割れたガラスは火災保険が使える!申請方法と保険適用の条件を解説

ガラスが割れてしまったら、なるべく早めに修理を行う必要があります。
割れたガラスをそのままにしておくと、防犯面の不安やケガをしないかといった問題を抱えて毎日を過ごすことになるからです。
とはいえ、ガラスの破損は突然の出来事ですので、急な出費に頭を抱えてしまう方もいらっしゃるでしょう。
「窓ガラスに使える保険はあるの?」「使えなかったときいくら用意しておけばいいの?」と、修理をためらってしまうかもしれません。
結論から言うと、窓ガラスの破損にも保険を使える可能性があります。
ガラスの修理・交換費用の負担を軽減するためにも、保険の適用条件や保険金支払いの申請について把握しておきましょう。
割れたガラスに火災保険が使えるって本当?
ガラスが割れてしまったときのガラス修理では、条件を満たせば火災保険を使って費用を抑えることができます。
まずはガラス修理に適用できる保険の種類にはどのようなものがあるのか見ていきましょう。
ガラス修理に適用できる保険の種類
ガラス修理に適用できる保険は、下記の4種類です。
- 火災保険
- 家財保険
- ガラス保険
- 車両保険
それぞれの保険で適用される条件が異なるので、詳しく説明していきます。
火災保険
火災保険は、名前から「火災で損害を受けたときに使える保険」だと思われがちですが、自然災害や事故などでガラスが割れてしまった時にも使える保険です。
火災はもちろんのこと、台風などでの強風や雪、雹などの自然災害によって住宅・家財に被害が出たときに火災保険が適用できます。
例えば、台風の強風でものが飛んできてガラスが割れてしまったり、雷が落ちてガラスが割れてしまったりしたときも補償の対象になります。
家財保険
家財保険とは、火災保険契約において、特に家財のみを対象にした保険のことです。
一般的な火災保険は建物と家財を対象としていますが、家財保険は家財が受けた損害のみを補償します。
家財保険は、火災保険同様、火災・自然災害・事故などでガラスが割れてしまったときに使える保険です。
ただし、補償範囲や補償内容については、火災保険と異なる場合もあります。
火災保険にも加入している場合は、それぞれの契約内容を比較して、ガラス修理に適用できるか確認しておきましょう。
ガラス保険
ガラス保険とは、保険会社が提供しているガラスを対象にした保険です。
突発的な事故によるガラストラブルを補償してくれるもので、不注意でガラスを割ってしまったときや、第三者によるいたずらでガラスが割れてしまったときなども保険金の支払い対象となっています。
火災保険や家財保険では補償範囲外のガラス破損にも適用できることがあるので、保険の内容を確認してみましょう。
車両保険
車のガラスが割れてしまった場合に使えるのが、車両保険です。
例えば、フロントガラスに飛び石が当たってひびが入ったり、割れてしまったりしたとき、車上荒らしの被害に遭ったときは保険金支払いの対象となります。
車に関するトラブルがあった場合には、車両保険の契約内容を確認し、補償が適用できるかどうか把握しておきましょう。
割れたガラスに保険が適用できる条件

以下のような原因でガラスが割れてしまった場合、火災保険などの保険の補償を受けることができます。
- 台風などの風災によるガラス破損
- ガラスの熱割れ
- フロントガラスの飛び石によるガラス割れ
- 飛来物の衝突(鳥やボール、石など)
- 泥棒に窓ガラスを割られたとき
- 子どもが家の窓ガラスを割ってしまったとき
それぞれに適用される保険について見ていきましょう。
台風などの風災によるガラス破損
自然災害や風災でガラスが破損してしまった場合は、火災保険・家財保険が適用できます。
どれだけ対策をしていても、台風などの自然災害でガラスが割れてしまうことがあります。
強風に耐え切なかったり、強風で飛ばされてきた物が当たったりしてガラスが破損した場合には、火災保険・家財保険の風災補償で補償されます。
ガラスの熱割れ
ガラスが日光の影響で膨張して割れてしまう熱割れに使える保険は、火災保険・家財保険です。
自然災害などによる破損同様、ガラスの熱割れは防ぎようがありません。
そのため、熱割れは火災保険・家財保険の適用条件である「予測できない突発的な事故」と認められ、補償が適用されます。
フロントガラスの飛び石によるガラス割れ
飛び石によって、車のフロントガラスが割れてしまった場合には車両保険が使えます。
飛び石によるガラス破損は、車両保険の「飛来中または落下中の他物との衝突」に該当し、補償が適用されます。
飛び石の他にも、車両保険は、「いたずら」「車上荒らし」などによる車のガラスの破損にも適用されることがあります。
飛来物の衝突(鳥やボール、石など)
飛来物が衝突したことでガラスが割れてしまった場合、火災保険が適用されます。
鳥やボール、石などが飛んできてガラスが割れてしまったという事故は、珍しいことではありません。
特に、建物周辺の環境によっては、頻繁に飛来物によるトラブルが発生することがあります。
しかし飛来物によるガラスの破損は、火災保険が使えますので「ガラス交換・修理」などでの自己負担分を軽減できます。
泥棒に窓ガラスを割られたとき
泥棒に窓ガラスを割られてしまったときには、火災保険が適用されます。
火災保険には盗難補償もあり、泥棒の被害にあった場合に補償を受けることができます。
また、ガラスが完全に割れていない場合でも、「泥棒が侵入を試みたことによるガラスのひび」も火災保険の対象です。
ひびが入ったガラスが割れやすくなりますので、「ひび割れだけだから…」と放置せず、火災保険を使って早めに修理しましょう。
子どもが家の窓ガラスを割ってしまったとき
子どもが窓ガラスを割ってしまったときにも、火災保険が使えます。
これは、火災保険の適用条件である「予測できない突発的な事故」として認められるからです。
火災保険は、自宅の窓ガラスだけではなく友人の家や近隣住民などの家などのガラスも保証対象です。
そのため、子供が外で遊んでいて他の家の窓ガラスを割ってしまったなどの場合にも、火災保険を利用することができます。
ガラスの修理の火災保険の申請の流れ

ガラスの修理・交換で火災保険を使うときには、下記の手順で保険金支払いの申し込みをします。
- 管理会社もしくは管理組合に連絡する(賃貸、分譲マンションの場合)
- 保険会社に連絡する(自分が所有する戸建ての場合)
- 必要書類の準備
- 保険会社からの案内を確認
- 支払い金額の確認
- 入金の確認
はじめに、賃貸に住んでいる場合は管理会社、分譲マンションに住んでいる場合は管理組合に、「ガラスが割れて修理をする」という要旨を連絡しておきましょう。
場合によっては、管理会社や管理組合が指定の業者に見積もりや工事を依頼することがあります。
次に、契約している保険会社に連絡をします。
ガラスが破損してしまったこと、保険金を請求したいことを保険会社に伝え、必要書類や今後の対応などについて確認します。
続いて、保険金の支払いを申し込むために、必要書類を揃えて、保険会社からの案内を確認してください。
特に、保険会社から送られてきた案内書類にはしっかりと目を通し、記載方法に誤りはないかを確認する必要があります。
支払い金額については、保険会社とあなたとの間で確認し、問題がなければ指定口座に入金されます。
保険会社から入金された金額が間違っていないかどうかも、銀行口座の入出金履歴でしっかり確認しましょう。
保険会社によって保険会社から専門業者に直接支払う」もしくは「被保険者に支払って、被保険者から業者に支払う」など選べる場合があります。
保険会社からどのように支払いされるのかについても、忘れずに保険会社に確認しておきましょう。
火災保険でガラスを修理するときの注意点

火災保険を使ってガラスを修理するときには、下記の5点に注意してください。
- 保険の契約内容をしっかりと確認する
- 必ずしも保険が適用されるとは限らない
- 免責金額の設定に注意する
- 必要書類が多いので不備に注意
- 心配な方はガラス修理・交換業者に申請手続きをサポートしてもらう
5つの注意点について、それぞれ詳しく解説します。
保険の契約内容をしっかりと確認する
まずは、保険の契約内容をしっかりと確認しましょう。
「多分保険が使えるはず!」という曖昧な認識でいると、実際は対象外だったといった事態に陥ってしまうかもしれません。
また、保険が使えるか否かや、実際の保険金額は保険会社の判断や契約内容次第です。
例えば、経年劣化を考慮して保険金を計算する保険もありますし、業者の見積もり金額を保険金として支払う保険もあります。
そのため、自己判断ではなく、必ず契約内容を確認した上で保険会社に確認するようにしましょう。
必ずしも保険が適用されるとは限らない
ガラスの破損で使える保険はたくさんありますが、必ずしも保険が適用されるとは限りません。
保険によっては対象外としている場合がありますし、状況によっては例外として保険金が支払われないことがあります。
例えば、契約する火災保険によってはガラスの熱割れは補償の対象外となっていることもあるのです。
保険ごとに対象としているガラストラブルは異なりますので、「契約している保険は何に使えるのか」を確認する必要があります。
免責金額の設定に注意する
ガラスに保険が適用できても、ガラス修理の費用を全額負担しもらえるとは限りません。
なぜなら、保険には免責金額といって、事故が起きた際にお客様が自己負担しなければならない金額が設定されているからです。
加入している保険に免責金額が設定されている場合は、費用の一部は自己負担となります。
また、免責金額が設定されていなくても、保険金の上限額によっては、費用の一部を自分で負担しなければならないケースもあります。
ですので、免責金額に注意して、自身の加入している保険の契約内容をしっかりと確認しておきましょう。
必要書類が多いので不備に注意
ガラスの破損で保険を使う場合、必要書類が多いので、不備には十分注意してください。
必要書類が不足していたり、記入場所・記入内容を間違えたりすると、保険金を手にするまでに多くの時間や手間を要することがあります。
保険会社にしっかりと必要書類について確認し、分からないことはその都度問い合わせて間違えないようにしましょう。
心配な方はガラス修理・交換業者に申請手続きをサポートしてもらおう
保険金支払いを申請することに不安がある方は、ガラス修理・交換業者に手続きをサポートしてもらいましょう。
専門業者の中には、必要書類の準備・作成をサポートしてくれたり、手続きを代行してくれたりするところがあります。
初めての方でもミスなく申請を進められますので、専門業者への相談も視野に入れてみてください。
まとめ
ガラスが割れてしまったとき、使える保険は意外にも多いものです。
また、不注意によるガラスの破損でも保険金が支払われることがありますので、あらゆる原因のガラストラブルを保険金でカバーすることができます。
とはいえ、必ずしもすべてのケースで保険が使えるとは限りません。
このページを参考にしながら、自分の状況・契約内容と照らし合わせて「使える保険があるかどうか」を把握しておきましょう。
