アシナガバチの駆除方法|自分で安全に退治する手順を解説

アシナガバチはスズメバチと比べておとなしいと言われていますが、人間にとっては危険な生き物であることには変わりありません。
また、アシナガバチの中にも攻撃性が高く毒性の強い種類のハチも存在します。
しかし、アシナガバチが人間の住んでいる場所のすぐ近くに巣を作ることはよくあることです。
家の近くでアシナガバチを見かけたり、知らぬ間にハチの巣が作られたりしていたら怖いですよね。
そこで今回は、アシナガバチを適切に駆除・退治する方法を分かりやすく解説していきます。
見た目の判断に役立つアシナガバチの特徴や、アシナガバチの駆除におすすめのスプレーなど詳しい駆除方法を紹介しています。
是非参考にしてください。
アシナガバチの特徴と見分け方
ハチの種類によって対処法が異なるため、ハチを見つけたらまずはハチの種類を確認しましょう。
ここでは、アシナガバチを見かけたときに適切に対処できるよう、アシナガバチの特徴と見分け方について説明します。
アシナガバチの特徴

アシナガバチの主な特徴は以下の通りです。
- 見た目(大きさ・色)
- 細身で小型(11mm~26mmほど)、胴体は黄色と黒の縞模様で足は黄色。
- 性格
- スズメバチと比べておとなしく、巣に近づくなどこちらから刺激を与えなければ刺してこない。
- 毒の強さ
- スズメバチに比べると毒は弱いが、アナフィラキシーショックを起こすことがある。
刺されるとスズメバチよりも痛みを感じると言われている。
アシナガバチはおとなしいハチとして知られていますが、種類によっては非常に強い毒性を持ち、刺された時の痛みが強烈なハチも存在します。
特にキアシナガバチやセグロアシナガバチは毒性が非常に強く、一度ハチに刺されたことがある人は重篤な症状になりやすいです。
アシナガバチは、スズメバチと比べるとおとなしい性格ではありますが、危険な生き物だということには変わりありません。
アシナガバチの巣の見分け方
アシナガバチの巣はシャワーヘッドのような形状で、巣穴は六角形でむき出しになっています。
巣の色はグレーで、大きさは最大で15cmほどです。

アシナガバチの巣については「アシナガバチの巣の駆除は秋以降に!巣の見分け方と適切な対処法について」で詳しく紹介しているので、参考にしてください。
攻撃性が低いアシナガバチですが、巣に近づくと敵と見なされ攻撃されることがあるので、むやみに近づくことは避けましょう。
アシナガバチの巣を見つけたときの対処法
アシナガバチは比較的おとなしい性格であり、庭木のイモ虫を食べてくれる益虫でもあります。
そのため、生活に支障のない場所に巣ができた場合、放置しておくのも一つの手です。
以下のような場合、必ずしも駆除が必要ではありません。
- 人が近づかない場所に巣ができた
- 開け閉めしない窓やベランダ、隣家と近接していない軒下
- 巣を見つけたタイミングが10月中旬以降
上記の場合、アシナガバチの巣に近づいたり、刺激を与えたりしなければ、放置しておくこともできます。
特に、巣を見つけたタイミングが10月以降の場合は、しばらく様子を見てもよいでしょう。
アシナガバチは巣で越冬することができないので、多くの場合は冬に巣が空になるからです。
冬になれば、アシナガバチがいなくなった巣を、比較的安全に駆除することができます。
しかし、比較的安全とはいえ、近くにハチの巣がありながら放置しておくのは怖いですよね。
アシナガバチを駆除する場合、自分で駆除する方法と業者に依頼する方法の2つの方法があります。
安全に駆除するには、アシナガバチが攻撃的になる時期を避けて駆除することが必要です。
以下で、アシナガバチの活動時期と、攻撃性が高まる時期について説明します。
危険な時期はいつ?アシナガバチの活動時期
アシナガバチが一番活発になり、攻撃性が高まる時期は、6月〜8月です。
6月〜8月は、アシナガバチの巣の規模が大きくなり、繁殖期を迎えるため攻撃的になります。
アシナガバチは基本的におとなしい性格ですが、種類によっては強い攻撃性と毒性を持つものがいます。
繁殖期など攻撃性が高まる時期には、むやみに巣に近づかないようにしましょう。
以下の表にアシナガバチの主な種類ごとの活動時期と攻撃性が高まる時期についてまとめました。
アシナガバチの活動時期と攻撃性が高まる時期

特に、キアシナガバチとセグロアシナガバチは攻撃性と毒性が強く、刺されてしまうと命にかかわることもあります。
活動時期のうち6月〜8月は特に危険ですので、自分で駆除せず業者に駆除を依頼することをおすすめします。
アシナガバチを自分で駆除する方法
アシナガバチは毒性が強く、刺されてしまうと非常に危険です。
アシナガバチを安全に駆除するためにも、駆除の前にしっかりと準備する必要があります。
ここでは駆除する前の準備について詳しく説明していきます。
駆除する前に準備するもの
アシナガバチを自分で駆除するために必要なものは、下記の12点です。
- 防護服(衣服を組み合わせて代用も可能)
- 手袋
- 頭を保護するもの(防虫ネットがおすすめ)
- 長靴
- マスク
- 殺虫剤
- 懐中電灯
- 赤セロハン
- 長い棒
- ほうき
- ちりとり
- ゴミ袋
アシナガバチを安全に駆除するためには、上記のものを全て揃えましょう。
上記の道具について詳しくは「駆除する前に準備するもの」で紹介しているので、参考にしてください。
ここでは駆除する前の準備について詳しく説明していきます。
アシナガバチを自力で駆除する際の手順
実際にアシナガバチを駆除する際の手順について説明します。
まず、作業する時間帯ですが、ハチの活動がおさまる夜間に行うことが適切です。
夜に活動するアシナガバチはほとんどおらず、夜間は照明がない限り飛ぶことができないとされているからです。
また、アシナガバチは日中巣の外にいることが多く、夕方になると巣に戻ってきます。
そのため、夜間に駆除作業を行うことで戻ってくるハチを心配することなく駆除することができます。
駆除に適した時間帯が分かったところで、駆除の手順について見ていきましょう。
アシナガバチの駆除は以下の7ステップで行います。
- 作業場所を確認する
- 作業開始
- 少し離れた場所から巣にスプレーを噴射
- 巣に近づいて巣穴にスプレーを噴射
- 巣を撤去
- 巣と死骸を回収・廃棄
- 撤去場所にスプレーを噴射
アシナガバチは殺虫剤に弱いため、数秒でも殺虫剤が体に付着すれば攻撃性がなくなり死んでしまいします。
そのため、スプレーを噴射するときは20秒~30秒間ほど噴射し続けましょう。
駆除手順は基本的にスズメバチの駆除と同じなので、詳しくは「スズメバチを自力で駆除する際の手順と注意点」を参考にしてください。
また、アシナガバチは春先に女王蜂が一匹で巣を作ります。
このときの女王蜂にはほとんど攻撃性がありません。
アシナガバチがまだ一匹で巣を作っている場合は、自力で安全に駆除するチャンスです。
上記で紹介した手順に沿って、巣を駆除しましょう。
6月以降巣が大きくなる前に駆除すれば、比較的簡単に巣を駆除することができます。
次に、アシナガバチを自力で駆除する際におすすめのスプレーを紹介します。
自分でアシナガバチを駆除するためのおすすめスプレー
自分でアシナガバチを駆除する際には、効果の強い殺虫剤を使いしっかりと退治することが重要です。
以下で、アシナガバチの駆除におすすめのスプレーを紹介します。
ハチ・アブマグナムジェット
速効性・致死効果に優れた有効成分を配合しており、飛び回るアシナガバチを素早く駆除できるスプレーです。
バズーカ方式の強力な噴射力も特徴で、巣ごとアシナガバチを撃退することができます。

フマキラー ハチ・アブウルトラジェット
こちらのスプレーもアシナガバチに効果的な有効成分を配合しており、退治と予防の両方に効果があります。
最大11mまで薬剤が届くので、離れた場所からでもアシナガバチを確実に駆除することができます。

安全に駆除するなら業者に依頼しよう

ここまでアシナガバチを自分で駆除する方法について紹介しましたが、「自力で駆除するのは怖いからできればしたくない」という人も多いのではないでしょうか。
自分で駆除できなさそうなときは、専門の業者に依頼しましょう。
専門業者であれば安全かつ確実にハチを駆除する方法を知っているので、安心して駆除を依頼できます。
業者にアシナガバチの駆除を依頼する
アシナガバチを一番安全に駆除する方法は、専門の業者に駆除を依頼することです。
専門業者はハチ駆除の知識や経験が豊富にあるため、安全に駆除する方法を知っているうえ、蜂駆除専用の防具や器具も揃っているからです。
自力でハチの駆除をすると、どうしても巣やハチの駆除漏れが発生したり、時間がかかってしまったりしてしまいます。
一方、専門の業者に依頼すれば、素早く確実に駆除してもらうことができます。
自分で駆除できそうにない場合や、少しでも不安な場合は、専門業者に依頼しましょう。
判断に迷うときは相談だけでもしてみることをおすすめします。
駆除を役所に依頼する場合
場合によりますが、ハチの駆除は役所に依頼できることがあります。
しかし、アシナガバチを駆除してくれる役所はほとんどありません。
アシナガバチは益虫として知られており、スズメバチほど攻撃性が高くないので、多くの役所では駆除依頼に対応していません。
基本的にアシナガバチの駆除は、自分で行うか、専門業者に依頼するかの2択のみです。
詳しくはお住いの自治体によって異なりますので、自分が住んでいる地域の自治体ホームページを確認してみましょう。
まとめ
この記事では、アシナガバチやアシナガバチの巣を見つけたときにどう対処したらよいのか、適切な駆除の方法について紹介しました。
アシナガバチはスズメバチと比べるとおとなしく、自分で駆除することも可能です。
しかし、活動が活発になる6月~8月にかけては、アシナガバチの攻撃性が高まり、非常に危険になります。
アシナガバチに刺されると、アナフィラキシーショックを起こす危険性があり、最悪の場合死に至るケースも考えられます。
無理に自分で駆除しようとせず、少しでも不安に感じたら専門の業者に駆除を依頼しましょう。
判断に迷ったときは、相談だけでもしてみることをおすすめします。