自動掃除機能付きエアコンでもクリーニングの必要はあります!正しい掃除方法をご紹介

お手入れの手間をできるだけ減らしたいと、自動掃除機能付きエアコンを購入したご家庭は多いはず。
しかし、だからといって安心しきってしまうのは禁物です。
自動掃除機能付きのエアコンも、放置していれば、ホコリだらけになってしまいます。
より精密なつくりになっている自動掃除機能付きのエアコンをきれいにするには、プロの手による分解クリーニングがおすすめです。
ここでは、自動掃除機能付きエアコンのチェックポイントやプロによるクリーニングが必要な理由などを解説していきます。
「自動掃除機能付きエアコンは掃除不要!」は大きな誤解

自動掃除機能付きエアコンは、外カバーをふくだけで掃除がすむ……そんな謳い文句で販売されていることが多く、エアコンの掃除に悩まされてきた方たちから「夢の商品」として取り上げられてきました。
しかし、実は、掃除機能付きのエアコンが自動でお掃除するのは、室内機のフィルターのみ。
室内機の内部に徐々にたまっていく外気の汚れやホコリを取り除く機能は持ち合わせていません。
さらに、冷房や除湿運転中は濡れた状態にもなり、カビが発生しやすい状態です。
そのため、エアコンは掃除機能付きか否かにかかわらず、内部のカビやホコリ、室外機のファンなどには定期的なクリーニングが必要になります。
掃除機能が搭載される前と同様、ブラシや掃除機でホコリを取り除き、水洗いする手間が必要になるのです。
メーカーのホームページに紹介された文言の中にも、エアコンを清潔に使うための但し書きがびっしりとあります。
これは、自動お掃除機能が万全なものではないことを物語っており、エアコンを購入する段階でよく内容を理解することが重要です。
自動お掃除機能付きエアコンが汚れる理由

では、自動お掃除機能付きエアコンが汚れる理由は何なのでしょうか。
主な理由としては、以下の3点が挙げられます。
- 自動お掃除機能付きエアコンは密閉度が高く、カビが繁殖しやすい環境になっている
- 自動お掃除機能が設定されていないことがある
- 自動お掃除機能は完璧ではない
自動お掃除機能付きエアコンは、従来のエアコンに比べて、より密閉度が高いのが特徴です。
一度スイッチを切ると、ルーバーなどがきっちり収納されてしまいます。
こうしたエアコン内部は、中に残った水分で湿度が高まり、カビにとって非常に望ましい繁殖環境です。
そのため、自動お掃除機能付きエアコンは通常のエアコンよりもカビが繁殖しやすいと考えられます。
さらに、せっかくの自動お掃除機能が切られた状態でエアコンが使われているケースをご説明しましょう。
自動お掃除機能付きエアコンの場合は、電源を切った状態で自動的に掃除されるように設定されています。
しかし、このときのモーター音などが耳障りになると、自動お掃除機能を切っている方も多いのだとか。
そのままエアコンの自動お掃除機能を入れ忘れているにも関わらず、安心して過ごしているうち、フィルターが凄まじいまでの汚れに……そんなケースも少なくありません。
また、自動お掃除機能そのもののお手入れが十分でないことも汚れの原因です。
自動お掃除機能付きエアコンには、以下のような2種類のタイプが存在します。
- 掃除した結果、溜まったホコリを屋外に排出するタイプ
- ダストボックスに溜めるタイプ
溜まったホコリや汚れを屋外に排出するタイプでは、ホースをつたってホコリを外部へと排出していきます。
しかし、このホースのお手入れをしないとホースが詰まり、ホコリが排出されにくくなるのです。
ダストボックスタイプでは、たまったホコリを定期的に捨てる必要があります。
ダストボックスにホコリがたまると、自動お掃除機能がうまく働かないことにも。
エアコンの自動お掃除機能は、フィルターを掃除する機能に過ぎません。
エアコンの内部には、これまでのエアコンと同様、水分が残っています。
シーズンごとに送風運転を行ったり、数カ月に一度のフィルターを洗ったりするなどが必要です。
自動掃除機能付きエアコンを購入する場合は、機能の複雑さを理解したうえで、適切なケアを行わなければなりません。
自動お掃除機能付きエアコンの見分け方
「でも、説明書がなくてうちにあるエアコンに自動掃除機能が付いているかどうかがわからない……」
そんな方がおられるかもしれません。
実際、自動お掃除機能は電源を落としたあとに自動で運転するため、あまり意識していない方も多いはず。
そこで、それぞれのエアコンに自動掃除機能が付いているか否かを見分ける方法を2つご紹介します。
確認すべき箇所は以下のとおりです。
- エアコン本体の厚み
- 室内機の全面パネル
- エアコン付属のリモコン
まずは、エアコン本体の厚みを確認してみましょう。
エアコンの側面から見て、従来のエアコンより厚みがあるなら、自動お掃除付きエアコンだと考えて間違いありません。
なぜなら、自動お掃除機能付きエアコンには、掃除機能を付けただけ、本体の厚みが増しているからです。
しかし、全ての自動お掃除機能付きエアコンが厚いというわけでもありません。
従来のエアコンと厚みが変わらないタイプも発売されていますので、厚みにさほど違いがないようであれば、室内機の前面パネルを外してみましょう。
室内機の内部にあるのが取り外しできるフィルターだけなら、自動お掃除機能が付いていないと言ってよいはず。
メーカーによっても異なりますが、フィルター以外の機能があれば、自動掃除機能付きの商品だと考えていいでしょう。
また、手許にあるリモコンのボタンを見ても、自動掃除機能付きかどうかを判断できます。
メーカーによって表示方法は異なりますが、リモコンに「手動掃除」「フィルターおそうじ」「フィルターお掃除」といったボタンがあるのなら、自動掃除付きのエアコンです。
エアコンの自動お掃除機能を比較
自動お掃除機能付きのエアコンが初めて登場したのは、2005年。
富士通ゼネラルが発表したエアコンでした。
フィルターのホコリをブラシで自動的にかき出し、ダストボックスにためるという「フィルター自動おそうじ機能」は、業界にとってはまさに画期的なものでした。
当然、消費者からの注目も高く、その後他のメーカーも自動お掃除付きエアコンの開発に着手し始めたのです。
自動お掃除機能は次第に、エアコンの目玉機能とも目されるようになりました。
富士通ゼネラルが販売し始めてからすでに10年以上たった2018年現在では、最廉価機種を除いて、ほとんどのエアコンに自動お掃除機能が付くまでになっています。
ここからは、モデル別とメーカー別2つの軸によって、自動お掃除機能付きエアコンの特徴をご説明致します。
モデル別自動お掃除機能付きエアコンの特徴
エアコンのモデルは、下位、中位、上位と大きく3つに分けることができ、以下のような特徴があります。
モデル別エアコン | 自動お掃除機能の特徴 |
---|---|
下位エアコン | フィルターのみの自動お掃除 |
中位エアコン | フィルターと合わせて、抗菌の熱交換器を導入。 |
上位エアコン | フィルターと合わせて、熱交換器を掃除。 熱交換器を撥水コーティング済み。 |
現在、最もポピュラーである下位モデルにおいては、ほぼすべてのメーカーにおいてフィルターの自動お掃除機能が付いていると言っても過言ではないでしょう。
さらに、当初はフィルターの掃除に限られていた機能も、さらに優れたものを、さらに性能がよいものをとの声に後押しされて、新しい機能が付加され始めました。
現在では、熱交換器をいかに清潔に保つかが注目されるようになり、日立、三菱、パナソニック、シャープなどのメーカーは、フィルターの自動掃除機能が付いた中位モデルに、抗菌の熱交換器を新たに導入しています。
さらに、上位モデルではホコリのたまりやすい熱交換器の掃除機能までも加わるようになりました。
これは、ホコリのたまりやすい熱交換器の汚れを落とすため、熱交換器から出る結露を使うというもの。
熱交換器を撥水コーディングすることで、こうした機能を付加することができたのです。
こうした熱交換器の掃除機能が搭載されているのは東芝やダイキン工業などのハイエンドモデルに限られています。
かなり高額ではありますが、これまでの自動掃除機能付きエアコンにおける問題点を補うためのモデルであることも確かです。
メーカー別自動お掃除機能付きエアコンの特徴
続いて、メーカーごとに自動掃除機能付きエアコンの特徴を見てみましょう。
メーカー名 | 自動お掃除機能の特徴 |
---|---|
ダイキン | ダストボックスでホコリを回収。 独自の「ストリーマ」機能で、内部のカビを予防。 |
三菱 | ダストボックスでホコリを回収。 「バイオクリア運転」機能により、フィルターを掃除。 |
パナソニック | 掃除ロボットによって、フィルターをきれいに。 カビ見張り機能付き。 |
シャープ | フィルターの表裏をブラシで掃除。 熱交換器クリーニング機能付き。 |
ダイキンのフィルター自動掃除機能は、フィルターのホコリをブラシで落とし、ダストボックスで回収するというもの。
ダイキン独自の「ストリーマ」機能で、熱交換器や気流通路などエアコン内部を乾燥させ、カビを予防してくれます。
三菱の自動掃除機能は、自動的にダストボックスにホコリがたまるタイプ。
これ以外にも、フィルターに付着した汚れを酵素と尿素できれいにする「バイオクリア運転」機能が付いています。
さらに、内部クリーン運転モードにすれば、運転をやめたあと自動的にエアコン内部を乾燥させることが可能です。
パナソニックでは、フィルターに付いたホコリを掃除ロボットが除去してくれます。
エアコン内部のカビや嫌な臭いの元を取り除くための内部クリーン機能、カビみはり機能などが付属しているのも特徴です。
シャープの自動掃除機能は、フィルターの裏表両方のホコリをブラシでかき出し、除去するというもの。
さらに、熱交換器クリーニング機能も付いており、アルミフィン部分の汚れをドレン水で浮かせて洗い出してくれます。
カビ予防のため、送風による乾燥機能のほか、プラズマクラスターイオンなども活用しています。
掃除機能付きエアコンは分解してクリーニングを

エアコンはもともと、内部にカビが発生しやすい構造になっています。
清潔に使おうと思えば、2年に一度もしくは1年に一度の頻度でしっかりエアコンクリーニングを行うのが理想。
しかし、自動掃除機能付きエアコンの場合は、さらに複雑で高性能な部品が付属しているため、家庭ではなかなか掃除しきれないのが実際です。
自動掃除機能付きエアコンを内部からきっちりクリーニングしようとすれば、本体を分解し、パーツごとに高圧洗浄機で丸洗いする必要があります。
しかし、この分解作業はとてつもなく難解なもの。
小さすぎて目にも見えにくいほどのバネ、複雑な配線、繊細なつくりの部品などがあり、構造を熟知している人でも分解だけで30分以上かかるほどで、素人が手を出すと元には戻せなくなってしまいます。
自動掃除機能付きエアコンの知識が豊富なプロであれば、各機種に即した分解方法を熟知しており、カビや汚れをきれいに落としてくれます。
複雑な構造をもつ自動掃除機能付きエアコンの場合は、高性能になればなるほどクリーニングに時間がかかり、メンテナンスにかかる費用も大きくなります。
しかし、汚れが落ちることで節電効果があり、電気代を抑えられるうえに、カビなどによる健康被害を防ぐことができます。
さらに、エアコンそのものを長持ちさせることもできるはず。
自動掃除機能付きエアコンのクリーニングを検討されている方には、分解クリーニングができるプロに依頼し、しっかり内部まで洗い上げてもらうことをおすすめします。
まとめ
自動掃除機能は、エアコンの掃除を全て不要にしてくれる「夢の機能」ではありません。
自動的に掃除してくれるのだからと考えて日ごろのお手入れを怠ると、カビが発生したりホコリだらけになったり。
電気代をくうだけでなく、健康面でも被害を及ぼしかねないということをご理解ください。
また、より精密なつくりになっている自動掃除機能付きエアコンの場合、分解しての丸洗いは、プロの業者に依頼すべきです。
クリーニングしようとして壊してしまっては、元も子もありません。
すっきりきれいに、より効果的にエアコンを使うためにも、ぜひプロの業者にご依頼ください。