゴム手袋やマスクをしてください。
使い古しの歯ブラシや捨ててもよいスポンジ、キッチンペーパーや雑巾も準備しましょう。
【重曹など安全なもの】シンクの掃除方法
重曹など人にも安全なものを使った清掃手順は、次の通りです。
- ゴム手袋をつける
- 窓を開ける、換気扇を回すなどで、常にキッチンにきれいな空気が流れ込むようにする
- 効率よく掃除するため、先に油汚れを落とす。粉のままの重曹とスポンジでシンクと調理台を磨き、水で流す
- シンクや調理台、蛇口にキッチンペーパーを貼り、「クエン酸水(水200ml+クエン酸小さじ1杯)」をふきつけておく
- キッチンペーパーが乾かない程度に時間が経過したら、キッチンペーパーを取り除きスポンジでこすって水垢をとる
- 石鹸カスを含んだ水垢を取るには、適度に水分が残ったシンクや調理台に重曹をまぶして1時間ほど置き、その後スポンジを使って水で流す
- 排水溝のパーツは外さない。重曹とクエン酸を直接ふりかけ、ぬるま湯を流し込む。泡がよごれを分解してくれる
- 30分ほど置いたら、お湯で流す。残った汚れが気になるときは、歯ブラシで磨く
- 再度水垢が発生しないよう、清掃の最後に乾いたタオルやキッチンペーパーで水分を完全にぬぐう
掃除を始める前に、こちらも流し台回りのものをできるだけ移動させておきましょう。
せっかく掃除するのですから、作業がスムーズに進むようモノをできるだけ少なくするためです。
キッチン以外にもお風呂掃除など、水垢を落とすためによく使用される重曹とクエン酸の組み合わせです。
この2つに水を加えることで、汚れを分解してくれるので、時間をおいて歯ブラシで磨きましょう。
流し台の掃除の頻度はどのくらい?
流し台(シンクや排水溝/排水管)の清掃は、週に1度くらいは行いましょう。
流し台の使用頻度にもよりますが、自炊する方は毎日使う場所ですので、よごれの蓄積が多いはず。
専用洗剤を使うにしても、重曹やクエン酸を使うにしても、一旦作業の流れを覚えればさほど苦にはならないのではないでしょうか。
特に、「重曹+クエン酸」は、排水溝のパーツを外さずに済みますので、工程が大幅に減ります。
一度、重曹とクエン酸を使用した掃除法を試してみてください。
流し台をきれいに保つためにできること
流し台の汚れの原因は、「水垢」「油汚れ」「カビ」でした。
水垢は、流し台(シンク)を使った後に水滴を残さないよう、拭き上げれば、予防ができます。
油汚れも、掃除用スポンジを用意しておいて、キッチンを使うごとに食器用洗剤で洗い流せばそれでOK。
カビもまた、シンクなら中性洗剤を使い毎日磨く、排水管なら排水管用の液体洗剤を流し込めばほとんど気にせずに済みます。
毎日の食器洗いの最後に、「スポンジで洗う」「水滴を残さないように拭き上げる」ことで、流し台をきれいに保つことができるのです。
まとめ
今回は、決められた洗剤や道具を少し購入するだけで実践できる、流し台の掃除方法をお伝えしました。
汚れの予防も、日々のちょっとしたお手入れで可能ということも知っていただけたのではないでしょうか。
とはいえ、もし「毎日流し台を洗ったり、水を拭き上げたりするところまでできない…」「疲れていて食事を作るのもやっと」という環境におかれているのならば、無理をせず、プロにお任せするのも悪い選択ではないでしょう。
ヘトヘトになりながら蓄積してしまった流し台の頑固なよごれと「格闘」するのも、忙しい方にとってはストレスです。
汚れ具合にもよりますが、半年に一度、年に一度、流し台の汚れのリセットを依頼してみてください。