水道蛇口から水漏れが発生!自分でできる適切な応急処置や修理方法とは?
日常的に使用する水道の蛇口は、さまざまな要因で「水漏れ」を起こす可能性があります。
水漏れトラブルは迅速で適切な処置を行わなければ被害が拡大する恐れがあり、放置することはできません。
では、実際に水漏れが発生した場合にはどのような対処が求められるのでしょうか?
この記事では、自分でできる水漏れの対処方法や原因の調べ方について解説します。
水道蛇口が水漏れしたときの応急処置方法

最初に、蛇口から水漏れが起こったときにやる「応急処置」の方法を説明します。
今も水漏れが起きているという場合は以下の方法で応急処置を行いましょう。
- 知水栓または水道の元栓をしめる
- 水漏れ専用のテープを使う
ひとつずつ説明していきます。
なお応急処置には、マイナスドライバーやレンチなどの工具を使用します。
一般的な家庭にあるものですが、必要な道具はあらかじめ準備しておきましょう。
蛇口を締めても漏れる場合は「止水栓」を締める
「止水栓」とは、通常の水栓とは別に故障やメンテナンスの際に水を止めるなど、水量の調整を行うために設置されている水栓の名称です。
まずは、止水栓を閉めることで水の供給を止めましょう。
止水栓の場所は住宅によって異なり、一戸建ての場合は屋外のメータボックス、集合住宅の場合は玄関付近の扉の中に設置してあります。
止水栓の種類
止水栓は住宅や設置場所によって異なりますが、一般的に以下の3種類です。
- アングル型
- 水が直角に流れるように設置されている止水栓です。
マイナスドライバーを使用し、右(時計回り)にまわすことで閉めることができます。 - ストレート型
- 水が直線上にまっすぐ流れるように設置されている止水栓です。
アングル型と同様にマイナスドライバーを使用し、右(時計回り)にまわすことで閉めることができます。 - ハンドル型
- 通常の蛇口と同様にハンドルが設置してある止水栓です。
工具を必要とせず、手でまわすことができます。
ハンドル型以外の止水栓の開閉にはマイナスドライバーを使用します。
開閉部が上手く調整できない場合には、レンチやプライヤーを使用すると作業を円滑に行うことができます。
また、止水栓が見つからない場合は「水道の元栓」をしめましょう。
水道の元栓は戸建ての場合は庭のどこかに、マンションの場合は玄関横の給湯器が入っている扉のなかにあります。
「水漏れ専用のテープ」で応急処置ができる場合もある
水漏れの原因が水道管やパイプの亀裂など、物理的にわかりやすい箇所であれば「水漏れ専用テープ」を使用して応急処置を行うことができます。
水漏れ専用テープには耐水性の高い素材が使用されており、さまざまな種類が販売されています。
テープによって用途や性能が異なるため、使用する際には水漏れの状態に合わせて適切な選択が必要です。
一般的な水漏れ専用テープの種類
- 自己融着テープ
- 防水補修シート
- 水道用ラップテープ
一見すると便利な水漏れ専用テープは、あくまでも一時的な応急処置方法であり水漏れを解決する根本的な対策ではありません。
水漏れを解決するためには、その後の修理が必要になることを考慮しておきましょう。
水漏れ応急処置をするときの注意点
水漏れの応急処置をするときの注意点は以下の2つです。
- 給湯器の水漏れが疑われる場合は、ガスの元栓を閉める
- 賃貸に住んでいる場合は管理会社に連絡する
給湯器の水漏れが疑われる場合は、ガスの元栓を閉める
「給湯器」とは、水を温めて供給するための住宅設備機器です。
給湯器は経年劣化や施工不良によって水漏れを起こす可能性があります。
自力で応急処置を試みる場合には、必ずガス栓を閉め安全を確認してから作業を行いましょう。
賃貸に住んでいる場合は管理会社に連絡する
給湯器の修理や交換は業者に依頼することになります。
賃貸物件の場合は管理会社や大家に連絡しましょう。
よくある4つの蛇口の水漏れトラブルと原因

住宅のよくある蛇口の水漏れトラブルは以下の4つです。
- 【キッチン・台所】台付き蛇口・壁付き蛇口からの水漏れ
- 【お風呂】台付き蛇口・壁付き蛇口からの水漏れ
- 【洗面台】ワンホール・ツーホール蛇口からの水漏れ
- 【洗濯機】万能ホーム・ワンタッチ・ストッパー付き水栓からの水漏れ
キッチン・台所、お風呂、洗面台、洗濯機、それぞれ説明していきます。
【キッチン・台所】台付き蛇口・壁付き蛇口からの水漏れ
部品の老朽化や破損によって水漏れが発生しやすいキッチンや台所の主な症状は以下のとおりです。
蛇口からの水漏れ
部品の連結部や、壁と蛇口結合部の摩耗によって水漏れが起こることがあります。
ポタポタと滴るように漏れだすことが多く、比較的気がつきやすい水漏れです。
止水栓の水漏れ
部品の老朽化によって起こりやすい水漏れです。
パイプ途中にある器具の隙間から、少量の水が滲み出すように漏れる特徴があります。
蛇口の水漏れと違って見逃してしまうことが多いため、定期的な確認が必要です。
排水ホースや排水口のつまり、漏れ
シンクと排水ホースのつなぎ目のトラブルが考えられます。
床に水が溜まっていたり、シンク直下の収納が濡れていたりする場合には、排水口のつまりや水漏れを疑いましょう。
【お風呂】台付き蛇口・壁付き蛇口からの水漏れ
水の使用量が多いバスルームは、必然的に水漏れの危険性が高い箇所です。
お風呂の水漏れ症状は以下のとおりです。
浴槽や蛇口からの水漏れ
蛇口からの水漏れは老朽化や部品の緩みが原因で起こる場合が多く、主に壁や部品の接続部を中心に少量の水漏れが発生します。
浴槽の水漏れは壁面の老朽化によるヒビや傷、ゴム栓などの排水口部品の劣化が考えられます。
シャワーヘッドの水漏れ
シャワーヘッド本体や、ホースの付け根に使用するパーツは消耗品です。
部品の損傷や劣化とともに、ポタポタと垂れるような水漏れが発生します。
給湯器からの水漏れ
内部部品の劣化や寿命による機能不全が考えられます。
浴室内に設置するタイプの給湯器では、浴槽や蛇口との接続部からの水漏れも多くなります。
【洗面台】ワンホール・ツーホール蛇口からの水漏れ
洗面台で使用する蛇口は天板の上に取り付けられているタイプが多く、取り付け穴の数によって「ワンホール」と「ツーホール」の2種類が一般的です。
洗面台の水漏れ症状は以下のとおりです。
蛇口・レバー・スパウト周りからの水漏れ
長期間の使用による接続部のゆがみや、内部の部品が劣化したことによって水漏れを起こします。
じわじわと少量の水漏れが発生します。
洗面台と配管のつなぎ目からの水漏れ
配管の破損や老朽化、接続部のゆがみなどが原因で水漏れを起こします。
配管を伝って洗面台の下に水が溜まります。
給水管の水漏れ
給水管を固定しているナットの緩みや、接続部に使用しているソケットの劣化による水漏れが考えられます。
蛇口を利用する際に水漏れが酷くなる特徴があります。
【洗濯機】万能ホーム・ワンタッチ・ストッパー付き水栓からの水漏れ
洗濯機用に万能ホーム水栓と接続するワンタッチ・ストッパーは消耗品です。
長期間の連続使用によって劣化や破損による水漏れが起こります。
賃給水・排水ホースのつなぎ目からの水漏れ貸に住んでいる場合は管理会社に連絡する
ホースの劣化や洗濯機本体による圧迫などが原因で水漏れが起こります。
床や洗濯機周りに水が溜まり、浸水の危険性も考えられるでしょう。
ナットやニップルからの水漏れ
蛇口に接続するワンタッチ・ストッパーには、ナットやニップルと呼ばれる部品が使用されています。
この部品の劣化による緩みや破損によって、給水部分からホースを伝って垂れるように水漏れが発生します。
排水口からも水漏れ
排水口と排水ホースの接続が緩んだり、排水口に汚れが溜まることによって水漏れが発生します。
排水されるべき汚水が円滑に流れず、床を中心に水漏れが起こります。
【蛇口の水漏れ箇所別】水道蛇口の修理方法

一概に蛇口の水漏れといっても、位置や原因によって適切な修理方法は異なります。
ここからは蛇口の修理方法を水漏れ箇所別に解説します。
【必要な道具】
- ドライバー(ねじを外す際に使用)
- モンキーレンチ、プライヤー(ボルトや固い部品を外す際に使用)
- 水栓レンチ(水栓の着脱に使用)
- ピンセット(細かい部品の取り出しに使用)
※必要な工具は水漏れの箇所や原因によって異なります。
水漏れの原因はさまざまですが、修理を行う際は事前に道具を用意し、止水栓を止めてから行いましょう。
蛇口の先から水漏れする場合の修理方法
ハンドルやハンドル内部にある部品の劣化が考えられます。
部品を新しいものと交換することで、水漏れを解消することができます。
〈手順〉
- ハンドルを外す
- 蛇口内部のパッキンを取り出す
- パッキンを新しいものと交換する
ハンドル・レバー下から水漏れする場合の修理方法
ハンドル内部にある三角パッキンの劣化が考えられます。
三角パッキンとパッキン受けを交換しましょう。
(※パッキンと三角パッキンは別の部品です)
〈手順〉
- 蛇口からハンドルを外す
- ハンドル中央部のビスを外す
- 三角パッキンとパッキン受けを新しいものと交換する
蛇口本体と取付け口の間から水漏れする場合の修理方法
水栓の根元に巻かれているシールテープの劣化が考えられます。 シールテープを新しいものに交換することで水漏れを防止できます。
〈手順〉
- 水栓レンチを使用して水栓を取り外す
- 水栓から古いシールテープを取り外し、新しいものと交換する
- 水栓を取り付ける

自分で修理できない場合は業者に修理を依頼する
水漏れの主な原因は「水栓本体の老朽化や破損」「部品や配管の摩耗」「給水・配水管つなぎ目の不具合」「配管のつまり」が大多数を占めています。
原因によって行う修理が異なるため、蛇口の水漏れトラブルを自分で解決するためには水漏れの原因を正確に把握しなくてはなりません。
そのため、水漏れの原因が特定できない場合は自力で修理することはできません。
また蛇口のパッキン交換など、簡単な作業であれば自分で修理できることもありますが、原因が特定できない場合や、配管、集合住宅の給湯器といった場所の修理は、故障などのリスクが伴うため自己修理はおすすめできません。
自分での修理が難しい場合は無理に直そうとせず、専門の水道業者に依頼しましょう。
水道業者に依頼した方が良いケースについては次の章で説明します。
水道業者に修理を依頼した方がよいケース

水道業者に修理を依頼すべきケースは、以下の3つです。
- 水漏れの原因が分からないとき
- 10年以上使用しているとき
- 大量の水が漏れているとき
具体的に見ていきましょう。
水漏れの原因が分からないとき
水漏れの原因が分からないときは水道修理業者に依頼しましょう。
水漏れの原因が特定できない場合や、判断に確証が持てないままの自己修理はリスクを伴うからです。
自己判断を避け、水道業者に依頼することが賢明です。
10年以上使用しているとき
水漏れをした水道や蛇口を10年以上使用しているときは業者に修理を依頼しましょう。
蛇口や水栓は多くの部品で構成されていますが、ほとんどの部品は消耗品のため徐々に劣化していくからです。
継続使用が長期に及んでいる場合、目に見えていない部品の劣化が進行している可能性もあるため、水道業者に状態を確認してもらうのがおすすめです。
大量の水が漏れるなど緊急性を要するとき
大量の水が漏れているなど、今すぐ水漏れを直したい場合は業者に依頼しましょう。
自分で修理をすると業者に依頼するよりも時間と手間がかかります。
大量の水漏れは浸水や漏電の危険性も孕んでいるため、迅速な対応が必要な際は水道業者に依頼しましょう。
水漏れの自己修理には限界があります。
水道業者であれば水漏れの原因や場所を正確に判断することができ、修理の失敗や症状拡大などのリスクを心配する必要がありません。
また、老朽化した部品の交換やメンテナンスなど、水栓を正常に利用するためのさまざまな点検や改善が可能なので、大量の水漏れなど故障が疑われる症状の場合は水道業者に依頼しましょう。
水道業者に修理を依頼するときの費用

水道業者に水漏れ修理を依頼する場合、かかる費用相場は5,000円~20,000円程度です。
ただし、水道蛇口の交換の場合は本体代金が15,000円~、と蛇口やパッキンの交換などの材料費が別途かかります。
水漏れ箇所 | 修理内容 | 料金 |
---|---|---|
全体 | 蛇口の水漏れ修理・調整作業等 | 5,000円~8,000円 |
排水溝のつまりによる水漏れ修理 | 5,000円~8,000円 | |
蛇口パッキン・スピンドル等の部品交換 | 5,000円~15,000円 | |
キッチン | 単水栓(壁付き・台付き)交換 | 10,000円~20,000円 |
混合水栓(壁付き・台付き)交換 | 15,000円~30,000円 | |
シングルレバー混合水栓交換 | 20,000円~50,000円 | |
バスルーム | 単水栓(壁付き・台付き)交換 | 15,000円~25,000円 |
混合水栓(壁付き・台付き)交換 | 20,000円~40,000円 | |
サーモスタット混合水栓 蛇口交換 | 40,000円~65,000円 | |
洗面所 | 単水栓(壁付き・台付き)交換 | 10,000円~20,000円 |
混合水栓(壁付き・台付き)交換 | 15,000円~30,000円 | |
シングルレバー混合水栓 蛇口交換 | 20,000円~40,000円 | |
洗濯機 | 洗濯機用蛇口交換 | 8,000円~15,000円 |
※料金は、基本料金+作業費+材料費すべて含めた場合の相場です。
これらはあくまで目安ですので、詳しい料金は依頼する水道業者に確認が必要です。
また、水道業者によって料金体系は異なりますが、トータルの料金のなかには、作業費と基本料金が含まれていることが一般的です。
蛇口やパッキン等の交換が必要になった場合は、さらに「材料費」が発生するため注意しましょう。
水漏れが起こっているか確かめる方法【こんな症状に注意】
水漏れはいつどこで発生してもおかしくありません。
気がついた時にはすでに水が漏れていたという事態を防ぐためにも、以下のような症状を確認したら水漏れを疑いましょう。
水道代が上がった
月々の平均的な水道代と比較して、明らかに請求額が増加した場合には水漏れの危険性があります。
水栓や止水栓を確認しても水漏れの形跡が認められない時は水道メーターを確認してみましょう。
水道メーターには水を使用することで振動する「パイロット」と呼ばれる丸い器具が取り付けられています。
このパイロットは水が出ているときに回転して動く部品です。
すべての蛇口を閉めた状態で、パイロットが振動しているようであれば水漏れが発生しています。
水の汚れや異音がする
水が汚れていたり、使用中に異音がしたりする場合は、配管や水道管の破損や劣化による水漏れの可能性があります。
水道管関連のトラブルは自己修理が難しい箇所であり、放置してしまうと被害が拡大してしまいます。
違和感に気がついたら速やかに水道業者へ依頼しましょう。
まとめ
この記事では、自分でできる水漏れの応急処置や修理方法について解説してきました。
自己修理の手間は水漏れの原因や場所によって異なります。
水漏れ箇所が特定できない場合や、対処方法に不安がある際は無理に直そうとせず、専門の水道業者に依頼することが賢明です。
素早く正確な対処が必要な水漏れ。
状況に応じて最適な選択を心がけましょう。