賃貸の備え付けエアコンをクリーニングするには?

賃貸物件に設置されているエアコンの実情

エアコンが備え付けられているかは、賃貸物件を探す際のポイントにもなりますよね。
エアコンの有無は、契約するかどうかの決断を左右する重要な要素だと言っていいでしょう。
こうした賃貸契約を結ぶにあたって、入居する側は設置されているエアコンがしっかり管理されていることを前提にしてしまいます。
実際には、綺麗にクリーニングされているとも限りません。
以下では、賃貸物件に設置されているエアコンの実情と、メンテナンスの裏側について紹介します。
賃貸物件のエアコンはほとんどが中古
賃貸物件に設置されているエアコンのほとんどは、何年間か使用されている中古エアコンです。
新品のエアコンが設置されている場合は以下が挙げられます。
- 新築の賃貸物件
- エアコン取り換えのタイミング
賃貸契約後に入居する際、管理会社は室内をきれいにクリーニングして引き渡すことになっています。
しかし、中古エアコンのクリーニングは、必ずしも行われているものではありません。
むしろ、エアコンのクリーニングを行っているほうが少数派ともいえるのが実状なのです。
賃貸物件のエアコンのメンテンナンス
実はエアコンのクリーニングに対する対応は、管理会社やそのマンション・アパートのオーナーによって異なります。
入居後にエアコンを使ってみて、カビ臭かったり、内部がカビだらけだったりといったことが良くあるのです。
上記は、前の入居者の退去後に適切なエアコンクリーニングが行われていないことが原因として挙げられます。
自分で何かした覚えもないのにエアコンの調子が悪い、入居直後からホコリがたまっている、といった場合は、すぐに管理会社やオーナーに相談してみましょう。
賃貸の備え付けエアコンのクリーニングは誰が行う?

賃貸物件に設置されているエアコンの掃除義務は、入居前と入居後によって異なります。
以下で、入居前後それぞれについて説明します。
賃貸入居前のエアコンクリーニング
基本的に入居前のクリーニングは、管理会社やオーナーの責任です。
入居直後に発生したトラブルであれば、管理会社やオーナーの負担でエアコンのクリーニングや修理を行ってくれるケースもあります。
まずは、物件のオーナーに相談して、どう対応すべきかを尋ねるのがよいでしょう。
賃貸入居後のエアコンクリーニング
エアコンが壊れてしまった場合は、管理会社やオーナーサイドで新品に交換してもらえることがあります。
しかし、入日ごろのエアコンクリーニングは、入居者が行う必要があるのです。
「嫌な臭い」「カビの繁殖」を増やさないためには、日ごろのお手入れが必須です。
フィルターやエアコン外部の掃除、吹き出し口の掃除などはできるだけ定期的に行うようにしましょう。
こうした日々のお手入れが、退去時にも役立つことになります。
以下で、退去時に注意すべきポイントを詳しく説明していくので、参考にしてみてください。
賃貸退去時のエアコンクリーニング費用と注意点
賃貸マンション・アパートの契約を結ぶ際、その内容をしっかり確認しているでしょうか。
物件によって礼金が必要であったり、敷金が必要でなかったりと、その内容もさまざまだと思います。
そんな中で退去時にトラブルになりやすいのは、敷金についてです。
あらかじめルームクリーニング代を支払っているはずなのに、退去時に改めてクリーニング代を請求されるケースもあります。
以下では、賃貸退去時のエアコンクリーニング費用と、注意しておくポイントについて紹介します。
退去時のエアコンクリーニングに関する注意点
上述したように、退去時にトラブルをなくすためにも、契約書の確認が大切です。
部屋を明け渡す際、どのような負担が生じるのかについて、あらかじめ目を通しておきましょう。
国土交通省で定められた「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」にも、敷金についての一般的な事例が記されています。
経年劣化などは「通常の使用」の範囲内にあり、部屋を借りた側に原状回復の義務はないとしているのです。
しかし、このガイドラインには、法的効力がないため注意が必要です。
契約書やガイドラインを確認したうえで、エアコンクリーニングを日ごろからしておくことをおススメします。
退去時のエアコンクリーニングにかかる費用
エアコンクリーニングの費用を大家さんが負担してくれる際は、もちろんかかる費用はゼロです。
一方で、自身で費用を負担しなければいけなくなった際は、一般的なエアコンで15,000円程度かかります。
このクリーニング費用は、エアコンのタイプによっても異なるので業者に確認してみるのが良いでしょう。
退去時のエアコン掃除費用については、以下の記事で詳しく説明しています。
併せて参考にしてみてください。
賃貸アパート退去時のエアコンクリーニング費用はだれが負担する?
エアコンを掃除するタイミング

エアコンにどんな症状が出たら掃除すべきなのでしょうか。
以下で、エアコンを掃除すべき、というサインの数々を紹介します。
エアコンの臭いに気を付ける
まず、エアコンの臭いに気をつけてみてください。
何やらカビ臭いと感じることがあれば、それはエアコンの汚れのサインであり、掃除のサインです。
汚れていないように見えても、送風口の奥をのぞきこんでみると、黒いカビがびっしりついていたり、ホコリがたまっていたりするかもしれません。
エアコン内部で空気の温度を調整する際には、結露が発生します。
結露を乾かさないままにすることで、カビが繁殖してしまうのです。
また、チェックする際は、エアコンをつけてすぐの臭いを確認するようにしましょう。
エアコンの電源を入れてある程度たつと、内部に発生したカビの結露水がコーティングの役目を果たして臭いがしなり、正しい確認ができなくなってしまいます。
エアコンの稼働音を確認する
臭い以外にも、使用時の音を確認してみてください。
エアコンの稼働音がいつもより気になる、音が大きくなっているようだと感じたら、それは汚れのせいかもしれません。
ホコリがたまるとエアコンはうまく稼働できず、音が大きくなる傾向があります。
エアコンの温度や風がうまく制御できない
エアコンをつけても、なかなか冷えなかったり、いつもより風が弱いように感じたりするときには、故障を疑う前にまず掃除してみましょう。
エアコンの効きが悪いのは、熱交換器の汚れが原因で熱交換比率が悪化しているからかもしれません。
また、風が弱まるのは、ファンに汚れがたまって送風しづらくなっているのが理由です。
そのため、フィルターにたまったホコリで空気を取り込みにくくなっているのです。
エアコンの電気代が高くなっている
エアコンを掃除しないことが原因で、電気代が高くなることがあります。
上記は、エアコン内のホコリやカビが原因です。
従来の動きではなかなか風を取り込めないため、エアコンがフル稼働することで、電気代が高くなってしまいます。
エアコンを掃除することで、エアコンの効きがよくなるだけでなく、電気代も抑えられるのです。
エアコン掃除のサインを見逃さず、汚れをためてしまう前に掃除するようにしましょう。
自分でやる賃貸のエアコンの掃除方法と頻度

前述した、掃除のサインが出たときに限らず、自分なりに定めた期間内で掃除すると、より快適に過ごせます。
賃貸マンション・アパートに備え付けのエアコンの掃除方法と頻度について紹介するので、ぜひ参考にしてください。
エアコンを自分でクリーニングする方法
エアコンを掃除する際は、まずフィルターについた汚れを落とすことです。
フィルター掃除では、フィルターを取り外し、その周囲やパネル部分のホコリを掃除機などで丁寧に吸い取っていきます。
フィルターを掃除する際は、傷めないよう気をつけながら水洗いするか、薄めた台所用中性洗剤で洗いましょう。
フィルターを設置する際は、カビの発生を予防する意味でも、フィルターをしっかり乾かすことが大切です。
次に、吹き出し口周辺の掃除を行います。このときは、掃除前にコンセントを抜いてください。
薄めた中性洗剤を含ませたタオルで吹き出し口を拭いていきますが、ファン部分の汚れなどには手が届かないので、無理をしてはいけません。
拭き掃除が終わったらコンセントを入れ、送風運転をして乾かしてください。
エアコンを自分で掃除する頻度
自分でエアコン掃除する頻度は、以下の通りです。
掃除箇所 | 頻度 |
---|---|
フィルター | 2週間ごと(エアコンを使用している時期) |
エアコン内部 | 2年おき |
ただ、普段から除湿機能を使ってエアコン内部の結露を防ぐよう心がけると、カビの予防につながります。
掃除のタイミングとして大切なのが、冷房や暖房を使用し始める前と使用後になります。
季節の変わり目にエアコンを掃除するのがおすすめです。
2週間に1度という頻度でフィルターの掃除はできない方でも、最低この時期に掃除すれば、快適な状態でエアコンを使えます。
より快適な状態でエアコンを使うためにも、上記頻度での掃除を心がけてください。
詳しい、エアコンクリーニングの頻度については、以下の記事でも紹介しています。
併せて参考にしてみてください。
エアコンフィルターの掃除を簡単にする方法を教えます!
ハウスクリーニング業者に掃除を依頼するには
自分なりにエアコンを掃除しても、カビ臭さが取れないという場合は、ハウスクリーニング業者に掃除を依頼することをおすすめします。
賃貸マンション・アパートにお住まいの方は、まず管理会社やオーナーに相談してください。
場合によっては、管理会社やオーナーが懇意にしている業者を紹介してくれることもあります。
費用を負担してくれることもあるのでおススメです。
また、プロによるクリーニングは以下の2種類あります。
- 簡易クリーニング
- 分解クリーニング
以下で詳しく紹介します。
簡易クリーニングを業者に依頼する
「簡易クリーニング」とは、前面のパネルやフィルターを外した状態で内部を洗浄する方法です。
簡易クリーニングの場合は、作業時間が1時間から2時間ほどとなります。
汚れがしっかり取り切れない部分もありますが、「分解クリーニング」に比べて費用を抑えられるのがメリットです。
費用の目安は9,000~15,000円になります。
分解クリーニングを業者に依頼する
「分解クリーニング」は、壁面からエアコン本体を取り外し、分解してパーツのひとつひとつを洗浄する方法です。
分解クリーニングのメリットは、徹底的なクリーニングを行えることにあります。
エアコンを壁から取り外して業者が持ち帰るため、エアコンを再設置するまでに1週間ほど見込まなければなりません。
手間がかかる分、費用も若干高めに設定されています。
費用の目安は、完全分解で15,000~25,000円です。
どちらの場合も、自分で業者を探す場合は選び方が大切になります。
選び方のポイントについては、以下に記載しているので参考にしてみてください。
エアコンクリーニング業者の選び方は?チェックポイントとおすすめ業者を紹介
まとめ
いかがでしたか?
エアコンに異常を感じたら、まずは管理会社やオーナーに相談してみることが大切です。
場合によっては、大家さんがエアコンクリーニング費用を負担してくれることもあります。
また、入居中はできるだけ現状維持し、快適に過ごすためにも定期的なお手入れを心がけましょう。
こうした積み重ねが、退去時の敷金の返金にもつながってくる可能性があります。
自力でのクリーニングでは汚れを取り切れない、プロに依頼したい、という場合も、管理会社やオーナーに問い合わせたうえで、方法を探ってみてください。