トイレの水漏れ原因と自分で修理する方法を解説

トイレの水漏れがあったとき、どのように対応すべきか慌ててしまう人も多いはず。
特に初めての経験の場合、メーカーに電話したら良いのか修理業者に電話したら良いのかなどの疑問も多く出てきます。
結論から言えば、パッキンの劣化などであれば自分で直すことができます。
まずは止水栓やウォシュレットの電源を落としてから、作業を進めましょう。
この記事では、トイレの水漏れ症状別に原因や自分でできる解決方法だけでなく、修理時の注意点についても解説します。
ぜひ最後まで確認してください。

トイレでよくある水漏れとその原因をチェック!
トイレでよくある水漏れ症状と、原因を確認しましょう。
よくある水漏れには、以下のようなものがあります。
- 止水栓や給水管など配管からの水漏れ
- 便器と床の隙間からの水漏れ
- ウォシュレットや温水便座からの水漏れ
- タンク上やレバーからの水漏れ
- 便器とタンクの隙間からの水漏れ
- 便器本体からの水漏れ
- 便器内のちょろちょろとした水漏れ
それぞれ詳しく解説します。
止水栓や給水管など配管からの水漏れ
排水管・止水栓・給水管などの配管から水漏れする場合、ナットやバルブの緩みや、パッキンなどの内部パーツの緩みが原因である場合が多いです。
止水栓や排水管などの排水管からの水漏れの場合は、応急処置をしてから修理業者に依頼しましょう。
発見した際にするべき応急処置として、止水栓を閉める、ウォシュレットトイレの場合は電源を抜いておきましょう。
便器と床の隙間からの水漏れ
便器と床の隙間から水が出ている場合には、床下の排水管の劣化、破損が原因と考えられます。
床に長時間水が漏れ続けると、床が傷み床のパネルを交換したり、最悪の場合は床を全て貼り換えなくてはなりません。
水漏れを発見した段階で速やかに業者を呼ぶ必要があります。
墨汁を使った水漏れ確認方法
便器と床の隙間からの水漏れが疑われる場合には「墨汁」を使って確認することができます。
具体的には、便器の中に墨汁を垂らし数分待ち、便器と床の隙間から黒い水が漏れくるかを見ましょう。
漏れてきたら床下の排水管の劣化や破損が原因だと分かります。
ウォシュレットや温水便座からの水漏れ
ウォシュレットや温水便座からの水漏れは、水栓ノズルやパイプなどの劣化や、電化製品の故障、ナットなどの緩みが原因の場合があります。
ナットなどの緩みであればナットを固く締めるだけで良いですが、水栓ノズルやパイプの劣化がひどい場合には、部品交換が必要になります。
タンク上やレバーからの水漏れ
タンク上やレバーから水漏れしている場合には、水位調節機能の不具合が原因と考えられます。
この場合、タンク内の水位を調節するか、不具合の原因が部品の損傷の場合はタンクやレバーの交換修理が必要となります。
レバーの修理であれば自分で行うこともできますが、修理方法を誤ると水が止まらなくなるなど、状況がさらに悪化する恐れがあるためオススメできません。
タンク上やレバーからの水漏れは業者に修理を依頼しましょう。
便器とタンクの隙間からの水漏れ
便器とタンクの隙間から水漏れしている場合は、密輸パッキンの破損や劣化が原因と考えられます。
対処法としては、パッキンの修復や交換が必要です。
自分で交換する場合は、交換するパッキンのサイズや種類を間違えないようにしなくてはいけません。
業者に頼む場合は交換修理が必要になる場合が多く、基本料金に加え交換するパッキン本体の費用も加算されます。
便器本体からの水漏れ
便器本体から水漏れしている場合は、便器本体のひび割れや便器と配管類の接続部の緩み劣化などが原因と考えられます。
ひび割れがひどい場合には便器本体を交換しなければなりません。
ひび割れによる水漏れを防ぐために、小さなひびを見つけたら防水パテやコーティングでひびを補修しましょう。
タンク・便器内のちょろちょろとした水漏れ
タンクや便器内でちょろちょろと少量の水が漏れている場合の原因は、タンク内の不具合です。
具体的には、「ボールタップ」か「フロートバルブ」と呼ばれる部品の劣化・故障です。
ボールタップは給水管からタンク内、フロートバルブはタンク内から便器内への給水を調節している部品です。
この2つのどちらかに不具合があると、タンク内でちょろちょろ音がする水漏れに繋がることがあります。
単なる配管の緩みの場合は補修作業のみで済みますが、これらの部品が劣化している場合は交換を行う場合もあります。
トイレの水漏れを解消する方法
トイレの水漏れを解消する方法は、水漏れの症状と原因によって異なります。
- 止水栓や給水管など配管から水漏れしている場合
- 便器と床の隙間から水漏れしている場合
- ウォシュレットや温水便座から水漏れしている場合
- タンク上やレバーから水漏れしている場合
- 便器とタンクの隙間から水漏れしている場合
- 便器本体から水漏れしている場合
- 便器内がちょろちょろと水漏れしている場合
以下にてそれぞれ詳しく解説します。
止水栓や給水管など配管から水漏れしている場合
止水栓や給水管など配管から水漏れしている場合の修理方法は以下の2つです。
- ナットやバルブの緩みを直す
- ゴムパッキンなど劣化したパーツを交換する
それぞれ説明していきます。
ナットやバルブの緩みを直す
止水栓や給水管のナットやバルブが緩んでいるだけであれば、自分で修理することもできます。
緩みを直すために必要となるのは、モンキーレンチという工具です。
モンキーレンチはホームセンターなどで手軽に購入できます。
修理方法は、モンキーレンチを使ってナットやバルブを締めることのみです。
注意点として締めすぎないようにしましょう。
締めすぎると他の箇所が破損して、水漏れが悪化する恐れがあります。
この場合専門の業者を呼ばなくてはならないため、初めから業者に依頼するよりも費用が高くなってしまいます。
ゴムパッキンなど劣化したパーツを交換する
止水栓や給水管のパッキンが劣化している場合は交換することで直すことができます。
パッキンの寿命は10〜15年です。
経年劣化してしまったパッキンは交換する必要があります。
パッキンもモンキーレンチと同様、ホームセンターなどで購入することができます。
メーカーや品番をメモしておき、店員に聞くと適切なパッキンを教えてもらうことができます。
便器と床の隙間から水漏れしている場合
便器と床の隙間から水漏れしている場合の修理方法は以下の2つです。
- 水漏れ用の隙間テープ・パテで補修する
- フランジパテを交換する
それぞれ説明していきます。
水漏れ用の隙間テープ・パテで補修する
便器と床の隙間を水漏れ用の「隙間テープ」や「防水パテ」で補修することで水漏れを防ぐことができます。
水漏れ用の隙間テープや防水パテはホームセンターなどで購入できます。
しかしこれはあくまでも一時的な応急処置のため、完全な修理ではありません。
床に水が長時間漏れることを防ぐことはできますが、業者に依頼してしっかりと直してもらいましょう。
フランジパテを交換する
便器と床の隙間からの水漏れはフランジパテを交換することで直すことができます。
「フランジパテ」とは、便器と排水管の間に取り付ける部品のことです。
フランジパテの交換には便器の取り外しが必要となるため、素人には難しく危険な作業となります。
そのためプロの業者に依頼し、フランジパテを交換してもらいましょう。
ウォシュレットや温水便座から水漏れしている場合
ウォシュレットや温水便座から水漏れしている場合の修理方法は以下の3つです。
- ボルトやジョイント部分の緩みを直す
- ノズルやパッキンを交換する
- バルブユニットを修理してもらう
それぞれ説明していきます。
ボルトやジョイント部分の緩みを直す
ウォシュレットや温水便座のボルトやジョイントが緩んでいる場合は、緩みを直すことで水漏れを防ぐことができます。
修理のために道具を準備する必要はなく簡単に施工できるため、自分で修理することができます。
ノズルやパッキンを交換する
ウォシュレットや温水便座のノズルから水が漏れている場合は、劣化したパッキンを交換しましょう。
ウォシュレットノズルやパッキンの交換は自分で行うことも可能です。
ウォシュレットノズルは、メーカーの公式通販サイトから、パッキンはホームセンターから購入できます。
なおノズル交換を行う場合は感電を防ぐために、ノズルを出した後は電源を抜いて作業を行いましょう。
バルブユニットを修理してもらう
ウォシュレットや温水便座のノズルやパッキンに問題がない場合は、バルブユニットに問題がある可能性が高いです。
バルブユニットとはウォシュレットの「ノズルから水を出す・止める」といった動きを調整している部品のことです。
バルブユニットを交換することで水漏れの修理は可能ですが、バルブユニットの交換はウォシュレットの分解が必要となります。
そもそも、バルブユニットは個人の交換を想定している部品ではありません。
そのため、バルブユニットの修理は専門のスキルを持っている業者に修理を依頼しましょう。
バルブユニットの修理だけであれば施工時間も1時間程度、費用も安く済みます。
破損がひどい場合には交換が必要となり、施工費に加えてバルブユニットの交換代がかかりますが個人で行うより安心です。
タンク上やレバーから水漏れしている場合
タンク上やレバーから水漏れしている場合の修理は以下の流れで行います。
- タンク内の水位を調節する
- レバーのパッキンを交換する
レバーから水漏れしている状態は「水位調節が上手くいっていない」かつ「レバーパッキンが劣化している」状態です。
そのため、レバーパッキンの交換だけでは根本的な問題は改善されません。
必ずタンク内を確認し、水位を調節した後、部品に損傷がないかを確認しましょう。
1.タンク内の水位を調節する
タンクのふたを開け、タンク内の水位を標準水位に調節します。
本来の適切な水位は、タンク内にあるオーバーフロー管という筒状の部品で確認できます。
まずはこのオーバーフロー管に「W.L」という表示がないか見てみましょう。
「WL」はウォーターラインの略で「タンク内の標準水位」を示しています。
もしWLの表示がない場合は、オーバーフロー管の先端から2~3cm下が適切水位になります。
タンク内の水位調節の方法
- タンクのフタを外す
- 水位とオーバーフロー管に詰まりや破損がないか確認する
- 浮き玉やボールタップ部分に不具合がないか確認する
- ボールタップや浮き球でタンク内の水位を調整する
- 止水栓で水の給水量を調整する
タンク内の水位調節はボールタップや浮き玉の種類によって方法が異なります。
ボールタップに水位調整リングがある場合
水位調整リングがある場合は、リングを引き上げてロックを外し、リングを左に回しましょう。
左回しにすると水位が下がるので、少しずつ下げます。
ボールタップに水位調整リングがない場合
水位調節のリングがない場合は、浮き玉のアームを下向きに曲げることで水位の調節ができます。
力を入れすぎると折れてしまうので、真ん中からゆっくり曲げましょう。
また、円柱型の浮き玉の場合は浮き玉に調節機能がついているので、浮き玉本体を右に回すことで水位を低く調整できます。
水位調整をしたら、水を流して確認し、これを正常な水位に戻るまで繰り返します。
正常な水位で水が止まれば、最後にレバーのパッキンを交換しましょう。
水位調整をしたら、水を流して確認し、これを正常な水位に戻るまで繰り返します。
正常な水位で水が止まれば、最後にレバーのパッキンを交換しましょう。
2.レバーのパッキンを交換する
水位を元に戻した後は、レバーのパッキンを交換しましょう。
レバーパッキンの交換方法
- 止水栓を閉める
- レバーを回し、水を流してタンクを空にする
- タンクのフタを外す
- レバーの先端にあるチェーンを取り外す
- レバーのナットを外し、パッキンを交換する
- レバーを取り付け、逆の手順で元に戻す
最後に水を流し、きちんと流れることを確認すれば作業は終了です。
便器とタンクの隙間から水漏れしている場合
便器とタンクの隙間から水漏れしている場合の修理方法は以下の2つです。
- 密結パッキン・密結ボルトを交換する
- トイレタンクの取り付け状況を確認する
それぞれ説明していきます。
密結パッキン・密結ボルトを交換する
密結パッキンやボルトが破損している場合は、交換することで水漏れを直すことができます。
「密結パッキン」とはタンクと便器の排水口をつなぐ部分に使われるパッキンです。
ホームセンターや通販などで購入できるので、使われているパッキンと同じものを用意出来れば交換も自分で行うこともできます。
ただし、トイレのタンクは重たいため、難しいと思った場合は業者に依頼して修理してもらうのがオススメです。
トイレタンクの取り付け状況を確認する
密結パッキンやボルトに問題が無い場合は、トイレタンク自体が破損していたり、ズレている可能性があります。
トイレタンクが破損している場合には、タンク本体を交換する必要があり、こちらは業者に依頼する必要があります。
便器本体から水漏れしている場合
便器本体から水漏れしている場合の修理方法は以下の2つです。
- トイレ用のひび割れ補修材を使用する
- 便器本体を交換する
それぞれ説明していきます。
トイレ用のひび割れ補修材を使用する
業者が来るまでに時間がかかる場合には、応急処置としてひび割れ補修材を使用しましょう。
ひび割れ補修材はホームページから購入することができます。
ひび割れは放っておくとどんどん広がります。
最小限に抑えるために、ひび割れ補修材を塗っておきましょう。
便器本体を交換する
ひび割れが原因で水漏れしている場合は、便器本体の交換をしなければなりません。
便器本体は重く、交換は素人ではできないため、専門の業者に依頼をしましょう。
便器本体の交換は、交換費用と便器本体の料金が発生します。
タンクや便器内がちょろちょろと水漏れしている場合
タンクや便器内でちょろちょろと水漏れしている場合の修理方法は以下の2つです。
- フロートバルブまたはボールタップの調整や交換をする
- タンクと便器の隙間のパッキンを交換する
それぞれ説明していきます。
フロートバルブまたはボールタップの調整や交換をする
タンクのなかを開けた際、水位が低い場合は「フロートバルブ」、高い場合は「ボールタップ」が原因です。
フロートバルブのチェーンが絡まっていないか、引っかかっていないかを確認しましょう。
鎖が切れている場合は交換が必要です。
ボールタップの確認方法は浮き玉を持ち上げて行います。
浮き玉を持ち上げ、水が止まらない場合はボールタップのバルブが劣化しているため交換しましょう。
タンクと便器の隙間のパッキンを交換する
フロートバルブから水漏れしていないが便器内にちょろちょろと水が流れる場合は、トイレタンクと便器の隙間にあるパッキンの交換で直すことができます。
トイレタンクと便器の隙間には、「密結パッキン」とよばれる大きなゴムパッキンがついています。このパッキンが劣化すると、水を流した後も便器内に水が漏れてしまうのです。
密結パッキンから水漏れが起こっている場合、便器内だけでなく便器まわりの床に水が漏れることがあります。
もしも、便器以外の場所にも水が漏れているのであれば、密結パッキンを交換しましょう。
トイレ水漏れ修理の費用・料金相場
施工内容 | 料金相場 | 備考 |
---|---|---|
調整作業等 | 8,000円 | 施工に必ずかかる費用 |
専用器具使用(高圧ポンプ/ローポンプなど) | 20,000円 | 専用器具を使用した際の追加料金 |
便器脱着作業 | 20,000円 | 便器の着脱が必要な施工にかかる費用 |
調整作業等・パッキン交換等 | 10,000円 | 調整や交換作業を行う際にかかる費用 |
タンク内部品交換(タンク脱着なし) | 10,000円 | 着脱せずにタンク部品を交換した際にかかる費用 |
タンク内部品交換(タンク脱着有り) | 30,000円 | 着脱した場合は20,000円プラスされます |
洋式便器/タンク交換 | 各20,000円 | タンク交換費とは別にタンク本体の費用もかかります |
夜間早朝料金 | 8,000円 | 営業時間外の施工の際に請求される費用 |
トイレの水漏れ修理費用は作業内容によって大きく異なりますが、10,000円前後が相場になります。
依頼する前には見積もりをとるなど、料金を確認するのが大切です。
トイレの水漏れ修理費用の詳細は下記の記事で解説しています。
トイレの水漏れ修理にかかる費用は?原因別の料金相場を解説自分でトイレの水漏れを修理する際の注意点
自分でトイレの水漏れ修理をする際の注意点は以下の3つです。
- 部品やパーツの交換はサイズやメーカーを調べておく
- 便器の取り外しや分解は業者に依頼する
- テープやパテなどの補修材だけでは完全な修理とはいえない
それぞれ説明していきます。
1.部品やパーツの交換はサイズやメーカーを調べておく
自分でトイレの水漏れを修理するときは、部品やパーツの「サイズ」や「メーカー」を調べておきましょう。
トイレの種類やメーカーによって、適切な部品やパーツは異なります。
合わない部品を装着すると水漏れが悪化するほか、費用もかさむため注意が必要です。
2.便器の取り外しや分解は業者に依頼する
便器は重量があるため取り外しや分解の難易度が高く、自分で行うと返って被害が大きくなる可能性があります。
自分で行う際も、難しいと思った場合はプロの業者に依頼するようにしてください。
3.テープやパテなどの補修材だけでは完全な修理とはいえない
小さな水漏れだからと自分で修理する際は、テープやパテの補修材が応急処置であることを覚えていてください。
水漏れの程度や原因にもよりますが、補修材や補修テープだけでは完全な修理とは言えません。
ひび割れを見つけたらなるべく早く修理してもらいましょう。
まとめ
トイレの水漏れについてポイントをおさらいしましょう。
- トイレの水漏れが発生したらまず止水栓をしめ、ウォシュレットの電源を落とす
- トイレの水漏れの原因が分からない場合は業者に相談する
- トイレの水漏れ修理にかかる費用相場は10,000円前後
- 自分で修理する際はきちんと原因を特定してから進める
- 自分で修理する際は交換する部品やパーツの「メーカー」「サイズ」を確認する
トイレの水漏れの修理は、作業を誤ると他の箇所が破損してしまう危険性があります。
そのため無理に自分で修理しようとせず、難しいと感じた場合はプロの水道業者に依頼するようにしましょう。
また水漏れが長く続いてしまうと、床に浸水して床の取り換えなどの追加料金が発生しかねません。
水漏れを発見したら速やかに業者を呼びましょう。