エコガラスって何?機能やメリット・デメリットを紹介!

エコガラスとは、その名前の通り、「地球にやさしいガラス」です。
断熱性能が優れており、冷暖房の効きを良くしてくれます。
「でも、名前は最近よく聞くけど、実際に効果ってあるの?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
今回は、エコガラスの機能と合わせて、メリット・デメリットについても紹介していきます。

エコガラスはどんなガラス?

エコガラスとは、環境にやさしいガラスです。
複層ガラスの間に、特殊な金属膜(Low-E膜)をコーティングしており、断熱性能の高さが特徴です。
- 複層ガラス
- 2枚のガラスの間に乾燥空気の層があるガラスのこと
- Low-E膜
- 表面に酸化スズや銀などの特殊金属膜をコーディングしたもの
断熱性能は、一般的な1枚ガラスの3~4倍ほどあるといわれています。
太陽や照明の光はそのままに、室内の熱を逃がさずに温度を保つことが可能です。
そのため、冷暖房の効率も上がり、電気代も抑えることができるため、「エコ」なガラスと呼ばれています。
エコガラスの種類
断熱効果が高いエコガラスですが、実は下記の2種類が存在します。
- 日射取得型エコガラス
- 日射遮蔽型エコガラス
日射取得型のガラスは、外からの太陽の熱をしっかり取り込み、室内の温かさを逃さないのが特徴です。
一方で、日射遮蔽型のガラスは、室内の熱を逃がさないのはもちろん、太陽の熱などの外からの熱を遮断します。
そのため、家の状況に合わせたガラス選びが重要になってきます。
すでにエコガラスの導入を決めている方は、下記で最適なエコガラスの選択方法を紹介しているのでそちらをご覧ください。
エコガラスのメリット
上述したように、エコガラスには高い断熱性能に伴う、エコな効果が期待できます。
そのほかにも、エコガラスには下記のメリットが存在します。
- 節電効果
- 断熱・遮熱効果によって無駄に光を遮らなくていい
- 紫外線もカットできる
- 結露防止の効果
以下で詳しく説明していきます。
エコガラスを使うことで節電効果が期待できる
やはり、一番のメリットは節電効果strong>です。
エアコンの設定温度は、1℃変えるだけで、5%程度も電気料金が変動するといわれています。
夏場であれば、単身の方でも5,000円ほどの電気代がかかるため、1℃変えるだけで月に250円程度の電気代を抑えることが可能です。
もちろん、立地などにも左右はされますが、日当たりのよい部屋に設置することで節電効果はより高まります。
断熱・遮熱効果によって無駄に光を遮らなくていい
断熱・遮熱効果が高いことによって、節電以外のメリットも生まれます。
夏の暑い日差しが差し込むとき、いくら冷房が効いていても直接太陽光が当たる場所には居たくないですよね。
特に窓付近にベッドがある場合だと、カーテンを閉めていることも多いと思います。
しかし、遮熱効果のあるエコガラスであれば、夏の強い日差しを約60%カットすることが可能です。
そのため、カーテンを開けておいても物凄く暑くなるということも防ぐことができます。
エコガラスは紫外線もカットできる
エコガラスには、紫外線カットの効果もあります。
エコガラスに含まれている「特殊金属(Low-E膜)」は、一般的なガラスに比べ、より多くの紫外線をカットすることが可能です。
紫外線は、肌の表面を傷つけ炎症を引き起こすだけでなく、家具やカーテンなどの色を劣化させる原因にもなっています。
そのため、少しでも紫外線を抑えられるのは、一般的なガラスに比べた時のメリットといえるでしょう。
結露防止効果もある
エコガラスは、複層ガラスとなっており、通常のガラスに比べ熱を伝達しにくいため、結露もできにくいです。
そもそも結露は、冷えた物体の表面に、温かい空気があたることで発生する現象です。
そのため、冷たい外気・空気を伝達しにくいエコガラスは、結露ができにくいガラスと言えるでしょう。
また、結露によってカーテンなどが濡れることが減ることで、湿気を原因とした冬カビなどの発生を防ぐことにもつながります。
エコガラスのデメリット
エコガラスには、メリットが多くある一方でデメリットも存在します。
以下では、エコガラスのデメリットを一つずつ紹介していきます。
窓ガラスの交換に費用がかかる
エコガラスに交換する場合、40,000円ほどかかります。
窓ガラスが割れた時など、通常のガラスを交換するときには、1万円程度で済むことも多いですが、それに比べると2倍以上の費用が掛かってしまいます。
というのもエコガラスは、複層ガラスと呼ばれるガラスを使用しているため、通常よりも分厚いガラスとなっています。
そのため、通常のサッシではガラスが収まらないことも多く、追加工事が必要になってしまうからです。
もちろん、サッシを交換しなくてもエコガラスに交換できる場合もあるため、エコガラスを検討している方は一度業者に相談してみるのが良いでしょう。
間違った設置をすると効果がない
最初にお話したように、エコガラスには日射取得型と遮蔽型の2種類があります。
そのため、間違ったほうを選んでしまうと、想定していたような断熱効果や節電効果を得ることができません。
例えば、「冬場に多くの太陽光を取り込み、室内温度を高めたい」といったときに、日射遮蔽型のエコガラスを選んでしまうと太陽光を遮断してしまい、室内を温かくすることができません。
その逆も同様で、日射取得型が適さないケースもあります。
エコガラスは基本的に、冬場か夏場のどちらかにしか適さないため、地域や間取りによって適切なほうを選ぶ必要があります。
エコガラスを導入する場合は、その点に注意して選んでください。
窓枠の形状によっては設置ができない
エコガラスの中には従来のガラスに比べて、2倍以上の厚みがあるものもあります。
そのため、窓枠の形状によっては、エコガラスの厚みを設置できない場合があります。
多くの場合、サッシを交換したり、アタッチメントつけたりすることで、エコガラスに交換が可能です。
しかし、小さな窓枠やガラスの設置個所によっては、周辺の壁なども工事しないといけないこともあります。
大規模なリフォーム工事をしてまでエコガラスにする必要はほとんど場合ないため、窓枠の形状によっては交換をあきらめる形になるでしょう。
エコガラスの選び方と導入にかかる費用

デメリットにも記載しましたが、エコガラスを導入するには、通常のガラス交換よりも費用が掛かります。
以下では、導入するための費用と合わせて、どういったエコガラスを選べばいいかを紹介していきます。
ぜひ導入の参考にしてみてください。
エコガラスの選び方
エコガラスには2つの種類があります。
状況に合わせたガラス選びが重要なため、以下でそれぞれのメリット・デメリットを記載しているので参考にしてみてください。
日射取得型のエコガラス | 日射遮蔽型のエコガラス | |
---|---|---|
料金相場 | 35,000~55,000円 | 35,000~55,000円 |
メリット | ・外からの熱を吸収 ・暖かさを逃さない |
・熱を遮断する ・採光性に優れている |
デメリット | ・熱を遮断できない | ・外からの熱を吸収できない |
適した時期 | 冬場 | 夏場 |
適した設置場所 | 軒などがあり窓ガラスに直接日光が当たらない部屋 | 西日が強い西向きの部屋 |
設置に適した地域 | 比較的寒い気候の地域 | 比較的温暖な気候の地域 |
どちらもかかる費用に違いはありません。
メリットとデメリットはどうしても相反するものになってしまいます。
日射取得型・遮蔽型のどちらが向いているかについては、下記でもう少しだけ詳しく紹介します。
日射取得型のエコガラスが向いている人
- 軒や庇があり、窓ガラスに直射日光が当たらない
- 隣の家が近くにある
- 直射日光を遮るものが窓との間にある
- 寒さが苦手な人
- 比較的寒い気候の地域に住んでいる
日射取得型のエコガラスは、外からの熱を吸収するところにメリットがあります。
そのため、冬の寒さが苦手で少しでも暖かくしたい人には、日射取得型のエコガラスが向いています。
また、熱をより多く吸収するためにも、日当たりが良い場所に窓ガラスがある方が良いでしょう。
日当たりが良くない場所にあるのであれば、効果も半減してしまうためお勧めしません。
日射遮蔽型のエコガラスが向いている人
- 西日が強い西向きの部屋に住んでいる
- 軒や庇がなく、窓ガラスに直射日光が当たる
- 隣に建物がなく、日光が遮られない
- 暑さが苦手な人
- 比較的温暖な気候の地域に住んでいる
日射遮蔽型のエコガラスは、熱を遮断するところにメリットがあります。
そのため、夏場の強い日差しが苦手な方には、日射遮蔽型のエコガラスが向いています。
太陽の光で目を覚ましたいけど、夏の暑い日差しは受けたくないという方は、寝室の窓に設置することをお勧めします。
もちろん、リビングの設置も問題ありませんが、昼間働きに出ている場合だと恩恵は受けづらくなるでしょう。
夏も冬も快適に暮らしたい方は高性能なエコガラスを選ぶ
上述したように、エコガラスは種類によってメリット・デメリットがあります。
そのため、基本的には、夏か冬のどちらかでより効果を発揮します。
しかし、高性能のエコガラスであれば、デメリットを極限まで抑えることができます。
そのため、お金に余裕のある方は、高性能なエコガラスを導入してみてはいかがでしょうか。
エコガラスの導入にかかる費用
エコガラスの交換にかかる費用相場は、「35,000円~55,000円」です。
料金の内訳としては下記になります。
費用の内訳 | 費用 |
---|---|
エコガラス本体 | 15,000~25,000円 |
施工代金 | 20,000~30,000円 |
※上記は、エコガラス1枚当たりの相場です。
※施工代金には、工賃・養生費・廃材処分費・雑費を含んでいます。
エコガラスの交換には、ガラス本体の料金だけでなく、業者による施工費用も掛かります。
施工会社や作業内容によって施工代金も大きく変わってきます。
また、ガラス本体でも高性能なものやサイズが大きいものはその分費用も高くなり、高いものだとガラスだけで10万近くするものもあります。
そのため、求めている性能や設置個所を検討したうえで、見積もりを取ってもらうのが良いでしょう。
エコガラスの導入費用を抑える方法
エコガラスの導入費用を抑える方法として下記があります。- 自治体が出しているリフォーム助成金を受ける
- エコ窓減税(リフォーム減税)を適用する
災害対策の一環として窓ガラスの交換もリフォーム助成金の対象となる場合もあります。
そのため、各自治体によっては、助成金を一部負担してもらえることがあるので、一度確認してみるのが良いでしょう。
また、自所有の物件の省エネ改修工事を行った際には、エコ窓減税の対象となります。
エコ窓減税の適用条件は下記です。
対象住宅 | ・自己所有住宅 ・家屋の床面積が50㎡以上 |
---|---|
対象者 | 住宅の所有者 |
工事要件 | ・すべての居室の窓すべての回収 ・国が定める標準的な工事費用相当額が50万円(税込み)を超えること |
減税額 | ・その年の所得税から対象額の10%を控除 ・上限25万円 |
期間 | 2013年1月1日~2021年12月31日 ※改修後の居住開始日が上記に期間内 |
申請方法 | 必要書類をそろえて確定申告 |
おすすめエコガラス3選

以下ではおすすめのエコガラスを紹介していきます。
エコガラス選びの参考にしてみて下さい。
冬場に強く結露しにくい「真空ガラススペーシア」
「スペーシア」は日差しを取り入れて、室内の暖かさを逃さない高断熱窓ガラスです。
真空ガラススペーシアは、日本板硝子株式会社が販売しています。
真空層とLow-Eガラスによって実現した断熱性能は、一枚ガラスの約4倍、一般的な複層ガラスの約2倍です。
商品名 | 真空ガラススペーシア |
---|---|
販売元 | 日本板硝子株式会社 |
ガラス料金(900×900mm) | 参考価格:26,700円 |
強み | ・断熱性に優れている ・結露がしにくい |
スペーシアにはほかにもシリーズがありますが、上記はスタンダードタイプとなっています。
より高性能なものをお求めの方は、下記カタログを参照ください。
真空ガラススペーシア商品カタログ
夏・冬万能な「ペヤプラス・エア」
「ペヤプラス・エア」は、中空層に乾燥空気を密封した高遮熱・断熱効果のある標準タイプのLow-Eペアガラスです。
既存の単板用サッシに使用できるアタッチメントフレームを一体化した商品です。
そのため、追加での工事も不要で、高性能ながらも安い料金を実現しています。
商品名 | ペヤ・ガラスエア |
---|---|
販売元 | AGC株式会社 |
ガラス料金(900×900mm) | 参考価格:27,500円 |
強み | ・夏冬ともに使える ・UVカット |
涼しく快適に過ごすなら「LOW-E複層ガラス」
「Low-E複層ガラス」は、太陽の日射熱を50%以上カットして、夏の暑い部屋を涼しくしてくれます。
冷暖房効率をアップして、節電にも貢献できるだけでなく、紫外線も大幅にカットするので、家具やカーペットの退色も抑えます。
特に、西日の気になる窓におすすめの商品です。
商品名 | LOW-E複層ガラス |
---|---|
販売元 | YKK AP株式会社 |
ガラス料金(900×900mm) | 参考価格:― |
強み | ・特に夏場に効果を発揮する ・紫外線の大幅カット |
エコガラスに交換するならまずは業者に相談
いかがでしたか?
今回は、エコガラスのメリット・デメリットに合わせて、エコガラスの選び方についても紹介してきました。
今回紹介したエコガラスの選び方は、一般的な方法となっています。
そのため、実際は立地であったり、窓の位置であったりと、さまざまな要件によって選ぶべきガラスも変わってきます。
特に、エコガラスの知識をつければつけるほど、どれが良いのかも分かりづらくなってきます。
エコガラスの導入に迷ったら、一度専門業者に相談して決めることをおススメします。
